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上を向いて歩こう

上を向いて歩こう 涙がこぼれないように

シンプルなことだけど、上を向いて歩くってことを忘れがちだ。

振り返れば、ほとんど地面を見て歩いてきた人生。

通勤も同じ道を通って、会社まで辿り着く。
ぼーっと何も考えなくても、体が覚えている。

帰り道も同じ。いつもと同じ道を通って家まで辿り着く。

家に帰って、風呂に入って、ご飯食べて、酒を飲んで寝る。

何もかもが、これまでに積み上げてきた行動の集約。

体をどこから洗ったのか。晩御飯がなんだったのか。思い出せないぐらい、当たり前になっている日常。

そこには何の刺激もなければ、発見もない。

学生の卒業旅行で行った沖縄旅行。

人生ではじめて乗る飛行機。
機内から見えてくる市内では見ることのできない青く澄んだ海。

ものすごく興奮して、何とも言えない高揚感を感じたのを今でもはっきりと覚えている。

はじめての土地、環境。自分の知らない世界を知った感動。

目的地も定めぬまま、海を求めて知らぬ道をレンタカーで走る。

出逢う人皆が優しかった。

食文化も方言も何もかもが新鮮だった。

あの時の自分の目はキラキラ輝いていたんだろうな。


いつもの通勤経路を少し変えてみた。
少し迷子になりかけつつも、知らぬ道を歩くと新鮮な気持ちになれた。

帰り道はいつもと同じ経路。

何となく上を向きながら歩いてみた。

そこには今まで見えていなかった景色が広がっていた。

あんなとこにマンションがあったんだ。
ここって、こういう地名なんだ。
ビルの3階にマッサージ屋があった。

上を見て歩くだけで、これまで当たり前に通ってきた道が、違う景色に見えてくる。

景色が変わると気分も不思議と明るくなる。

沖縄には簡単には行けないけど、普段何気なく歩いている道も、上を向いて歩くだけで、新しい景色に出逢えるのだ。

上を向いて歩こう。

やっぱ名曲だなぁ。


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