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SDGsを調べていたら最終的にセミのチリソースが出来上がったお話

こんにちは。
太陽と申します。

普段は会社PRとして社内の出来事やイベントを記事にさせて頂いておりますが、今回は番外編ということで独立した記事になります。

なんでそうなったのかというと、後ほど紹介しているのでよろしければご一読ください。

・・・念のため言いますが、今回は虫が沢山登場する記事になります。

なんなら調理するところまでしっかり写真付きで出てくるので、虫嫌いな方は自己責任でご覧ください。


はじめに


カマキリすき

早速ですが、筆者は虫が好きです。

どのくらい好きかというと、会社で悲鳴が聞こえたら真っ先に駆けつけて人ではなく虫を助けに行くほど虫が好きです。

幼少の頃から虫に惹かれ、周りの友達が虫に興味を失いゲームやスポーツに移行していく中、ただひたすらに虫と戯れて育ちました。

大人になってから網を振り回してまで虫捕りをすることはなくなりましたが、日常で不意に虫と出会うと未だに心がときめきメモリアルしますし、その造形美にうっとりしてしまいます。

そしてここ数年。
虫嫌い大国の日本(偏見)で、何故か昆虫食が注目されるようになってきました。

無印良品様が「コオロギせんべい」の取り扱いを始めたのは、昆虫食に興味のない方でもご存じなのではないでしょうか?


昆虫食について


虫嫌いが溢れるこの日本(偏見)で、最近になって何故大手企業様が昆虫食の販売を始めたのでしょうか?

SDGs(エスディージーズ) 持続可能な開発目標

人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標として、世界中のさまざまな立場の人々が話し合って課題を整理し、具体的な目標を立てました。

それが「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」
持続可能とは「何かをし続けられる」ということ。

無限の様に思える地球の資源は限られた物であり、これまで通り消費し続けると、遠くない将来で枯渇してしまうといいます。

なので、将来この地球に生まれる全ての命が、今生きる我々のツケを払わされるような生き方にならないよう、継続して続けれることを模索していかなければいけないのですね。

SDGsと昆虫食の関係


SDGsと昆虫食の何が関係してるの?
と思われたかもしれません。

私も最初はよくわかりませんでしたが、調べてみるとSDGsと昆虫食はかなり密接に関係していました。

たとえば、牛や豚、鶏など・・・今の我々の生活を支えてくれている動物達ですが、老若男女問わず誰しもが育てれるわけではないですよね?

知識はもちろん、飼育する施設、広大な土地、莫大な餌代など、様々な問題をクリアしなければいけません。

そこで注目されているのが、昆虫食でもメジャーなコオロギの存在です。

コオロギは老若男女問わず養殖することができます。
そりゃ多少知識は必要だと思いますが、牛豚鶏に比べては圧倒的に簡単ですし、本格的じゃないにせよ、小学生ですら飼育することができます。

ペッドボトルの蓋に水を含ませた脱脂綿を入れて、キュウリを土に竹串で刺しておくやつです(小学生の知識)

牛や豚と違って少しのスペースがあれば育てる事も出来ますし、餌代も圧倒的に抑えることも出来ます。

実際タイの東北部では、土地が痩せて収穫量が増えず家計を養うために若者が都市部へ行き人口の減少が問題になったそうです。

そんな貧困を救ったのがコオロギの養殖です。

元々、タイは昆虫食の文化が根付いているのですが、近年の昆虫食需要の増加に伴って、国内外問わず消費されるようになり、結果としてコオロギ農家としての雇用が生まれ経済的に豊かになったという訳です。

更に詳しくという方は、筆者の崇拝する昆虫食メディア「プラスミライ」様の記事をご覧ください。


さて、筆者が幼少の頃に初めてテレビで海外の人が虫を食べていると知った時は、「虫食べんの!?」とビビッた記憶があります。

虫はかっこよくて生きてこそと思っていたので・・・標本ですらあまり好きではなかった筆者にとってそれはそれは理解できないものでした。

いや好きやけど・・・口に入れるのは流石にキツくない?

しかし当時は「昆虫食」という言葉すら聞く事がなかったので、たまにテレビで外国の人が食べている映像が流れる以外、全く触れることなく日々を過ごしてきました。

それから十数年後、自然や地球環境について仕事柄考える機会が多くなっていき、私生活でも意識がそっちに持って行かれるようになるなど、物事に対する判断基準が大きく変わりました。

そんな会社で働きながら、日々の生活の中で虫と出会っては癒されるを繰り返し、SDGsについて知見を深めた結果、筆者の心情にとある変化が現れます。


地球のために虫が食べれるようになりたい


ということで、実際に昆虫食を始めてみようと思うのですが、せっかくなら自分の学ぶことを共有できたらいいなと思い、今回この場で番外編として記事を書かせて頂くことになりました。

許可して頂いた編集長の大地さん、頑張りを評価して頂いた取締役の後藤さん、ありがとうございます。

では、記念すべき昆虫食デビューの対象はこちら!


前回の記事でじゃがいも畑から出土したセミの幼虫

あれだけコオロギって言っておきながらセミかよ。
と思われたかもしれません。

私もそう思っています。
これには深い訳があるのです。

昆虫食について色々調べていると、

昆虫食ではセミが圧倒的に美味い
一度セミを食べてから、食べ物が木に止まっているように脳が認識するようになった

など、セミに対してお客様満足度No1の絶大な信頼が寄せられた情報をよく目にしました。
本当にそんなに美味しいのなら、試したいですよね。
特に「セミの幼虫」が美味しいのだとか。

そして今の季節は夏。
7月ということで、セミたちが本格的に活動を始める時期です。

土の中で長年大空へ羽ばたく事を夢見たセミたちが、日没後にぞろぞろと地上へ上がって来るまたとないチャンスになります。

これはセミを食べて昆虫食にハマりなさいという神の啓示に違いありません(極論)


セミ(幼虫)を探す


ということで、さっそくセミの幼虫を探しに来ました。

地球上で最も蚊に噛まれる場所

筆者の生活環境は自然豊かな場所にあって沢山の木々に囲まれており、わざわざ遠出をしなくてもセミたちに会うことが出来ます。

時刻は仕事が終わってすぐの17時頃。

セミの幼虫たちは日没1時間くらい前から地上に出てくるようで、探して見ることにしたのですが・・・中々一匹目が見つかりません。


見つかっても抜け殻ばかり

見つけた!と思ったら抜け殻でがっかり。
ちょっと時間が少し早すぎたのかもしれません。

ということで、一旦別の場所で時間を潰して18時半から再スタートしてみました。
今のところ居そうな気配がまったくないのですが、果たして本当に存在するのでしょうか?

と思ったらさっきまで気配すらなかったところにセミの幼虫が!
しかも2匹!
目的の虫を探すなんて小学生以来なのでテンション上がって来ました!


木に向かって歩いているであろう個体とも遭遇。
何もセミの幼虫は木だけに居るわけではないのですね。

こんな見た目で以外に速く動いてびっくりしました。
5分前まで居なかった木に戻ってみると居たりするので、相当早い速度で木に登っていることがわかりました。


運悪く筆者に見つかってしまったセミたち

その後19時頃まで探して12匹も捕まえれました。

内一匹は羽化しているタイミングで見つけたのですが、どうもセミで一番の食べごろは幼虫から成虫になる瞬間なのだそうで、ありがたく捕まえさせて頂きました。


調理編


自宅に帰って来ましたが、本記事はここからが本番です。
虫苦手な方はまだ間に合います。

ということで、今回のメインディッシュは「セミのチリソース(略してセミチリ)」になります。

なんでセミチリなのかと言うと、なんとクックパッドに載っていました。

https://cookpad.com/recipe/3315116


セミはメジャーな食べ物だった・・・?
クックパッドに記載があるということで、俄然食べる気が湧いてきました。

ということで、早速調理していきましょう。


材料(2人前)

・セミの幼虫     10匹
・ネギ        適当
・Cook Do干焼蝦仁用 1箱

・片栗粉       適当
・卵         1個
・調理酒       セミたちが浸かる程度
・油         セミたちが浸かる程度


作り方


セミの幼虫には寄生虫が潜んでいる可能性があるようです。
なので加熱して食べるのが絶対条件のようですが、如何せん初めてなので、限りなく安全な状態で食べたいと思います。


①流水で汚れを一通り取った後、30分ほど調理酒に漬けてセミを〆ます
寄生虫を駆除できるので一石二鳥ですね、多分
②沸騰したお湯で、1分ほどセミたちを茹でます
茹でられゼミたち

うわーーーーーお

急に東南アジアの市場に来たのかと錯覚するような絵面になりました。
しかしこの時点で美味しそうだなと思う私は昆虫食の才能があるのでしょうか?そういうことにして自己肯定感も高めていきます。

③セミに生卵を絡めます
セミの幼虫自体すき焼き色なので、セミのすき焼きが出来るかもしれません
④卵を絡めたセミたちに、片栗粉をまぶしていきます
⑤軽く色が付く程度にセミを揚げます
揚げられゼミたち

ぱっと見、きくらげの天ぷら的なものに見えません?
ここまでこれば食べ物として脳が認知します。

⑥揚げたセミたちとエビチリの素を投入し、中火で炒めます
⑦ある程度炒めたらネギを入れて、さっと炒めて完成


ネギを入れるだけで醸し出されるごちそう感


AIですら「これはエビチリです」って判定するほどエビチリになったのではないでしょうか?

なってないですか?
そうですか・・・


実食


本日のお品書き

・セミの幼虫チリソース和え
・セミの幼虫と成虫のから揚げ


ついにこの時が来てしまいました。
いざ食べるとなると、若干ビビってる自分がいます。

「セミを食べる」というのもありますが、一番は「素人が調理した昆虫食」という点ですね。
果たして素人が作った昆虫食は美味しく、そして安全に食べれるのでしょうか?


セミのから揚げ


左が幼虫、右が成虫

チリソースが掛かってしまうと、本来の味がわからなくなりそうなので、素材が果たして本当に美味しいのかどうかを確かめるために、セミチリを作る際にとっておいた「セミの幼虫のから揚げ」から食べてみたいと思います。

・・・なるほど、セミの幼虫ってこんな味なんですね。
なるほど・・・。

まず皮が気になります。
エビフライの尻尾の根本の部分を、若干柔らかくしたくらいの硬さの皮が全身を包んでいます。

そして気になる味ですが、鶏肉っぽいです。
本当に鶏肉っぽい!」って感動しました。

中身も詰まってしっかり旨みがあるので、
セミの幼虫は食べ物と言わざるを得ません。
絶賛するほどのものではないにしろ、普通に美味しいです。

ただ・・・若干ケミカル科学物質っぽい味もするのですが・・・これはセミ本来のものではなくて調理酒の味なんじゃないかなって思います。

なのでセミの幼虫を食べられる際は、湯煎と揚げるだけにしておいたほうがいいかもしれません。

次に羽化中のセミを揚げたものを食べます。
昆虫食が日常的に浸透しているタイでは、セミの幼虫や成虫より羽化中のセミは値段が倍以上に跳ね上がるそうです。

理由は捕るのに労力がかかり過ぎることだそうで、羽化する一瞬のタイミングを逃さないよう監視も必要になりますし、セミたちが羽化するのは鳥などが居ない夜中の時間になります。

それだけ労力が掛かっても食べたくなるほど美味しいものだそうなので、これはチリソースで食べるのは勿体ないと思ってから揚げにしてみました。

そして本当に美味しいから思わず笑顔になってしまいました。

・・・30歳手前の一人暮らし男性が、部屋で一人セミのから揚げを食べて笑顔になってる絵面は想像したくありません。

お父さん、お母さん。
僕はたくましく生きてるよ。

どう美味しいのかというと、まず煩わしい皮感が一切ありません。
ササミのような食感です。

そして鶏肉っぽい味の他に、ほのかにナッツ感のある甘みがあります。
「昆虫食の記事で良く出てくるナッツ感ってこれのことかな!?」って興奮しました。

これは美味しいと言われている幼虫より高いと言われても納得の美味しさですし、セミはなんとなく甘いイメージがあったので嬉しかったです。

ネットに転がっている情報を試して、本当にその成果が実感できるとこの上ない喜びを感じます。


セミの幼虫チリソース和え


セミって言われずに出されたら気づかなさそう

遂に来ました。
メインディッシュのセミの幼虫チリソース和えになります。

から揚げが美味しい時点で美味しいに決まっています。

気になった皮の硬さが不思議とあまり気になりません。
チリソースの成分に柔らかくする作用があるんですかね?
目つぶって食べたら若干硬いけどエビチリだなと思います。

セミの幼虫自体肉厚で食べ応えがあるのでエビに近い食感ですし、チリソースがかかって皮が柔らかくなっているので、更にエビ感が増します。

ただ・・・Cook Doのエビチリの素が効きすぎて、から揚げの時に感じたセミ本来の味はよくわかりませんでした。

しかし美味しいのは美味しいので、チリソースで和えるならセミの幼虫は獲って食べる価値が大いにあると思います。


感想


実際にセミを食べる実績を解除したので感想を書きたいと思います。

正直、ネットで絶賛されているほど美味しいのかな?
となりました。

もちろん美味しいのは美味しいのですが・・・先ほども少し言いましたが、自分の中でセミの幼虫は甘い味がするイメージが漠然とありました。

というのもセミは樹液を餌に育っているので、全体的に甘い味がするんじゃないかと・・・ですが実際甘みはあまり感じられませんでした。

もしかしたら上手く調理できていないだけで、上手くできていれば甘みも感じられたのかもしれません。

いうて他の昆虫食を知らないので、例えばコオロギなんかを食べていたら違った印象だったのかもしれません。
こんなこと言っておきながら、数年後には「お酒のつまみに数匹捕まえて揚げるか」くらいになっているかも。

そのころには昆虫食に対する世間の認識もより良いものに変わっていたら楽しいのになと思います。

長年「セミって食べたらどんな味なんだろ」と思っていたので、なんだか夢が一つ叶ったような気持ちになりました。

一般的に見たら非難されるようなことでも、それが悪影響を及ぼさず良い結果になるのもなら、やはり何事も行動するのが一番だなと思いました。

長くなりましたが、ここまで見て頂けました皆様に感謝致します。
それでは、機会がありましたらまたどこかで。

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