ブリタニア帝国記 VCRARK

序章

サバンナ、森林、火山、雪山、湖沼…。
自然の全てが混ざり合う地、カバルス。
その大陸の南には山と海に挟まれた国、『ブリタニア帝国』があった。
初代国王は《捕鯨王》と呼ばれたしゃるる・ジ・ブリタニア。
創造神ド・イーの加護と臣民の尽力により建てられたこの国だが、
開拓には苦難の連続と度重なる不運が待ち受けていた。
この『ブリタニア帝国記』はこれらに立ち向かった者たちと帝国の栄光への道程を記したものである。

1章1節

10月2日、開拓者がカバルスに到着。水源に恵まれた平野を拠点とする。偵察に出たしゃるる王は葛葉とイブラヒムに遭遇し行動を共にする。開拓者たちと協力しながら帝国初の恐竜"ファル子"を手懐け、仮拠点を建設し、人員の拡充を行った。そしてブリタニア帝国の旗が掲げられ、ここから全てが始まった。

ブリタニア帝国仮拠点。壁は無く、伝統の会議机と簡単な作業場、そして帝国の旗だけがあった。

1章2節

軍拡のため親衛隊はデイノニクスの孵化に挑む。しかし、生命の誕生に浮かれた王は命名に手間取り餓死させてしまう。酷く悲しんだ王は2頭目を孵化させ優しい世界を願い"ナナリー"と名付けた。損失は大きく、一時は「スパイ」と嗤われた王だが今後戦場で王としての威厳を急速に取り戻していく。

亡くなった1頭目"ディルノジョバーナ"。

1章3節

10月4日、建築顧問イブラヒムの手によって帝国立ブリタニア病院が完成。材料調達に尽力した月島名誉ブリタニア人にあやかり正門を『ムーンアイランドゲート』とした。帝国の福祉医療は臣民の尽力と宇宙の門から降り注いだエネルギーから始まったのだ。以後、帝国はここを拠点とし発展することになる。

つきっす🖐️🌙🏝ムーンフォース感じてますか?どうも月島です。10月4日、無事ムーンアイランドゲートが完成しました。門ができたのも帝国が発展したのも、全部月の門から降り注いだ鉄のおかげです。あーもう最高や。鉄壁が村を包むんや。俺は月島。ファーム効率は一周2500です。

1章4節

10月4日、"第二次防衛戦"。鉄柵を作りプラントXを備えシャドウメインを手懐けた帝国に一寸の隙もないと思われたが、空を覆うほどのワイバーンと押し寄せてくる人型の異形によってかなりの被害を受けた。最終襲撃はこの4倍になると予測され、危機を感じた王は各国の盟主を招集し首脳会議を開く。鉄の供給とプラントXによる対空防御を連合の当分の目標とした。

首脳会議の様子。屋外で開かれたためか遠くから総隊長長谷之進の声が響く。

2章1節

乾農園を統合した帝国、防衛用のプラントXも含め肥料である人糞の需要が高まっていた。その最中、建築顧問イブラヒムは「洗浄水のせせらぎから再度便意を促す」究極奥義に目覚める。その様はまるで『無想転生』、94%の継続率で尻から拳大の人糞がとめどなく流れ出ていた。

「スマスロ刃牙のV20個とったぐらい始まってる」「これ強喰入るわ」

2章2節

10月6日、軍団長葛葉が軍備増強のためカルカロドントサウルス"夜明け"の育成を開始。育成機関"夜明け団"を結成し協力しながら夜明けを待った。翌日早朝、機関の獅子堂あかりが異変に気付く。結果、餓死寸前だった"夜明け"は彼女に救われることになった。この獅子奮迅の働きは『アーカーピャの件』として今も語り継がれている。

翌日の闘技大会のスパーリングからタイミング良く帰ってきた葛葉が手ずから餌を与え帝国最大の危機は回避された。

2章3節

相棒の"マスナ"を失ったしゃるる王、涙が乾く暇もなく散弾銃を片手に異形の化物に立ち向かう。王の元に駆けつけた親衛隊が見たのは異形の遺骸とそこに立つ無傷の王だった。帝国歴元年10月7日、"第四次防衛戦"。王の王たる所以を見せつけた瞬間だった。

2章4節

10月9日、医療への貢献を賞しブリタニア病院に王の肖像画が飾られた。作者は建築顧問イブラヒム。建築・絵画両方で才能を発揮した彼は『帝国のミケランジェロ』と呼ばれ帝国の写実主義を牽引した。肖像画は"ネクサス"=文化的最重要目標とされ鉄壁の病院の中で臣民を見守っている。

王の肖像画。後にうるか公の機転により家臣たちの肖像画も飾られる。

3章1節

定期襲撃無し。ただ、臣民は皆「二度の襲撃」「過去類を見ない総力戦」「王が怪獣と一騎打ち」という同じ悪夢を見たと語っており、度重なる戦闘による精神の消耗を感じさせる。一方で、創造神ド・イーの天恵により回避されたとする派閥も一部存在している。

臣民の証言を元に再現された写真。怪獣の巨大さが分かる。

3章付記

"第五次防衛戦"。王は散弾銃と身一つで鯨型の異形を数体倒し、巨大な鉄門を単独で修復。ついには帝国中心部に現れた異形の王に対し決闘を申し込む…。」帝国戯場で上演されている『《捕鯨王》しゃるる』の一幕である。当時の証言が多数上がっているが非現実的な戦果と戦闘後の被害状況が皆無であったことから誇張と口伝によって作り出された英雄譚とされている。

3章2節

最終決戦に向けて帝国にもTEKの波が訪れた。いち早くTEKスーツを取り入れたしゃるる王、ブースターとパンチで空を駆ける。その機動性は王に「移動用の恐竜はいらない」とまで言わしめた。異形に単独突撃する胆力に防御力と敏捷性が備わる。名実ともに恐竜を超えた男の始まりであった。

3章3節

最終決戦直前、イブラヒムの究極奥義は葛葉との連携により無想転生の向こう側へ到達していた。最終日に発覚したウォンボコンボ『無限うんち餅つき』。最効率で放り出された人糞は肥料となりプラントXに注がれ戦力の一部となる。「逆転の青写真は描けるのか」脳内に聞き馴染みのある声が響く。試合は既に始まっていた。

「(肛門)壊れちゃ~う!」「ちまブリ」「うんこスプラッシュ」「ブリブリブリタニア帝国」「メディカルブリュリュリュ」など緊迫感にそぐわないパワーワードが飛び出る。

4章1節

10月11日、ついに訪れた"最終決戦"。栄光への道に異形の王が立ち塞がる。親衛隊の目標は当然顔、ケツァルコアトルスに乗り込み直接攻撃を狙う。永久に続くかのような長い消耗戦を経てついに異形は地面に臥せた。「やったか!?」喜ぶ帝国軍の前に巨大な触手が現れた。

4章2節

突如現れた人と蛸を混ぜたような怪物に皆恐れ慄く。…ただ一人を除いて。しゃるる王はいつもの散弾銃と身一つで立ち向かう。触手を次々に屠ると心臓に銃弾を撃ち込んだ。かつて無謀とされた散弾銃単騎、だが最後を決めたのは王だった。怪物は霧となって消えていく。帝国の勝利だ。

4章3節

帝国領は多少の損害はあれどブリタニア病院は無傷、"ネクサス"も守られた。そして王がひっそりと気にかけていた建国時の旗も無事だった。勝利を祝って空には花火が上がり、開拓者全員を含めた集合写真が撮られた。ブリタニア門前、王は当然真ん中、かつての相棒"マスナ"に乗りながら。

居場所を求めて右往左往する王、それを見かねたイブラヒムが中央最前列を譲る。
「しゃるさん、あなたが王です」

4章4節

勝利パレードの一環として競馬が開かれる。結果は名誉ブリタニア人の叶・sasatikkがワンツーフィニッシュ。ブリタニア帝国は最強だけでなく最速の名もほしいままにした。レース後、しゃるる王はブリタニアの始まりの場所で家臣に一人一人感謝の言葉を述べる。「次はサモナーズリフトで」また別の世界で会えることを願って心地良い眠りについた。

♪ COLORS/FLOW

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