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【読書感想文】温又柔 「国語」から旅立って 読み終えた

台湾の図書館にて、なんだか気になった背表紙。「この作者の名前、見た事あるぞ?」と思い、とりあえず借りてみる事に。

そしてこれがまた、言語や海外好きな私にとって最高な一冊でした。

中国語教師、日本語教師などの言語教育に携わっている方や、台湾カルチャーに馴染みがある方、日本に住んでいて外国籍の子供指導等に興味がある方とかにもオススメ😌

この本は台湾人作者である温さんの幼少期から作家になるまでの生い立ちについて綴られる、自伝エッセイ。
台湾国籍であるが、日本で育った為、彼女の母国語は日本語。そして中国語はあまり話せないそう。

名前から外国人と判断されて「日本語上手いですね」と言われたり、
中国留学中には「台湾人なのに中国語が下手だ」と蔑むような事を言われたり。
彼女は自身のアイデンティティに戸惑う。

言語や国籍などの境界、アイデンティティ以外にも台湾と中国大陸との政治的関係性や彼女が実際に受けた差別、作家という夢を実現するまでの過程等、色々なテーマがあるのでかなり読みやすい。

外国人だから外国語が話せて当然だよね
みたいな考えって普通に浸透していそう。

想像力が広がった一冊でした。
私も知らないうちに誰かを傷つけないよう、
丁寧なコミュニケーションで相手のバックグラウンドを知る努力をしていきたいし、
温さんのようにいつか日本に住む外国籍の子供の日本語指導に携わってみたい☁️

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