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セカンドライフ_はじめの一歩を踏み出せ

私は元警察官
35年間勤務し、県内を点々とした
定年が間近になった頃、肉体的にも精神的にも疲れていた
昔の夢ばかり見た
「疲れた、限界だ」と思った時
辞めてから、どう生きようか?
とセカンドライフを考えるようになった

寝たきりになった母親の言葉が頭の中を巡っていた
意識はしっかりしていたが、右手しか動かせない彼女はある日、「殺してほしい」とホワイトボードにその右手で書いたのだ

拘縮で関節、筋肉が痛む
母親の姿を見るのは辛かった
痛み止めのクリームを塗ってマッサージすることしかできなかった

生前の元気な頃、「寝たきりだけは嫌だ」と言っていた
もっと、自分にできたことはなかったのか?

倒れる前日、明らかに様子が変だった
医学の知識があったら、と後悔している

母親は助けられなかったが、身近な人を助けたい
健康寿命を延ばして、『ピンピンころり』
寝たきりにさせたくない

そんな気持ちから、医療に関わりたいという気持ちが強くなっていた

ある日、youtubeを見ていた
鍼治療を受けた腰痛のおばあさんが治療後、腰を伸ばしてしっかり歩く姿を見て鍼灸師に興味を持った

はり師きゅう師を選択した

早期退職して、専門学校へ、57歳だった
東洋医学にも興味があった
しかし、少し考えが甘かった
東洋医学だけではなかった
生理学、解剖学、病理学などの西洋医学のオンパレード
膨大な勉強量、記憶力の低下を呪いながら、1日10時間必死に勉強した
人生の中でこれほど勉強したことはない
勉強することが楽しかったのだ
歳を重ねた時の方が知らないことを知りたいという意欲に不思議に駆られる

3年間の学校生活はアッという間だった
国家試験に合格し、はり師きゅう師になった
でも、資格が得られただけ単なる出発点

次の目標は臨床経験を積み、患者さんの苦痛をできる限り取り除くこと

そんな目標を立てて3年

まだまだ新米の開業鍼灸師

この仕事をしていて一番うれしいことは患者さんが
「痛みが取れて楽になりました」
と笑顔で答えてくれること

患者さんに応えるためには、さらなる高みに自分を引き上げなければならない
日々勉強、技術の習得が生きがいになっている

はじめの一歩から3年、次なる一歩から3年経ったが、まだまだ先は長い
死ぬまで鍼灸師でありたい

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