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ワークエンゲージメント調査の裏:認知的不協和の解消によるバイアスを考えてみる

先日、Bullshit Jobに関連する記事で、「多くの人がぶっちゃけ仕事やる気ないんじゃないの?」みたいなことを書きました。

リクルート系の調査会社が行った「ワーク・エンゲージメントに関する実態調査」とかを引き合いに出しながら、仕事やる気ない人ってめっちゃ多くない?みたいなことを書いたわけです。

さて、この調査によると、

・仕事に熱意があるのは全体の約4割、仕事から活力を得ているのは約2割

・約4割の人が週に1度以上「仕事のために心にゆとりがなくなった」「心身ともに疲れ果てた」と感じている

みたいな結果がでているわけですが、実際はもっと熱意がある人は少ないし、もっと多くの人が心身ともに疲れ果てたと感じているのではないか、と思います。

なぜかというと、人は、「自分は熱意をもって仕事を行い、それを楽しんでいる!」と言いたい心理的バイアスがあると思うからです。だって、「俺ぶっちゃけ仕事やる気ないんだよね?」「仕事に疲れた。。。」って言うのってかっこ悪くないですか?笑 そんなこと言ったらモテないし。強がりたいじゃないですか。「俺はバリバリ仕事してるデキル人間だぜ!」と誰でも言いたいですよね?

認知的不協和の解消

これは、認知的不協和の解消、という心理的傾向で知られていると思います。

嫌な仕事をしているという状態は人にとって望ましくない状態のはずです。この時、仕事をしているという状態は事実なので変えられない。なので、「嫌だ」という認知の方を変更して、「俺はこの仕事が好きなんだ!」と思う。

これによって、自分は好きな仕事をしている、という理想の状態になり、認知的不協和が解消されるのです。

認知的不協和の解消というバイアスがあるにも関わらず低いワークエンゲージメント

ということは、少なからぬ人が、「ぶっちゃけ仕事やる気しねーなー」と思ってても「いや自分はやる気もって仕事をしてます!」と答えるはずなんです。これは無記名、非公表のアンケートとかでも同じだと思います。

アンケートに「自分はやる気もって仕事してない」と答えてしまうと、そう書いている自分にも嫌気がさすし、そう書いたら本当にそうなってしまいそう、と思う人もいるでしょう。 (経験ないでしょうか?)

にもかかわらず、「仕事に熱意があるのは全体の約4割、仕事から活力を得ているのは約2割」という結果がでているというのは、やっぱヤバいんではないかと個人的に思ったわけです。

ほんとは、仕事に熱意があるのは全体の2割、仕事から活力を得ているのは1割、くらいかもしれません。

やはり、今後、仕事のやりがいというのは大きなテーマになってくるとおもいます。


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