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収入と社会に提供している価値は比例するか?Bullshit Joberはなぜ高給取りなのか?

昔、合コンで一緒になった女の子に言われました。

「Taiki君、お給料が高い人というのは、社会にたくさん貢献したからたくさんお給料をもらっているのよ。だからあたしはお給料が高い人を尊敬するし、そういう人と出会えたらうれしいと思っているわ。」

これは、こないだの記事で書いた、「一生懸命勉強して良い教育を得たら、その能力をベースに社会に影響力のある仕事に就くことができ、その社会に対する貢献の対価として高い給与を得られるんだよ!だから頑張って勉強や仕事しましょうね!」という従来の価値観を踏襲するものだと思います。

(この女の子は、さぞかし素直に、社会に疑問を抱かずに育ってきたのでしょう!)

しかし、この主張にはエビデンスがありません。そのことを一発で示すグラフを友達が提供してくれました。以下です。

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これを見ると、むしろ年収と社会に提供している価値は逆相関しているではありませんか。つまり、社会にとって必要不可欠な、価値の高い職業についている人は給与が低い傾向にあり、社会にとって別にどーでもいい職業の人ほど給料が高い、という傾向があることを示しています。(右下に行けば行くほど、Bullshit度が高いということですね。)

どーなってんだこりゃ。

もちろん、社会的価値ってどうやって定量的に測るんだ?という難しい問題は残ります。(これを書いていて、昔の会社の同僚が「こんなに価値ある仕事してるんだから、これくらい給料もらって当たり前だ」と言っていたのを思い出しました。。。笑 彼はどうやってその仕事の価値を測ったのでしょうか。)

が、一つの考え方として、上の図の職業の人たちがストライキをした場合を考えてみましょう。どの職業でストライキが起こると最も人々が困るでしょう?

たしかに、左上の職業の人たち(病院の清掃員やリサイクル業者、保育士などなど)がストライキを起こしたら多くの人が困りそうです。一方で右下の職業の人たち(銀行家とか広告会社役員とか)がストライキを起こしてもあまり困る人はいなそうです。(役員はストライキを起こせない、というテクニカルな問題はおいておきます。。。)

前にも紹介した以下の本に面白い例が書かれています。

1970年にアイルランドで、多くの銀行で職員がストライキを起こし、銀行業務がストップした結果、驚くべきことが起こりました。

それは、「ほとんど何も起きなかった」、ということです。。。

ストライキが起きた際に経済学者達は、これで経済の血液循環が止まってしまう、GDPが下がる、とかいろいろ言ったらしいですが、大した悪影響はなかったらしいのです。

最近、どこかの銀行のシステムが止まりまくって新聞や監督官庁が大騒ぎしてますが、もしかすると別にシステムが止まっても社会に大した影響はないのかもしれません。 (もしかしたら、本人たちが「この仕事は社会に不可欠だ!だからシステムが止まると大変だ!」と思いたいだけなのかもしれません。。。)

で、どうしてこういうことになるんだ!?なんで社会に価値を提供してる人が金銭的に報われなくて、どうでもいいことしてる人が大金を得てるんだ!?「なんでBullshit Joberは高給取りなのか?」という問いが生まれるわけです。

この問いに関し、今までいろいろ考えてきました。失業率が低い事(人々がなんらかの仕事をしていること)を神聖化するから無意味な仕事を創るインセンティブが社会に生まれるんだよ、とか、生産性が上がって豊かになると自然とそういう仕事が生まれるんだよ、とか考えてきたわけですが、一つ欠けていたかなーと思う視点があります。

権力構造です。

Bullshit Jober達が既得権益を守るために行っている行為や意思決定が高給のBullshit Jobをまもり、社会に意味のある仕事の給与を低く抑えているのではないか、という仮説です。

例えば、ただの思考実験ですが、上の図の右下の職業の人たち(銀行家とか広告会社役員とか金融関係者とか)に思いっきり課税して、左上の職業の人たち(病院の清掃員とかリサイクル業者とか)の給与を引き上げることは、可能ではありそうです。

でもなぜそうしないのでしょう?

明日からはそんなことを考えてみたいと思います。

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