末寺の末事 64
欲にはキリがないが、不平不満には飽きるということもあるらしい。自分の『生き方』にゲップが出る。
周囲を見渡したつもりになって、みんな偉いなと素直に感心する。与えられた状況をそれなりに乗りこなし、それでいて何ともない顔で暮らしている。
けど、そんなことは無いのだろう。各々に何か抱えて、でも、それにウジウジしたところで、何も変わらないことを確信して、何も言わないだけで、それ以外は大差ないのかもしれない。
笑顔で過ごしても、眉間に皺寄せ生きても、状況に大きな違いはないが、他者の評価は変わるのだろう。前者には前向きなイメージを持ち、後者にはネガティブな感情を抱く。
結局のところ、たったそのくらいのことで、人生は上手く転がったり、負のループから抜け出せなくなったり、七転八倒するほど苦しんだりするのだろう。
笑って生きるのに努力がいるなんて、なんて不器用なんだと笑える。
to be continued
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