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【人道支援チャド】TOP OF EMERGENCY RESPONSE 18/06/2023

今までもチャドでの緊急の活動を続けてきた僕らのチーム。
数日前の緊急事態により今朝緊急グレードが最大に引き上げられ、チーム総動員でとあるインパクトの対応に当たることが決定。
急遽場所を移動し、新しい緊急支援活動に入る。

詳細は内部活動情報になるのでお伝え出来ないが、スーダン関連であることは想像に難しくないかもしれない。
現地情報からの全て状況が桁違いの規模である。
一人でも多くの人を救えるようにチーム一丸となって頑張ろうと思う。

今の心境はというと少し複雑だ。
僕の個人的な経験でいうと、2020年ダイアモンドプリンセス号の緊急招集の時と感覚が似ている。現地に入る、そう想像すると内蔵がキュッとしまる、そんな感覚。火事現場に行く消防士はいつもこんな感覚なのか?今度消防士の友達にあったら聞いてみようと思う。

現地活動の仕事に対する不安はない。
ただ、現地から送られてくる明らかに異常な数字たちと状況報告。
収集できている情報をもとに現場活動をイメージすると、明日以降自分たちのチームが対応する多様な課題とぶち当たる限界がなんとなく自身の経験から想像できる。もちろんそれ以上のこともそれ以下のことも起こるのだろう。

理不尽な世界の流れで命の危機にある人達にアクションを起こせる自分であること。そうであれるために医療者として自分をUpdateし続けてきて今がある。
今現在は、人道支援家として、緊急支援のプロとして、
少しは成長し、できることが増えてきた。

世界中の仲間やサポートしてくれる人たち。
本当にたくさんの人たちの想いの先に僕たちチームの現場活動がある。
その環境に身を置けること。
光栄に思う。
その環境に身を置くこと。
タフだな、と少し構える自分がいる。

今までだったら、もっとがガムシャラに入っていったのかもしれない。
僕はきっと今まで経験してきた事によって、
いろんなことをイメージできるようになって来たのだと思う。

現場の人たちの想いや苦悩やジレンマも、想像できる。
これは必要なことであり、プロフェショナルとして良いことであり、
ゆえに葛藤を生む。

今の気持ちは至って冷静だが、少しナーバスなのが正直なところだ。


世界は決して平和じゃない。
少なくとも僕は、この現状をそう思う。

こんなにも多くの人たちが
理由もなく住む場所を失い、はだしで数十キロを移動し、丸鉄の小さな塊たちに傷つき、命の危機にある。

残念なことに、今回の超緊急プロジェクトは
僕の専門性を十分に発揮すべき状況になってしまった。
チームにとっても、そして現地の人達にとっても、
僕の経験が命を救うためのアクセルになるべく前へ進む。

少しでも早く
一人でも多く
医療を届け
命を救う

何かが整ってなくても
セキュリティレベルが高くても
逆境であっても
雑音を排除し自分の仕事に集中する
僕には信頼できるチームがいるから

なんであっても前向きにやる。
誰かの灯が消えそうで終わりが見えたとしても、出来ること諦めない。
リソースに限りがあっても、諦めない。
圧倒的な不足の中でも
今できることを
振り返らずに
ひたすらに
やる。

やる。

どんな悲劇にも必ず終わりがくる。
この渦中にある多くの人たちが
今を乗り越えれるように。
未来へと時をつなぐ。
それが、僕に出来ること。
On est ensamble.

ちょっとした自身への決意表明と共に、現地へ。
出発前夜、首都N`djamenaの自室にて。


あとがき
出発前夜、最終ブリーフィングを経て修正加筆。
明日からの激動に備え、寝ることとする。
このパソコンを閉じ、モスキートネットをくぐり、
横になったら3秒後には僕は深い寝むりについているだろう。
普段から夢を見ることはない。眠りの質はいい。

こんなことを考えているんだと自身への記録と、人道支援に携わる一医療者としてのタイムリーな感覚をシェアできたら嬉しく思う。

Best,

19/06/23


いつも記事を読んでいただきありがとうございます!!記事にできる内容に限りはありますが、見えない世界を少しでも身近に感じてもらえるように、自分を通して見える世界をこれからも発信していきます☺これからも応援よろしくお願いします🙌