セカンドハーフ通信 第67話 異なる食文化

異なる食文化

私は父の実家が茨城県の霞ケ浦に近くだったのでこどもの頃から鯉料理をよく食べさせられた。だから鯉の甘露煮なども好物である。今住んでいる軽井沢の近郊の佐久は鯉料理で有名で、最近久しぶりに鯉を食べた時にあることを思い出した。

熱海に住んでいた頃、地元の人と歓談をしていた時のことだ。その人はペットとして庭の池に鯉を飼っていた。私が鯉を食べるという話をすると思わず信じられないというリアクションをした。そうして野蛮人をみる目になってしまった。

食文化というのは地域によってかなり違う。それは地域文化の中で長い時間を経て確立したものである。一方にとっては当たり前のことでも、他の地域の人がびっくりすることもある。そこにはいいも悪いもない。

佐久鯉について調べてみると養殖は18世紀にはじまっている。鯉は栄養価の高い食べ物で、また薬効も魚の中で一番高いそうである。内陸県の長野では貴重なタンパク源でもあったと思う。

日本の中でもこのようなギャップはおきるので、ましてグローバルなレベルでは尚更である。日本人がくじらの肉を食べることもその1つだ。だから驚くようなことがあるのも当然だと思う。

食文化に限らず、異なる価値観に遭遇した時、すぐに反応するのではなくて、なぜそうなるのか、立ち止まって考えることが大切だ。


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