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臺南珈琲旅行 / Tainan Coffee Trip - 魅力的な台南カフェ7選

先日3泊4日で、台南と高雄へ旅行してきた。

台湾と言えば北部の台北に訪れる人が圧倒的に多いと思うが、実は南部の街も魅力的だ。
食が美味しく、北部に比べると物価が安い。その上に一風変わった奇妙で珍しい観光地もいくつかある。
そして、独特なカフェ文化も発展している。今回の旅でも数多くのカフェに訪れた。

台南のカフェは特にユニークだ。コーヒーが美味しいだけでなく、他にはない空間的な居心地の良さに魅力があるカフェが多い。
流行り廃りではなくそれぞれのお店がスタイルを持っていて、似たようなコンセプトのお店が少ない。いろいろなお店が入り乱れているため、カフェ巡りがとても楽しい街だ。
この独特のカフェ文化は、日本はもちろんヨーロッパにもない唯一無二のカルチャーだと個人的には思っている。

4月の台南は日差しが強く、日中の気温が30度以上と既に日本の夏のような気候だったため、汗をかきながら歩き疲れた身体を癒す目的で多くのカフェに足を運んだ。
今回の記事では、旅中に行ってよかった台南のカフェを7つ紹介する。
台南のカフェはあまり情報がないので、興味がある方は旅行時の参考にしていただければと思う。


台南カフェ7選

1. Present Coffee

一つ目のおすすめカフェは、「Present Coffee」。
日本的な美しさを取り入れたデザインで、まさにミニマリズムという言葉がピッタリな空間だ。
どことなく中国っぽさもあり、東洋のいろんな文化がミックスされた雰囲気を感じた。

コーヒーはエチオピアのライトローストをオーダー。
一昔前に台南を訪れたときはスペシャルティコーヒーはそんなに普及していなかったけれど、多くのカフェで浅煎りコーヒーを扱うようになっていた。

そしてランチタイムに訪れて小腹が空いていたので、キンパとスープのセットも注文した。
台湾でキンパを食べられるお店はなかなかないのでは?と思い、好奇心に負けて気づいたら頼んでいた。

キンパは3種類ぐらいあったので湯葉と野菜のキンパを注文したのだが、あっさりしていてとても美味しかった。いくらでも食べられそう。
台湾の日本的な空間で韓国料理を食べるという、ありそうでない感じがとても面白い体験だった。

カウンターも素敵
窓際の席は光がたくさん差し込む
猫の時計。台湾人は猫が好きみたい
碁盤をテーブルとして使える席もある

店舗の2階はイートインスペースだが、実は3階はギャラリーになっている。
アーティストの展示会をやっているようだったので、階段を上がって覗いてみた。

3階はさらに素敵な空間で、一つ一つのインテリアに素材の美しさを感じることができた。
台南の喧噪から離れて全く違う空間に訪れたような静寂さが、個人的にとても気に入った。

円卓が素敵
素材の古さがかっこいい

今回行われていたのは、Red Cyanというアーティストの展示会。グラフィックアートを制作している方らしい。
おそらく定期的にいろんなアーティストが展示を開催しているのだと思う。

シンプルな空間はどんなアートにも馴染みそう
未だに入口から正月気分
階段を上がった2階がエントランス

2. 山洞珈琲

二つ目のおすすめカフェは、「山洞珈琲」。
臺南市美術館1号館を少し南に下った所に位置し、ビルの2階にある少し隠れ家的な雰囲気もあるカフェだ。
店内は暗めの照明で、チルでレイドバックした雰囲気。

ボリビアの豆でフィルターコーヒーをオーダー。ノリタケのカップとソーサーがクラシックな雰囲気で良い。
ちなみにフィルターコーヒーの抽出方法は、ハンドドリップとサイフォンのどちらかを選ぶことができる。今回はハンドドリップでお願いをした。

山洞珈琲には、美味しそうなお菓子のメニューがたくさんあった。
今回は誘惑に負けて抹茶のバスクチーズケーキを注文。赤ワイン仕立てのクリームにつけて食べると非常に美味しい。

インテリアにも特別なこだわりを感じる。
店内に入るとまず最初に目に入るのがイサムノグチのランプ。アイコニックで存在感がある。
その他にもマドエレンのポプリや石のオブジェなど、センスが良い。自然と人工物が調和した素敵な空間だった。

木のカウンターの雰囲気が最高
無機質なエスプレッソマシン
みるっこのグラインダーと銅製のカリタウェーブドリッパー
カウンターに巨大な木があるカフェは初めて

店内は暗いけれど、実は光がよく差し込むので窓際の席は雰囲気が変わる。
一人でゆっくりしたいときは奥の席、誰かと団欒したいときは窓際の席を選ぶのが良いかもしれない。

階段を上がるとエントランス
熊のイラストが目印

3. 浮游咖啡

三つ目のおすすめカフェは、「浮游咖啡」。
ここは昔から存在を知っていたカフェで、六年ほど前に訪れたときは休みで入れなかったため、念願の初訪問。

コーヒーを飲みすぎて気持ち悪かったので、台湾茶を飲むことにした。
浮游咖啡はドリンクメニューが多く、コーヒーからお茶まで選択肢が様々。台湾茶の茶葉は4種類から選ぶことができた。
席は自由に選ぶことができ、ちょうど和室のような席が空いていたので靴を脱いでくつろぐことにした。

急須に湯を注いで二分ほど待つ
急須から湯冷ましに注いでからカップに注ぐ
ピーチのような香りがしてめちゃくちゃ美味しい

暑い台湾で熱いお茶を飲むのはかなり汗をかく。そのため常に扇風機の風に当たりながら飲み続けなければならない。

そして台湾茶は何杯も飲むのが良い。
中国茶の世界ではあるが、7杯飲めば仙人になることができるという言い伝えもあるほど。中途半端に飲むのではなく、行けるところまで行こう。

もちろん普通の席もある
ウクレレ
映画のDVDが大量にあった
横になってくつろぎたくなる
カウンターの雑多な感じ

店内はおとなしい犬がウロウロしていた。
吠えないし噛みつかないのに素っ気無い感じもあるとてもかわいい犬だったので、またいつか会いに来たい。

カフェであることが分かりづらい外観

4. 鷲田咖啡吧 (Washida Coffee)

四つ目のおすすめカフェは、「鷲田咖啡吧」。
ホテルの一階に入っているカジュアルなコーヒースタンドだ。ホテルのロビーのソファーに座ってコーヒーを飲むことができる。

暑かったので、爽やかなレモネードエスプレッソソーダを注文。
エスプレッソの甘みとレモンの酸味が爽やかに交わってとても美味しい。ここまでバランスの良いエスプレッソ系のソーダドリンクは初めて。

レモンを潰しながらよく混ぜて飲む

フロアには大きなデスクがあり、コーヒーを飲みながら勉強している人たちも多くいた。
棚にはたくさんの本やレコードがおいてあったので、販売されているのかもしれない。

モダンな雰囲気で、置いてある本のセンスが良い
明るい店内
Noritakeのイラストが店のアイコン

居心地が良すぎるので、いつまでも座って長居したくなるような空間。
ロケーションが良いので、テイクアウトしてドリンクを飲みながら街をぶらぶらするのもおすすめだと思う。

店の外観。ホテルの一階
シンプルなデザインの看板

5. 萬萬

五つ目のおすすめカフェは、「萬萬」。
大通りから路地を一本入った先にあるので、普通に歩いていたら見つけることが難しい場所にある。でもそれだけに、静かにリラックスするのに最適なカフェだ。

アイスコーヒーとアフォガートをオーダー。
アイスコーヒーはケニアのウォッシュトで、果実感がすごい。本当に美味しかった。
アフォガートは甘すぎず苦すぎず、一瞬で食べてしまった。

グラスがかわいい
グラインダーはOption-OのLagom P64を使用していた

店内の装飾はやりすぎておらず、シンプルでセンスが良い。
オリジナルのカレンダーなんかも販売されているようで、普通に欲しくなった。

カフェの隣には神社があり、台湾ならではのとても素敵なロケーション。
シンプルなカフェから見えるカラフルな神社がこの上なく映える。

提灯がいい感じ

テラス席もあるのが良い。
日本だとなかなかテラス席のあるカフェがないので、外でコーヒーを飲む開放感が味わえるのは貴重。

店のロゴがかわいい

6. 最初的地方

六つ目のおすすめカフェは、「最初的地方」。
このカフェも狭い路地を少し入ったところにある。入口のロゴがなんとも言えないセンスの良さ。
店名の意味は「a place of one's origin」という、なかなか素敵なネーミングだ。

コロンビアのホットコーヒーとアーモンドクッキーを注文。ドライフルーツがサービスで付いてきた。
深煎りの濃厚なコーヒーを飲むと、これ以上何もしたくなくなるほどのダウナー的な感覚になった。

店内は暗め。植物がいたるところに飾ってあってとても居心地がいい。
オーナーは愛嬌があり、ホスピタリティに満ち溢れていた。

季節感を感じるインテリア
店主の似顔絵

オーナーのセンスが詰まった空間という感じで、謎の安心感があるカフェ。
ワンオペなので常に慌ただしくしているんだけれど、心に余裕がある感じでいつも笑顔なのが素晴らしい。

2階にも席があるみたい
建物の古さが良い

7. 窄門珈琲(Narrow Door Cafe)

七つ目のおすすめカフェは、「窄門珈琲」。
見ての通り、お店にたどり着くまでに狭い路地を通る必要がある。観光客の間では有名らしい。

偶然、泊まった宿の真隣に入口があった
閉所恐怖症には辛そう
路地を抜けてから、階段を上っていく
味のある建物

内部は独特の世界観を醸し出す空間。
おとぎ話のような雰囲気がありつつも、無駄にメルヘンチックになっていない絶妙なバランス感だ。個人的には世界観を作りすぎたカフェは苦手なので警戒していたのだけれど、実際に行ってみたらなかなか居心地が良かった。

ちなみにクーラーが効いた部屋とクーラーなしの部屋が隣り合わせになっており、クーラーありの部屋は寒すぎたのでクーラーなしの部屋を選んだ。
クーラーありの部屋が圧倒的人気で、クーラー無しの部屋には自分ひとりしかいなかったので、結果的に空間を独り占めすることができた。

装飾がきれい
花があると気分が穏やかになる
部屋の中心には茶器があった
西陽が差し込むので、午後はちょっと暑いかも
クーラーが効いていないけれど、この暑さが台南らしくて良かった

ここではアイスジャスミンティーをオーダー。
思っていた以上に爽やかで程よい甘さだったので、個人的にとても美味しかった。暑さも相まってゴクゴク飲める一杯。
コーヒーもいいけれど、台南の気候にはアイスティーが合うのかもしれないと、この旅を通じて発見することができた。

レモンが嬉しい

まとめ

旅中に訪れたカフェは他にもあるのだが、正直微妙なお店もあったため、当記事では個人的に気に入ったカフェのみを紹介した。

実は今回の旅直前に体調を崩したため、旅を中止しようかどうか迷ったのだが、結局熱は下がり感染症等の疑いもなかったため、渡航することにした。
そんな病み上がりの状態だったこともあり、外にいるだけで滝のような汗が流れる4月の台湾をせっせと観光するのではなく、カフェのような室内でゆったり過ごす時間を増やした。
コーヒーを飲み過ぎてカフェインで体調を壊しそうになるという事態に陥ったが、休憩しつつ楽しむことができたと思う。

ちなみに高雄のような都会であればカード支払いが普及しているが、台南はキャッシュ社会。カフェに限らずカード対応しているお店がほぼないため、現金を忘れないように注意が必要だ。
カフェの物価は2024年現在で日本と同じぐらいになっていたので、ここ数年での円安と物価高の影響を実感した。

台南の人々は優しいし、台湾語を話せなくても英語(たまに日本語)でだいたいコミュニケーションもとれる。異国情緒満載なので初めての台湾旅行の目的地としてもおすすめだし、台北に行ったことがある人は台北との違いを感じてみるのも面白いと思う。
日本から3時間程度で行くことができるので、僕もまた近い将来、訪れたいと思う。

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