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【作品への責任】アーティストが謝罪する時

挑めばリスクは増しそれを、誰かが求めている。覚悟の上で闘うアーティストにはいつか、その時がくる。このトピックでは、「アーティストの謝罪術」を、知ることができる。ギリギリを攻めたいが勇気は無くそもそもに事態への備え方を考えたことがないアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 アーティストは、護られない。 』

企画が大きくなると注目度が増し、人々の前に立つアーティストはやがてに意識ばかりが高くなり自身のキャパシティを越えて、覚悟の無い闘いを始めてしまうことがある。

関係者はアーティストを、護らない。ただ去るのみだ。
アーティストは孤独の中で、保身のための謝罪を選ぶこととなる。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:Diorの広告問題で、担当した中国人ファッション フォトグラファーが謝罪

中国の著名なファッション写真家が、過去の作品が中国人を侮辱しているとネット上で批判され、ファッションブランドDiorが上海でのショーから彼女の写真を削除したことを受けて、謝罪した。

Chen Man氏は、中国の巨大な三峡ダムなどの主要なランドマークを背景に若いモデルを撮影したシリーズ「Young Pioneers」や、ドレスの下から中国初の月周回衛星が飛び出してくるイメージを撮影したシリーズなど、彼女の初期の作品に対する批判を認めた。

国営新聞「環球時報」によると、ソーシャルメディア上のコメントで、彼女の作品を「暗示的な児童ポルノであり、共産党系の青年組織の名称である「若き先駆者たち」を侮辱している」と批判している。

Chenは自身のSNSアカウントで、述べている。「深く反省し、当時の自分の甘さや無知さを責めました。私は中国人です。私は生まれも育ちも中国人で、祖国を深く愛しています。そして、アーティストとして、中国の人々の文化を記録し、広めるという使命に対する責任があることを、深く理解しています。」

Diorは該当写真を削除し、アートプロジェクトの一環であり広告ではないと付け加えた。Diorは中国のSNSアカウントでの声明で、「"中国の人々の感情を尊重し"、"中国の法律と規制を厳格に遵守する "」と述べている。

Chenが続ける。「プロのビジュアル アーティストとして、より多くの人が自信を持って現代中国の美の顔を認識できるようにすべきだと考えています。」  - NOVEMBER 25, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

意図的な作品を国際ブランド上で展開した写真家が、広告主が中国の圧に逃げた結果に全力謝罪、という記事。

誰もが想定内のことが、また起きたということだ。

『 覚悟がない領域に挑むべきではない 』

アーティストの創作活動は、度胸試しではない。自身が手に負えないテーマや領域で、調子に乗らない方がいい。その謝罪はともすれば、引退宣言となる。

作品への意欲的なテーマの採用はアーティストの責務だが、その創作活動を継続することこそが“使命”な筈なのだから。どんな作品もテーマも、「自分未満」でなければ嘘だ。気負った虚勢よりも、ストイックな自身を生きることが優先だ。作品は、その結果に過ぎない。

『 謝罪は、哲学である 』

国際的な成功者たちは、すぐに謝罪の言葉を口にできる傾向がある。日常の雑談にもわたしのような格下にも、詫びることを躊躇わない。

確固たる業界地位を誇る彼らはその程度のことで自身のブランドがまったく傷つかないことを知っているそれ以上に、「正直こそが価値」だと理解しているのだ。その場の事実を優先し、自身の主張を突き通そうなどという想いがない。業界の偉人たちは“感情”に左右されることなく、「哲学」を生きている。

『 最悪を避けたいなら、クリエイターであれ 』

アーティストという生き方のリスクは「死」だ。それとて“最悪”ではない。

前例を挙げるまでもなく無数に存在し常に、繰り返され続いている。攻める力が強ければ、受ける攻撃も大きい、シンプルな理屈だ。

それが怖いなら、他社企画の中で作業を担当するクリエイターであるべき。アーティストが平穏に生きようなどと願うのは、矛盾である。

『 編集後記:』

出国と帰国の難易度が下がらない。
テレワークもZOOMも日常化して最適化が進んだが皆、気づいている。その場に“同席”することの利を。

もう決めた。「メタバース」への事業移行を加速する。
わたしは“メタバース老後”を選ぶ。

現実を求めて仮想現実を生き、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記