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瑠璃色の神秘、曜変天目

先月所用により上京する機会があり、大好きなアンリ・マティスの回顧展(マティス展 @東京都美術館)を観てきましたが、翌日もう1ヵ所何か観ようと思い立ち、ちょうど静嘉堂文庫美術館丸の内ギャラリーで曜変天目茶碗(稲葉天目)が展示されていることを知り、行ってみました。

曜変天目とは中国の南宋時代に作られたと推定される天目茶碗で、黒い茶碗の表面に青や緑色の斑紋が現れているものを「曜変」といいます。その完品は日本にある3点しか現存しておらず、いずれも国宝に指定されています。すなわち

①静嘉堂文庫美術館蔵(通称、稲葉天目)
②藤田美術館蔵
③大徳寺塔頭龍光院蔵

の3点です。
このうち②の藤田美術館蔵のものは、当該美術館がリニューアルのため3年間休館する前の2017年4月に大阪まで観に行きましたが、なぜか①の稲葉天目は時々展示されるにもかかわらず毎回タイミングが合わず、今回満を持しての鑑賞となりました。
(③の龍光院蔵のものはめったに展示されませんが、いずれお目にかかる機会もあろうかと・・。なお、藤田美術館蔵の曜変天目もちょうど同じ時期(6/30まで)に展示されていました。斑紋が小さく神秘的な美しい曜変天目です。)


さて、静嘉堂文庫美術館蔵の曜変天目。もと徳川将軍家所蔵であったものが、3代将軍・家光の時代に春日局に下賜され、その後春日局の子孫である淀藩主稲葉家に代々伝わったことから「稲葉天目」と呼ばれています。昭和11年(1934)に購入した三菱財閥4代目総帥の岩崎小弥太は「天下の名器を私如きが使うべきでない」として、茶碗として生涯使うことはなかったといいます。何とも奥ゆかしい話で・・(静嘉堂文庫は岩崎家が集めた古典籍及び古美術品を収蔵しており、2022年10月に展示ギャラリーを丸の内に移転しています。)。

初めて観た稲葉天目。斑紋が大きく3点の曜変天目の中で最も華やかだと言われています。確かに藤田美術館蔵のものと比べると斑紋が大きくハッキリしていましたが、天目茶碗自体が小さいので、茶碗の中に瑠璃色の小さい宇宙が見えるように感じました。何とも可憐な小宇宙!

撮影ができないので、静嘉堂文庫美術館のtweetを貼ります。


これは「るり、るり、あわ、あわ・・」(びじゅチューン!『曜変天目ディスコ』より)と歌い出したくなるのもわかりますね(^^♪

この1点だけでも観に行く価値があると思いました。
静嘉堂@丸の内ギャラリーでは現在、企画展「サムライのおしゃれ」展が2023年7月30日まで開催中です。


*静嘉堂文庫美術館のHPはこちら。


*「サムライのおしゃれ」展はこちら。


*大阪にある藤田美術館のHPはこちら。


*びじゅチューン!の『曜変天目ディスコ』はこちら。


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