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【ライター解説】ホームページを制作するにあたり「文章」は誰が書くのか?

会社案内・集客・採用活動等に利用されるホームページ。取引先や顧客・求職者に自社をアピールするには、わかりやすく魅力的な「文章」が必要です。

僕自身も、ライターとして、いろいろな業界のホームページ制作に携わってきました。その経験からすると、ホームページの文章は自社で作成するのが基本です。

とは言え、webライティングに慣れていない人にとって「文章を書く」というのは難しい作業です。そこで、広報・PR担当者の方に向け、ホームページの文章を用意する方法を紹介します。

ホームページに掲載する文章の役割

ホームページにおいて、文章は自社の魅力を伝える手段のひとつです

会社紹介や集客が目的であれ、採用であれ、訪問者は書かれている文章を読んで企業のことを理解します。そのため、ホームページの文章は ①人を惹き付ける表現であること ②わかりやすく伝わる内容であること が重要です

よほどニッチな商品・サービスを扱う企業でない限り、必ず競合他社がいます。同じ業種・業態の企業が多々ある中で、ホームページをしっかり見て興味を持ってもらうには、訪問者を惹き付けるメッセージが必要です。

そうかといって、キャッチ―な言葉だけを並べればいいというわけではありません。自社のことを適切に伝えるには、相応の情報を、わかりやすく論理的に説明することも必要だからです。

魅力あるメッセージを、訪問者が求める情報を盛り込んでお届けする。これがホームページに掲載する文章の役割です。

ホームページの文章を用意する4つの方法

ホームページの文章を用意するには、主に4つの方法があります。

①自社で作成する

1つ目は、自社で文章を作成する方法です。

社員が文章を書くのでライティング費用が発生せず、制作コストをもっとも安く抑えることができます。特に小規模事業者の場合、代表者自身で書くことも珍しくありません。

問題は、社内の誰かに「文章を書く」負担が重くのしかかることです。広報・PR担当等、外部向けの文章を書き慣れている方がいるとスムーズですが、そうでなければ、文章を書く業務に多大な時間がかかってしまいがちです。

② ホームページ制作会社が作成する 

2つ目は、ホームページ制作会社が作成する方法です。

制作会社には、営業・進行管理を担当するディレクター、デザインを担当するデザイナー、ネット上でホームページを閲覧できるようコーディングを担当するコーダーが在籍しています。

「文章が必要だけれどライターに頼むほどでもない」といった場合には、制作会社の“中の人”が文章を作成してくれます。ライターを雇用しているところもあるようですが、小規模の制作会社では少ない印象です。

懇意にしている制作会社では、ライターに依頼しない案件について、ディレクターが文章を書いているとおっしゃっていました。また、ディレクションからコーダーまでを一人で担当する制作会社では、ライティングも自分で行うという強者社長もいらっしゃいました。

いずれにしても、どのような形でライティングするのか、事前にお互いの意志や考えを共有していくことが大切だと思います

なお、「そもそもホームページ制作会社が決まっていない」ということであれば制作会社を紹介することもできますので、note『クリエイターへのお問合せ』からご連絡いただけますと幸いです。

③ ライターが作成する

3つ目は、ライターに文章作成を依頼する方法です。

これには、1)発注者サイドでライターを見つけて依頼する 2)制作会社サイドでライターを見つけて外注する パターンがあります。ただし、イメージに合ったライターを探すには時間も手間もかかるので、実際のところは制作会社サイドでライターを手配するケースが多いように思います。

ライターに依頼するとなれば、その分、制作コストがかかってきます。

僕の場合は、事業内容や代表あいさつ等を掲載する一般的なコーポレートサイトを【オンライン取材:33,000円(税込)~】【訪問取材:44,000円(税込)~】で請け負っています。ページ数が多かったり、社員インタビューが入ったりと、コンテンツが増える場合に基本料金に上乗せする形です。こちらはご参考まで。

おそらく、ライターに依頼するのがもっとも費用がかかる方法です。

しかしながら、文章作成をほとんど丸投げできるので、代表者や社員が他の業務に集中できるという大きなメリットがあります

④ たたき台を作りライターが加筆・修正する

4つ目は、自社でたたき台を作ったものについて、ライターに加筆・修正を依頼する方法です。

実は、「自分たちであらかたの文章を書きたいが、念のためライターさんにも見てもらいたい」といった形で依頼されるケースもままあります。

この方法の良いところは、自社の思いや考えを、自分たちの言葉で表現しやすい点です

社外の人間であるライターが一から文章を作成すると、事業にかける思いや仕事に対する考え等について解釈が違ってしまうことがあります。簡単に言いますと、「(私たちが伝えたいのは)これじゃない」という状況です。このような事態は、自社でたたき台を作ったほうが防ぎやすいです。

もちろん、たたき台を作るための時間と手間が必要になるので、そのあたりは、コスパを考えながら検討してみてください。

ライターへの依頼が多いケース

不動産業・建設業・製造業・サービス業・コンサルティング業等、これまでいろいろな業界の代表者様・役員様を取材し、ホームページの文章作成にお力添えさせていただきました。

業界を問わず、ライターへの依頼が多いのは次のようなケースです。

① 伝えたいことがたくさんある

ご依頼いただく中でよくあるのが、「あれもこれも載せたいと模索しているうちに自分たちでは文章に起こせなくなってしまった」というものです。

取引先に、顧客に、求職者に伝えたいことがたくさんあるからこそ、優先順位をつけるのが難しくなってしまうようです。

このようなケースでは、ライターに依頼することで自分たちの考えを整理できるというメリットもあります。取材を通して第三者にアウトプットすることで、本当に伝えたいことを整理できるのです。

文章作成についてアイデアが行き詰まるようなら、頭の中を整理するためにもライターに依頼するのがおすすめです。

② 思いや考えを文章にできない

伝えたい思いや考えがはっきりしていても、それを文章に起こせないという場合もあります。このケースは、建設・工事業や製造業といった業界に多い印象です。

言葉よりも自分の腕一本で勝負する世界だからでしょうか。その道の職人に取材すると、仕事に対する責任感や情熱・こだわりがすごく伝わってくる一方で、みなさん「それを言葉にできないんだよ。笑」と必ずおっしゃいます。

専門的な業種・業態になるほどライターに依頼するのが難しいと思われるかもしれませんが、僕の場合は、これまでも金型製作工場やBIM(建築物の情報モデルを構築するシステム)を扱う設備会社等のライティングを行ってきました。

自分の経験を踏まえると、取材でいろいろお話を伺わせていただければ、専門的な業種・業態もライターが対応できると思います

③ SEOを重要視している

ネット経由で集客するにはSEOが重要です。ターゲットとなるユーザー層が検索した時に上位表示されないと、そもそもホームページを見てもらえないためです。この認識が広まっているので、「SEOを意識した文章作成をお願いしたい」とおっしゃる方もよくいらっしゃいます。

ネット検索で上位表示されるには、ターゲットとなるユーザー層が検索するであろうキーワードを盛り込みつつ、しっかり内容のあるコンテンツを作成することが大切です。なぜなら、たまたま検索に引っかかっても、訪問者がすぐにページを閉じるコンテンツではGoogleの評価が下がってしまうから。

検索ニーズを調査するのは誰でもできますが、かなりの時間と手間が必要です。ネット好きな方でない限り、面倒に感じられて心が折れてしまいます。

そのため、SEOを重要視した文章作成は、ライターに依頼したほうが圧倒的にコスパが良いと思われます

④ 社員インタビューのページも作りたい

最近では、コーポレートサイトや採用サイトに「社員インタビュー」を掲載する企業が増えています。ホームページのメインコンテンツと併せて社員インタビューも掲載したいという場合も、ライターに文章作成を依頼されやすい傾向です

400字(原稿用紙)程度のボリュームなら、社員自身、または他の社員がインタビュー風な記事を書くことも可能です。それが2,000文字(原稿用紙5枚)、3,000文字(原稿用紙7枚半)となると社員への取材が必要になったり、インタビュー記事の構成を作ったりする必要が出てきます。

内容のある体裁が整った社員インタビューを掲載するためにも、ライターが活用されています。

ライターに依頼した後の流れ

僕の場合、ホームページ制作会社経由でライティングの依頼をいただいています。具体的には、以下のような流れです。

① 制作会社の営業担当者からライティングの相談・依頼を受ける
② 発注者・営業担当者・ライターのスケジュールを調整し、取材予定日・場所を決める
③ 当日、営業担当者・ライターが取材場所(会社所在地、カフェ等)を訪問し取材する
④ 取材後、10日~2週間を目安に初稿を発注者に納品する
⑤ 発注者は初稿を確認し、必要に応じライターに修正を依頼する
⑥ ライターは原稿を修正し、再納品する

以上が一連の流れです。

制作会社によっては、業務委託先として、フリーライターや記事作成代行会社等を確保している場合もあります

制作会社の方と働いていて思うのは、「お客様の希望を実現するために素敵な作品(ホームページ)を作りたい」という気持ちがとても強いということです。全体の進行、お客様とライターとの相性等を考えながら、制作がうまく進むようきめ細かくコーディネートされています。

ですから、協力してプロジェクトを行うチームとしてお互いの関係性を崩さないよう、ライターへの依頼については、まずは制作会社に相談してみることをおすすめします

メッセージ性と情報量ある文章を

ホームページの文章は、取引先や顧客・求職者が自社について理解を深める重要なツールです。

文章を用意するために4つの方法をお伝えしました。

① 自社で作成する
② ホームページ制作会社が作成する
③ ライターが作成する
④ たたき台を作りライターが加筆・修正する

制作予算、コンテンツ作成に関するノウハウ、マンパワー、使用目的等により、どのような方法で文章を用意するかが変わってきます。

自社の課題を早く、適切に解決できるよう、自分たちにとってもっとも合理的な方法を検討してみてくださいね

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