ひらさわ たゆ

こちらでは主に小説、時々エッセイや詩などをあげていきたいと思います(*^▽^*) 別ア…

ひらさわ たゆ

こちらでは主に小説、時々エッセイや詩などをあげていきたいと思います(*^▽^*) 別アカウント『たゆ・たうひと』⇒ https://note.mu/guerlain_325よろしくお願い致します

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    平沢たゆ「妄想家族」シリーズ ちょっとおかしな家族の、温かな日常

  • 【コラボ小説】Answer

    「たゆ・たうひと」こと「ひらさわ たゆ」と 「みらっち」こと「吉穂みらい」が この度「ふたりでひとつ」の小説を書きました

  • 23:50 バスルームから愛をこめて

    仮想ラジオ番組『23:50 バスルームから愛をこめて』オリジナルシナリオ小説 そのシナリオ通りに音声配信してくれたkonekoちゃんのラジオと、 更には実際に対談させていただいた『たゆねこラジオ』をお楽しみください

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絶え間なくたゆたう・・・

たゆたう「たゆ・たうひと」は、どうしても捨てきれない名『たゆ』をもじって命名しました。「書く」という世界で沈むことなく、心揺さぶられながら、絶間なくたゆたえたら…という願いからでした 読書が苦手だったわたしは、小学生の頃、図書室に行くといつも辞書を引いていました。最初に開いたページの適当な文字を見つけて、類語でしりとりをして時間をつぶしていました そのうちお気に入りの漢字ができ、意味を調べ、人の名前を考える趣味ができました。お気に入りの漢字とよみを見つけるのは漢和辞典の方

    • 「恋愛体質」第1話

      恋愛体質:entrance 『 街コン 』 1.prologue 「街コン!?…っとぉ」  ベッドから起き上がった拍子にスマートフォンを落としそうになり、慌てて右手を添え、 「ムリムリムリムリ…」  電話越しで相手に姿が見えていないにもかかわらず、あまりに突飛な言葉にその手を顔の前で激しく振る。 『いうと思ったぁ。だからさ、とりあえずあたしたちふたりで行ってみることにしたのよ』  くすくす…と笑い声が混じる。 「ふたり? 雅水と?」  受話器の向こうのふたりにはすでに

      • 「恋愛体質」第2話

        恋愛体質:BBQ 『友也と砂羽』 1.bad premonition 「砂羽さ~ん、お久しぶりでーす!」  桃子が出掛るのと入れ違いに、リビングに勢いよく入ってきたのは、高校の同級生だった鷺沢重音の妹だった。 「あら、和音ちゃん…? すっかり大人になって」  懐かしさに飛びついてくる和音を胸に、面食らって妙な顔はしていまいかと内心びくつきながらも、複雑な思い出が頭をよぎる砂羽。だが、 「やぁだ。おばさんみたい。あ、」  当の本人はそんなことには頓着せず、 「ユウヤ! 会

        • 「恋愛体質」第3話

          恋愛体質:BBQ 『重音と桃子』 1.trigger 「おーいぃ。焼きそば買ってねーじゃん」  材料の仕分けをしながらそう言ったのは、遅れてやってきた挙句に焼きそば担当を命じられた友也だった。 「え、買ったよー。焼きそば」  ソファにもたれ込み、キッチンに頭をもたげる雅水は自信満々に答えるも「あれ」と、顔をしかめる。 「具はな。でも麺そのもの忘れてるわ」  そう言って空になった袋を振って見せる。 「うっそ。もう一回いくのー?」  遅れてリビングに入ってきた砂羽は、

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          「恋愛体質」第4話

          恋愛体質:BBQ 『尭彦と雅水』1.defenseless 「手慣れてますね~」  BBQが始まってからこっち、焼き網の前から離れられなかった尭彦に、掛けられる言葉といえばそれくらいしかなかった。 「いつもやらされてるんだ」  器用に肉を返しながら、それが「役割」とばかりに答える。 「いつも?」 「下っ端だから」  ははは…と空笑いをするのは彼の癖なのか、今日はずっとその顔がついて離れないのが気がかりだった。 「ふぅん。進んでやってるんじゃなくて?」  なんだか雅水は、そ

          「恋愛体質」第4話

          「恋愛体質」第5話

          恋愛体質:BBQ 『唯十と友也』1.minute waltz 「ばーべきゅー?」  グラスを運ぶ友也の視線を遮るように、クルクルと後を追う唯十。 「なーに素っ頓狂な声出してんだよ」 「だぁって。ユウヤさんが変なこと言うから」 「なにも変なことは言ってない。BBQに行くって言っただけ」  唯十を避けるようにカウンターに入る。 「だれと!」  ここは、友也が深夜にバーテンダーのアルバイトをしているBAR。今は開店前で薄暗く、店内は前日の閉店後のまま散らかり放題だ。足元にはた

          「恋愛体質」第5話

          自分の家と、自分の部屋

          いつから掃除が出来なくなったんだろう? その昔、自分はキレイ好きだと思っていた でもそうか、キレイ好きだからと言って、掃除好きとは限らないのか 妹の部屋はいつも、仕事が詰め詰めの余裕のない職場のようにごった返し、机の上どころか足の踏み場がなかった。それはまるで枯葉を積み上げ、それを中心から「わ~」って言ってばらまくように、部屋中のものをぶちまけた感じ。もしくは泥棒が漁った後のようだった その部屋を眺めながら自分の部屋に入るわたしは、優越感に満たされていた わたしの部屋は整

          自分の家と、自分の部屋

          遺言

          ふたりめの子どもを身ごもり、切迫流産して7か月で里帰りをした。 その時既に、私は嫁ぎ先に帰りたくない気持ちでいっぱいだった。 大恋愛というほどではないが、求められて結婚した当時はそれなりにしあわせを感じていた。なんの疑いもなく安寧な暮らしを信じ、子どもの父親と一生添い遂げるものと思っていた。だが結婚が決まった途端、それまで毎日のように訪れていた彼の実家には、どういうわけか違和感を感じ足が遠のいていた。あの頃は自分の中の疑念に蓋をし、それがマリッジブルーなのだと思い込んだ。

          きんぴらごぼうにお茶漬け

          タイトルを見てピンときた方は流石です! こちら近藤真彦さんの『ギンギラギンにさりげなく』のサビ部分の替え歌です。語呂合わせというか、おもしろ空耳とでもいいますか、小学校の頃、こういったサビの部分のみの替え歌が流行っており、過去にわたしは「お楽しみ会」で披露するために1番だけを創作詩したことがあるのです まぁ、子どものやることなのでね、つじつまなんかあっていませんが、いい感じに言葉遊びにはなっているのでしょう この他にももっとあったのですが、なぜかこの歌だけ記憶に残っている

          きんぴらごぼうにお茶漬け

          忘れないうちに

          こちらでちょっと触れている ↓ ↓ ↓ 忘れられない好きな曲がある やっと見つけたの 櫻井敦司さまがお亡くなりになる以前に、インスタでつながっているお友だちがBUCK-TICKのファンだということを聞き、ずっと思い出せない歌がある…と訴えましたところ、どんな歌かと聞かれた まぁ、そうなるよね でもタイトルが解らないし、伝えようもない。でも、ワンフレーズだけ覚えていて、それが彼ららしくないなと感じていたからこそ、いつまでも頭に残っていたのかもしれない でね、その気に

          忘れないうちに

          妄想家族 『買い物』

          買い物に行って「パンの気分」という娘のためにホテルブレッドとベーグルを買ったのに、帰りにたこ焼き食べたら「もういらない」って、これは大人のやることか?と思いつつ、いまだ子どものための買い物をする自分がかわいいと思うある日 子どものころ、母親に「あんたと出かけるとお金がかかる」とよく言われていた 目にするものが欲しくなるから仕方ないのだが、それを今自分の娘がひきついでいるようだ せっかちな妹と出かければ「あんたと出かけると時間がかかる」とよく言われる 買うものは決まっている

          妄想家族 『買い物』

          私は女

          大好きなんだぁ・・・・これ ↓ ↓ ↓ 知ってるひと少ないと思うんだけど、この方『あばれはゃっちゃく』の初代マドンナ。そう、女優さんです こちらでも紹介しております ↓ ↓ ↓ とにかく声がいいのよ~わたしにはドンピシャでグッとくる 歌詞もね、そうそうって納得するところがたくさんある 死ぬまで…といっちゃうところがアイドルじゃない、大人の魅力 結構昔に、ほんの少しだけ聞いた曲だったけれど、この冒頭のフレーズが忘れられなくて、ずっと心に引っかかっていた ここのフレーズ

          ヒゲとボイン

          この曲を初めて聞いた時は「なにいってんだ」と思った でも、この曲を改めて聞いた時「なるほど」と思った 男にはつらくて長い二つの道いいえて妙 ヒゲを目指すか、ボインを取るか、 二兎追うものは一兎をも得ずという歌なんだな、と思った 切実だなぁ 奥田民生氏の歌詞はいつも、そうそうと思わせるものがある。タイトルも解り易くてスッと入ってくる。アイドルの匂わせ感とは違いますね 男にはふたつの道だとすると、 女には枝分かれの道じゃないかとしみじみ思う。ただの分かれ道じゃないの、枝

          ヒゲとボイン

          風は秋色

          おひさしぶりです。この記事も実に2年ぶり。だいぶ放置してしまいました 先日面白いことがあったので、ひとつ・・・・ 80年代昭和歌謡、特にアイドルの歌を、わたしのカラオケで聞いて育った我が娘のレパートリーに「聖子ちゃん」は必須です。車のオーディオにもしっかりとシングルコレクションが取り揃えてありますので、たまにふたりで声を張り上げていたりもするのですが・・・・ そんな娘が先日、わたしのBGM用のMVを観ていてポツリと言いました この曲、なんでこのタイトルなの? 『風は秋

          Answer「後日談」

          「p0」「p1」「p2」「p3」「p4」「p5」 「p6」「p7」「p8」「p9」「p10」  2023年10月14日。  月曜の早朝から取材旅行に同行することになったはるかは、その日の午後から思わぬ休暇が舞い込んだ。ちょうど美咲も戻ってくるということで、夕方から萌の家に向かうことになった。 (大丈夫だろうか)  予告通り美咲は、仕事から戻ったその足で「お土産を届ける」という名目で萌の自宅に押し掛ける算段だったらしい。  なにかやらかすのではないかとハラハラしていたが「下

          Answer「後日談」

          Answer「p10」

          「p9」(前話)  2023年10月10日。 「ねぇはるか。タクミの漫画って、読んだことある?」  急に電話をかけてきて、何をいきなり――美咲の行動はいつも斜め上からやってくる。 「えー。ないよそんなの」  あるわけがない。 「やっぱりね。一度読んでみた方がいいよ~」 「なんで。おもしろいの? 美咲は読んだってこと?」 「まぁ。――それより萌のことよ」 「え。あぁそう。親が絡んでくると難しいよね」 「なにが難しいのよ。結局ふたりがどうしたいかでしょう? あたし、萌に連絡し