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盛岡からお連れした「仁王様」~霊媒体質の方に憑いてた「ラスボスさん」の穢れを払ったら!!~

盛岡の展覧会で、 たくさんの仏様を 背負った 霊媒体質の方と会った。

その方とお友達になり、 しばらくおしゃべりする中で、その方の 一番大きな 気を持つ「 ラスボス的な 仏様」を 私が引き受けて 連れて帰ってきた。

何ともまあ 圧倒的な存在感で、 お父さんはもう 圧迫されすぎて、「 人が1人増えたけど、 でかいな。 換気してないと とてもだめだ」 と言って換気ばかりしていた。

この仏様は 最初 随分と 淀んでいた。
部屋の空気が 息苦しくなるほどであった。
仏様も 旅の疲れがあるだろうから、 仏様の 雑居ビルである 我が家で しばらく休んでもらった。

それにしたって、 随分と淀みを抱えている。
汚泥や垢や、澱の ように たまりに溜まった 汚れを、 全部取ってあげようと思って、 ひたすら 仏様の 垢擦りをした。
垢擦りというのは、わたしが念を仏さまに集中させて、仏さまを覆っている穢れをわたしの身体に取り込み、わたしの身体を通して吐き出す作業である。

この汚れときたら、 大したもので、 汚れを飲み込んでいる私が 、 体中 動かなくなったり、 目の前が白濁して見えなくなったり、出る便は ベタベタのタール便で、 連日大量であった。

トイレの水を3回流しても、 便が 便器に張り付いて 流れないほどである。
トイレを洗いながらの 連日の排便で、 しかしこの仏さんも 随分と まあ、 こんなにコテコテに 汚れたもんだなあと 思いながら 垢擦りをしていた。

だいぶ 綺麗になった。
仕上げに 御詠歌をあげて、 ピカピカに 仏様を拭いた。

びっくりした。

赤と黄色に 美しく燃え盛る、 仁王様が立っているではないか。
この方は人なんだろうか?
何かの守護神 なんだろうか?

あまりの神々しさに、 恐れ多いと 思わず手を合わせた。

「アビラウンケンソワカ」

思わず口をついて出た。

こんなに美しい、 こんなに 猛々しい、 仁王様のような 魂は、 生きてきて今まで出会ったことがなかった。

何かのご使命を持っていることはわかった。
それは人を守護することである。
おそらくこの方は、 何人も 何人も 守護してきて、 穢れをかぶり、 穢れをかぶりすぎて、 身動きが取れなくなっていたのだろう。

弟さんに神社まで乗せて行ってもらった。

境内で、 手と口を洗い、 ご縁がありますようにと 5円玉を お賽銭箱に入れた。

手を合わせた。
何か 振動のようなものが 体中を包んで、 グラグラして立っていられなかった。

ご神体の鏡を覗き込んだ。
しまったお酒を忘れてきた!!
そんなことを思った。

境内の、 あちこちに立っている 杉の巨木に 抱きついて おでこを くっつけて、 木の中の音を聞いた。

それをやって回りながら しばらく ぶらぶらした。

仁王様 のようなその方は、 次の巨木の横に立ち、 天を 仰いでいた。

私はお礼を言った。
「 ご尊顔を 拝ませてくださって、 ありがとうございました。 また いつか我が家によって、垢を 落とさせてください」

そこで 別れて、 なんとなく気になって 社務所へ行った。
目に入ったのは「 力守り」の お守り だった。

買おうか迷ったが、 我が家はお守り だらけなので( お父さんが倒れた時、 みんなが 送ってくれたのだ)、 また改めることにした。

振り返ることなく帰宅して、 あの不思議な方のことを お父さんと話した。
お父さんも、いわゆる「見える」体質である。

「お父さん、 あの人って 人間 の仏様 だったのかな。 なんか人間と違うんだよ。 どっかの神社の狛犬が 人間の形をして出てきたと言うか。 でも人っぽかったよね?」
と私。

「 狛犬ではないよ。 人の姿をしていた。 何かの守護神なのかもしれない」
お父さんが言った。

「お父さん、 私神様の垢擦り したのなんか、 生まれて初めてだよ!! そっか 守護神か!! 確かにそうかもしれない!! すごいすごい!! ありがたいことだね!!」
私は興奮した。

我が家の居間からは、 あの めちゃめちゃ 威圧感のあった、 バリバリ 存在感のある 人の気配は消えた。

我が家の仏様はどちらかというと、 孤独死とか 寂しい死に方をした人ばかりで、 刺激が強いと 怖がってしまうのだ。

そういえばあの方は、 ずっと居間にいて、 寝室へは入ってこなかったな と思った。
我が家の仏さんのほとんどは、 寝室に溜まっているのだ。

配慮されたのかな?
そんなことも思った。

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