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【カンボジアの学校へ行こう!28】 #田舎から先生たちが大集合!#コロナを忘れない#(空回りしない)熱血先生応援プロジェクト

■ 黄色の軍団!地域の教育のために立ち上がれ

Kizuna Alumnae Networkのワークショップを3年ぶりに開催しました。

Kizuna Alumnae Networkは、カンボジア首都プノンペンにある教員養成学校在学中に、日本財団の支援でNGO ESC-KIZUNAを通じた奨学金を受けて卒業した教師たちの集まり。総勢2400人にのぼります。

多くのメンバーは国境に近い辺境の公立中学校で教鞭をとっています。彼らは都市部と地方の教育環境のギャップを埋めることを目標に集まり、問題を共有し、解決に向けたプロジェクトを我々NGOキズナと共に実施しています。

例えば、生徒たちの考える力(読解力)を高めるための「図書館プロジェクト」や、授業に紙芝居を活用した「保健室普及活動」、教員研修大学の生徒に伝統文化を伝承する芸術クラブ活動支援など、プロジェクトは多岐に渡ります。

■ 第6回アルムナイワークショップ

定例会議はこれまで年に2回定期ミーティングを行なってきましたが、コロナの影響で今回は3年ぶりの開催。約500名の教師たちが集合しました。懐かしい仲間たちとの対面です。

毎回、揃いのイメージカラーとキャッチーなテーマで印象付けています。
今回のカラーは黄色。そしてイベントのテーマは「コロナを忘れるな」

”Don’t forget Covid-19” 

長く休校が続く中、教員たちは生徒たちの授業を継続するために、またコミュニティーの一員として、コロナ禍を乗り越えてきました。
その体験とサバイバルの工夫の記憶が風化されてしまう前に、その体験をみんなで共有し、将来、また起こるかもしれない災害の時にも教育の質を維持できる備えをしておこう!という考えです。

教員養成大学の芸術クラブ活動の学生たちがイベントに花を添える。

■ 5つの学校のサバイバル体験

多くの学校を代表して、5名の先生が、コロナの長期学校休暇中に彼らの学校で実施したサバイバル例を発表しました。

1. 出張授業
2. 教師たちのITの壁
3. 読書習慣の推進
4. 屋根付き運動場のコミュニティー活用
5. 運動場で食料貯蔵

コロナ後を印象付けるイベントは現地の報道でも取り上げられました。

会場全体でのパネルディスカッション

1. 出張授業

政府はオンライン授業の活用を大々的に推奨しましたが、ほとんどの地方の保護者にとってデジタルデバイスの使用に対応出来ず、教師自らが分担して地域を巡回して授業を行いました。地域によっては20kmもバイクでの移動になりますが、保護者の方々との関係が強化されたと言います。

2. 教師たちのITの壁

コロナ禍にITを強要され、戸惑ったのは保護者だけではありません。普段ICTに触れていない教師自身たちにとって、スマホはSNSでお喋りしたりFacebookに得意の自撮り写真を投稿するだけのものでした。端末の普及率の低さや技術面の問題で、子供たちへのオンライン授業は困難でしたが、教師や政府間との定期ミーティングで技術を獲得しました。
一番良かったことは、オンラインで色んな研修を受けられるようになったことです。これまでは、公立教員への対面研修は経費がかかるため殆ど実施されてきませんでした。オンラインを使えば、経費は通信費だけで済みます。

3. 読書習慣の推進

国内でコロナについての様々なウソ情報が飛び交い、人々は不安の渦に巻き込まれました。カンボジアの国語教科については「読解力」の弱さが指摘されています。授業が、できない分、読書習慣を身に付けることで、生徒たちの読解力を高めようと考えました。しかし、殆どの学校には図書館の機能がありません。生徒たちに読書をすすめるために、先ずは教師自身が本を読み始めました。

4. 屋根付き運動場のコミュニティー活用

日本財団の遺贈寄付で「屋根付き運動場」を作ってもらった学校の例。全国ほとんどの村には、地域住民が集える規模の公共施設がありません。小さな島が、コロナの最中パンデミックの状態になりました。その時に、壁のない通気の良い、屋根付き運動場が、感染者の隔離場所となり、ワクチン会場にもなり、また雨季には通気の良い屋根付き教室となりました。

隔離やワクチン会場に早変わり

5. 運動場で食料貯蔵

コロナの最盛期、僻地の村は物流が停止。食料の確保が危ぶまれたました。学校と地域住民で組織された学校委員会は、大きな敷地面積を活かして地域の食料確保に取り組みました。

野菜菜園
淡水魚の養殖
養鶏、養アヒル(?!)

■ ネットワークを活かして郷土史コンテスト

クメールルージュの暗黒時代に、徹底して文化や歴史資料が破壊された近代史をもつカンボジアで、リアルな地方生活者のネットワークは、情報収集のチャンスです。参加した先生たちに公募で、地元の情報を紹介してもらいました。

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