タイプ間のパワーバランス

認知バイアスと言われればそれまでだが、MBTIのタイプ間には、一方が優位に立ちがちな関係性があると考えている。2者の関係において、一方が常に勝ち、教える立場となり、一方が常に負け、後手に回る。これは各タイプが使用する心理機能の優先順位から説明を付けることが可能である。本稿ではそれを行う。


この関係性は、2つの前提に首肯しなければ理解が得られない。

  1. 第2機能がその人物の長所であり、武器である。

  2. 第3機能がその人物の急所であり、弱点である。

以降の文章はこの2点に賛同できたものと仮定して論を進める。


ESTPとENTJの関係性について考えてみる。

ENTJの長所となっているのはNiであり、これは(一見関連がないものも含めた)情報を統合し、未来を見据える機能である(他にも色々言いようがあるが)。しかしESTPにとってNiは劣等機能であり、価値を感じておらず、優先順位が低い機能である。よって、ENTJがNiで攻めてもESTPには響かない。ENTJの長所が対ESTPでは長所として機能しない。

また、ENTJの急所はSeであり、これは現実そのものを純粋観察する機能である。ENTJは先見の明があるが、ビジョンへの囚われがある分、今現在の情報を正確に認知することが不得手である。しかしESTPはこのSeを当たり前のように使っている。従ってENTJはESTPから常に急所を突かれ続ける形になる。

このパワーバランスを ESTP > ENTJ と表現する。そして、全く同じ理屈で、ENTJはENFPに勝つことができる。

ENTJ > ENFP

同じ理屈で、ENFPはESFJに勝つ。

ENFP > ESFJ

同じ理屈で、ESFJはESTPに勝てる。

ESFJ > ESTP

これで一つの輪ができる。

ESTP > ENTJ > ENFP > ESFJ > ESTP

同じような輪が他に3つ、計4つ存在することになる。

ISTP > ISFJ > INFP > INTJ > ISTP

ESTJ > ESFP > ENFJ > ENTP > ESTJ

ISTJ > INTP > INFJ > ISFP > ISTJ


ここで述べていることは、机上の空論が過ぎないか?と自分でも思うところではある。しかし自分のタイプ(INFJ)のパワーバランス、INTP > INFJ >ISFP を見てみると、腑に落ちるところがある。自分はINTPに対して勝てないと思うことが多い。私は自分で何故そういう結論を出したのか、自分でわからなかったり、説明できなかったりする。その部分をロジックで質問攻めされると参ってしまう。また、こちらとしてはFeによる共感的なムードを着地点としたいところだが、ここもやはりINTP的にはどうでもいいところになっている。

ISFPに対しては分かりやすいと思うことが多い。思考が発達した人間は合理的な理屈で、(他人に知られたくない)感情を隠蔽することがあるが、ISFPはそういった感情に対するフィルターが1枚、多くても2枚くらいしかないような印象で、行動が読みやすい。また、趣味嗜好も刹那的、俗世的なものが多い(例えばアイドルの追っかけ、先日X(旧twitter)で話題になっていた道頓堀ダイブなど)ので、浮世離れしたINFJからしてみると程度が低いと感じるものが多い。メタ認知の視点も弱いので、常にメタ側のINFJは冷静にISFPを観察している。


この関係性に則って一つ考察をしてみる。自分の観測上、INTJはかなり計算高くコミュニケーションを取るタイプであり、相手を自分にとって都合よく駒のように扱うところがあると見ている(ただ都合よく扱った見返りとしてメリットを提供するという事をやる)。対しISTPは、現場・前線で実務をこなすソルジャーであり、自分は駒でしかないと考えている。なので、INTJの目線ではISTPは「(駒であるのは)そいつ自身が望んでいること」として、簡単に操作させられてしまう。

こういったINTJに勝てるのがINFPである。INTJの武器であるTe(公式見解)は、好き勝手に解釈を楽しむINFPに何も響かない。またINTJは(自分の)感情判断に困難を抱えていることが多いと思うが、こんなことはINFPは10代の内から当たり前にやっていることだ。ただ自然に発言しているだけで、INFPはINTJにゴリ押しで勝ててしまう。


ここで述べているような相性論に関する当事者の認知は以下の3通りがあると考えている。

  1. 相性論は存在する。

  2. 相性論は存在しない。

  3. 相性論は存在するが、本人がミスタイプを起こしており、基準となるタイプがズレているため、納得感が得られていない。

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