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私の指板の使い方

オケなんかで弾いていると周りの方のフィンガリング戦略や
シフティング戦略が興味深いです。
フィンガリング戦略には正解は無く、リスクの取り方として
何を選ぶかかと思います。
移弦時のバタつきのリスクを避けるのであれば
ポジション移動が増えるでしょうし
ポジション移動時に音程を外すリスクを避けるのであれば
移弦が増えるでしょう。
また小指での運指を避けてポジション移動を多用するパターンもあります。

フィンガリング戦略は音楽の時代によってセオリーが変わってきます。
バロック期の音楽はあまりポジション移動しません。
そもそも当時の楽器は肩当ても顎当てもなく
楽器を肩に乗せるだけで顎には挟んでいませんでしたし
現代の楽器より指板も短いのです。
ガット以外の弦もなく音色も柔らかかったですし
ヴィブラートを掛けない奏法がメインなので
開放弦を多用しても音色が浮かないのです。
またガット弦のハイポジションはモコモコして音色が悪いです。

ロマン派になってくるとハイポジションを多用するようになります。
マーラーの楽譜などはそもそもSulG、SulDの指定が多いですし
ポルタメント、グリッサンドの指定も多いので
ローポジションからハイポジションまで滑り上がる必要がありますし
ロマン派以降はかなり強めにヴィブラートを掛けます。
ハイポジションの方が強く掛かりますし開放弦は基本使いません。

まあ時代によってのセオリーはこんな感じなんですが
人間は誰もが他人とは違うので
手が大きい、小さい、指が強い、弱い等
個性に合わせて得意な奏法が出来上がっていく感じで
私は手が小さい、チカラが強いという個性がありますので
小指の押弦に抵抗がありません。小指でも普通にヴィブラートを掛けます。
また移弦に抵抗がありません。
シフティングすれば人差し指と小指でオクターブを往復できる
パターンでも弦跨ぎの移弦でのオクターブも平気でやります。
しかし手が小さいので指を開くフィンガリングは避けます。
そしてポジション移動での音程が外れるリスクを避ける傾向にあります。

私の指板の使い方

私は画像のようにG線→E線までローポジションの移弦で解決して
E線まで移弦してしまうと後はポジション移動するしか無いので
ココから先はポジション移動で解決する傾向にあります。
E線で上がってしまった後はハイポジションでのA線への移弦での下降はせず
ポジション移動で下がっていく事になります。
ハイポジションでのA線やD線への移弦は弓の角度がタイトになり
隣の弦を引っ掛けるリスクが上がりますし
音色もモコモコするので私はあまり使わないです。
またE線の音色って特別なのでA線との移弦が多いと
移弦時の音色の繋がりが悪くもなってしまいます。

フィンガリングやポジショニングで個性が出るというのは
弦楽器特有の特性でしょうね。

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