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【登山記】北条氏ゆかりの韮山城砦跡を歩く〜伊豆の国市 真如の里でキャンプ

 伊豆の国韮山には、かつて韮山城があった。戦国の雄 北条早雲(伊勢宗瑞)が築き、そして後北条と豊臣方の戦において、ついに落城しなかったという名城である。
 この韮山城の砦が南に延びた、和田土手と呼ばれるところがあり、その先奥まったところに真如と言う地区がある。ここで西村さんという方が真如の里を運営している。畑の作物の収穫体験や花摘みができる。

真如の里 この裏手からスタート

 ここでは、限定的にキャンプも受け入れている。詳しくは上記リンク先から真如の里・西村農園から連絡を。今回、キャンプを申し込んだところ、西村さんから「ここから江川邸に続く山道があるよ」と教えていただいた。江川邸とは、韮山の反射炉を作ったパン祖としても知られる江川太郎左衛門の屋敷である。その屋敷裏まで通じる道が山の中を走っているようで、ゆくゆくは売りにしたいため、一度モニター的に探索してほしいということだった。

山中の砦を探索 道に迷いながらも江川邸近くへ

 西村さんに口頭で案内された道は、途中まではある程度道らしいものがあったが、そのうちに道はなくなり、後は地図と地形を読みながら登っていく。

キャンプ場から続く山道

 将来的にここを探索路とするならば、標識が必要だろう。山の形から藪漕ぎをしながら尾根をたどって登っていく。やや開けた場所に出た。
 地図を見ると、まっすぐ江川邸のほうに行くルートがあったが、実際は急坂になっており、木立が密集しているため通路であったと思えない。
 反対側を見るとやや開けており、こちら側の尾根筋をたどっていくことにした。地図を見ると金谷砦と言うものがあるらしい。

金谷砦あたりと思われる場所
堀切が各所にあった

 しばらく行くと、堀切や段々になった場所、そして赤いテープの目印があった。やがて大きな岩が見え、そこにロープが貼られていた。これが金谷砦であろう。金谷砦からは、遠く伊豆の山々が見えた。この眺望が効く様は韮山城の砦の一つであろう。

段々に作られた堀
砦まではロープを使って登攀

 更にここからもう一つ砦があるようだ。基本的に尾根づたいの一本道であり、また所々に目印のテープがあったため、あまり迷わずに進むことができた。途中に堀切がいくつかある。
 そしてまたロープがあった。グッと登ると、そこに一気に眺望が開ける。これが天ヶ岳砦。基本測量点もあった。
 この砦から見る景色はさらに良かった。田んぼの向こうに広がる伊豆の国市街地までよく見えた。
 少し北側に移動すると、富士山が拝め、眼下に韮山城跡近くの城池が見えた。この眺めを見ただけでも登ってきた甲斐がある。 

こちらも大きな堀切 
天ケ岳砦には三角点があった
天ヶ岳砦からの眺め さすがに眺望が効く
天ヶ岳砦から少し北に行ったところにある眺望の良い場所 富士山がきれいだ下に見えるのは、韮山城跡近くにある城池だ

 ここから下ることにした。探検に出かけて既に一時間以上が経過していた。早く戻らないと夕飯の支度が間に合わない。
 江川邸の方向に出るかどうかが分からなかったため、とりあえず道なりにどんどん下っていく。
 かなり急なところがあり、ロープを使って降りる箇所が3~4箇所もあった。滑りやすい落ち葉の上を慎重に下っていく。

ロープを伝って降りる場所が幾つかある

 やがて子供たちの声が聞こえた。どうやら近くに広場があるらしい。
 そして遂に公園に出た。韮山城跡の近くにある城池の親水公園の脇に出るた。後で立体地形図を見ると、確かにここまで尾根が伸びている。
 途中にどうやら江川邸(かつては江川砦)に延びる分岐があったようだが、それは分からなかった。
 ここから約600Mで江川邸へ行ける。そして反対側に行くと蛭ヶ小島とぃう看板があった。
 地図アプリで調べると真如の里までは、徒歩で15~20分位だった。私はこの距離を、山中を彷徨い一時間半くらいかけて歩いてきたことになる。

城池親水公園に出た ここから江川邸や韮山城跡に行ける
城池はため池だが、城跡をバックにすると映える

整備されつつある韮山城跡 将来的には一体が史跡指定されるかも

 韮山城は、今伊豆の国市が整備を進めているようだ。各種計画書が刊行され、測量調査も終えているらしい。今回、それなりに城跡を巡ることができたのは、どうやらこの測量調査に伴う簡易的な整備があったためのようだ。
 あまり中世の城には詳しくないが、ハイキングコースとしても整備されれば魅力的だと思う。眺望も素晴らしいうえに、歴史を知る楽しみもある。
 現在は、整備されているは言えないが、将来的には韮山城とその関連施設を含めた一帯が史跡指定されれば、よい歴史観光資源になると思った。

真如の里でのキャンプ体験の記事はこちら


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