金沢競馬の照明消灯事故(続編)

以前、この記事を書いた。
金沢競馬場の照明消灯事故について。

あえて、この記事では触れていなかった照明のタイマー設定ミスについて、石川県議会で議論されていた。

僕は記事を書いた当初から、担当職員のせいだとするつもりが無かったので、人為的なミスとなっているとは書いたが、タイマーで照明を切るのがおかしいと言及し、それ以上の明言は避けた。ある意味でこれは正しかったのだろう。

この問題で分かったことがあって、恐らくだが金沢競馬の運営に関わる人は、競馬が好きとか嫌いじゃなくて、仕事として競馬を行っていると思う。それが良いか?悪いか?というのは議論の対象にはならないが。

そして、金沢競馬事業局をはじめ工事の施工管理を行った職員たちは県庁の仕組みに染まっているからこそ、下請けが何か意見をしてきたとしても聞く耳を持たなかったのではないか?それが、事故原因であるはずなのに、末端の現場職員が悪かった・事故原因にさせられるというのは不公平だと感じる。

以前、ヤング島耕作シリーズであった話を思い出していた。県庁を辞めて家業のハツシバ営業所を継いだ2代目若社長と電気量販店の社長、島耕作と福田次長の4人で接待ゴルフ。
ハツシバ営業所と電気量販店の関係を円滑にするためのゴルフだったのに、人に頭を下げることをしない県庁の役人らしさが出て、その後の取引は縮小されたという話だったように記憶している。
県庁は下請けの意見を聞かないことは無いと思うが、自分たちが偉いんだという意識はどうしてもあると感じている。下請けから何か言ってこようもんなら、それの何がいけないの?言われた通りにやれよ。みたいなやり取りが、もしかしたらあるのかもしれない。

そういうことの積み重ねが、今回の照明消灯事故に繋がったのではないだろうか。

そして、僕は報道体制にも疑問を感じている。
「人のミスで」「人為的」と報じているが、実際のところ、そのミスは誰のせい?という話で、ミスが起きないように設計すれば良かっただけのはず。ミスが起きてしまったなら、それは設計のミスであり、管理する県のミスであろう。

タイマー設定で消灯出来ないようにしていれば良かった。メディアは起こったことを伝えるのは上手いと思うが、その本質を見抜けていないように思う。

最初から手動で消灯出来るようにしていれば良かったし、その前に設計の段階で業者の意見を聞いていればおかしさに気付けたかもしれない。
絶対に理由はある。理由はあるのに、それを黙殺して翌日から競馬開催を行ったことも、ファンの目線に立って考えたことであるとは思えない。
恐らくだが、対応策なんて考えたところでこれに対する対応は存在しない。県庁の体質が変わらない限り、競馬事業局も変わらないし、工事の監督をした県の職員も変わらないからだ。

要するに、今回のコレは金沢競馬で起きた事件だが、全国どこの競馬場でも起こる可能性がある。もう少しマトモにやれと言ってもマトモにはならないだろうから、せめて事故だけは起こさないように、仕事と向き合って欲しい。

現場の厩務員がどんなことをしているか?仕事を体験するのがいちばん手っ取り早いのではないだろうか?
現場は職員が何をしているか?
職員は現場が何をしているか?を体験して、相互理解をしなければならないのかもしれない。

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