おはらん

1974年、江戸生まれ。信州育ちの女性です。2023年8月上旬にがんの告知。非浸潤性乳…

おはらん

1974年、江戸生まれ。信州育ちの女性です。2023年8月上旬にがんの告知。非浸潤性乳管がん。ステージ0。ルミナルA。8月下旬に乳房全摘。がんを中心につらつらと感じたことや思ったことを綴っています。私の人生経験が、誰かの選択のささやかなヒントになれば嬉しいです。

マガジン

  • 乳がん体験記

    乳がん発覚から全摘、退院後の様子を綴っています

最近の記事

乳房再建の手術当日から翌朝まで

■手術の日の朝 私の手術は、午前8時15分から開始の予定です。当日の朝は、もちろん朝食なし。午前6時までに麻酔科の先生から指示された経口補水液を全て飲み終わり、絶飲食の状態で手術を待ちです。 その間、歯を磨いたり、顔洗ったりします。手術当日のスキンケアは禁止されていたので、洗顔後の顔はちょっと乾燥気味です。とはいえ、顔にクリーム類を塗ってしまうと、手術の際に貼るテープなどが取れてしまうそうなので、我慢です。 前日に担当の看護師さんが準備してくださった、術衣に着替え、着圧

    • 失った乳房取り戻すための入院

      外来での術前の血液、肺活量、造影CTの検査を終え、無事に(?)インフォームドコンセントも終え、手術前日に入院しました。 乳房全摘のための入院とは違い、心は軽やかです。 午前10時に入院手続きをし、病棟へ行きました。すぐに、担当の看護師さんが、病室へと案内してくれました。 通された病室は3人部屋。一人のスペースが広く、とても過ごしやすそうです。病室の電気もダウンライトで、雰囲気はちょっとしたホテルのよう。 担当の看護師さんから、入院生活での様々な説明を受け、レンタルした

      • 乳房再建のための入院準備

        乳房再建のための入院期間は、およそ2週間の予定。半年前に受けた乳房全摘のための入院より約1週間長くなります。 しかし、入院生活のための荷物は、ほぼ前回と変わらず。しかも、前回退院した時に、今回の入院のためにある程度パッキングして荷物をしまっておいたので楽チンです。 乳房再建の手術では、左胸とお腹を切ることになります。術後の約72時間は、2時間おきに左胸の血流のチェックが行われる予定です。そのため、今回はパジャマは持参せずに病衣をレンタルすることにしました。 なぜ、今回は

        • 乳房再建の術前検査で予想外なことが

          自家組織による乳房再建は、とても高度な技術なため大学病院での手術となります。そこで、手術前に大学病院で血液検査や尿検査、心電図や肺活量の検査をしました。 そして、手術についてのインフォームドコンセントを受けました。 私は、幸いのことに、市中病院で診ていただいた形成外科の先生が、大学病院での担当の先生であり執刀医となります。 市中病院でエキスパンダーに何度かお水をいれてもらっているので、信頼関係は出来上がっています。どのような再建方法かについては、ざっくりと市中病院での診

        乳房再建の手術当日から翌朝まで

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        • 乳がん体験記
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        記事

          エキスパンダーで飛行機の旅

          エキスパンダーへの注水も完了し、あとは左胸の拡張を待つばかり。乳房再建の手術は3月です。 乳房再建は、お腹を切って、さらに全摘の際に切った創をもう一度開けて、お腹の脂肪を入れるというかなり工程の多い手術。 乳腺外科の主治医の先生や形成外科の先生は、全摘の時より痛くないという患者さんが多いというけど、身体にはとても負担がかかりそうです。 全摘の手術後の体力の回復に、私は約1ヶ月を要しました。再建の手術は、もっとかかりそうな予感。 旅好きの私としては、エキスパンダーへの注水

          エキスパンダーで飛行機の旅

          いよいよ乳房再建の日が決まる

          エキスパンダーへの注水最終日から約2ヵ月後。 経過観察とともに、乳房再建の日取りをきめるための診察がありました。 痛みや違和感に耐えてきた左胸は、しっかりと拡張しており、特に問題なし。いよいよ、再建が出来る状態になったようです。 乳房再建の手術は、乳癌の摘出手術とは異なり、時間的猶予がかなりあるということです。形成外科の先生のお話しによると、色々と予定を加味して手術を調整しているうちに、「再建しなくてもいいかも」っという患者さんも多いんだとか。 乳房再建へのモチベーシ

          いよいよ乳房再建の日が決まる

          無の境地で臨む左胸へのお水やり

          左胸にガンがあることが発覚し、まず私が希望したことはガンの摘出です。その結果、私は左胸の乳腺を全て失いました。何もしなれば左胸はぺちゃんこのままです。それが嫌だった私は、左胸を取り戻す作戦を形成外科の先生に遂行してもらいました。 ■左胸を取り戻す下準備 左胸の乳がんが発覚し、乳腺外科の主治医の先生から提案された治療は、乳房全摘と同時に乳房を再建を開始するという方法。一次二期再建と呼ばれるものです。そして、私はそれを実行してもらうことにしました。 私は、形成外科の先生とは

          無の境地で臨む左胸へのお水やり

          桜が咲いて街が華やか。お花見したい。だけど、お腹の調子が悪い。早く治まって欲しい。

          桜が咲いて街が華やか。お花見したい。だけど、お腹の調子が悪い。早く治まって欲しい。

          乳房全摘から自信を取り戻せたきっかけ

          乳房を失ってからは、肉体的にも精神的も前の自分と比べてしっくりこない。体力も精神力もアップダウンがありすぎて、自分で自分をコントロールできない気がしていました。 リフレッシュのためにお出かけをしても、どこか重石がありました。自信を持って何かをするということができないのです。そんな状況が、しばらく続きました。 手術から4ヶ月ほど経ったある日。 洋服を買いに車でお出かけをしました。そして、いつも通りお店の駐車場に車をバックで停めようとしました。 手術をしてから、駐車する時

          乳房全摘から自信を取り戻せたきっかけ

          退院後に山に癒される信州人

          退院後の1ヶ月は、手術や入院生活で落ちた体力の回復を目指して過ごすようにしました。といえ、はやり思った以上に退院後は疲れやすく、何をやってもすぐ休みたくなりました。そして、体力ばかりではなく、精神も弱っていたようです。 身体が思うように動かないせいで、イライラが増したり、気分が落ち込んだりと落ち着かない精神状態が日に何度も襲ってきました。 何よりも、退院後の1ヶ月は、家族以外の人と会うのがとても嫌でした。私の退院を知って、わざわざお見舞いに来てくれた方もいたのに、とにかく

          退院後に山に癒される信州人

          理論上の完治を手に入れ

          乳房全摘の手術後、約30日経って、病理の結果が出ました。摘出された自分の乳房の画像を見ながら説明を受けました。 この状況、けっこうシュールです。しかし、自分の身の上に起きた出来事は、しっかりと結末まで自分の目で見ておきたかったので、画像を見ることを主治医に希望しました。 病理の結果は、術前の主治医の先生の見立て通りでした。 ステージも上がることもなく術前と同じステージ0。リンパ節の転移もなし。グレードは1。極めておとなしいがんということが判明しました。断端(だったん)も

          理論上の完治を手に入れ

          病院の帰りに見た虹は幸運の兆し?

          退院から1週間後、手術の痕を確認するために外科の外来を受診しました。 どうやら病院に対してトラウマが出来てしまったようで、病院が近づくにつれてドキドキしてきてしまいました。診察を待っている間は、心がソワソワ。胸の奥がギュッと締め付けられるような気分でした。告知、手術と病院に良いイメージがないからでしょう。 そうこうしているうちに、主治医の先生から名前を呼ばれ診察となりました。 左に胸に少しお水が溜まっていました。自然に身体に吸収されてしまうので抜く必要はないとのこと。手

          病院の帰りに見た虹は幸運の兆し?

          鏡に映る術後の自分

          入院中、チラッと見た全摘後の自分の左胸。退院した日の夜、はじめてのシャワーで、鏡に映った自分の体を正面から見ました。 チラッと見た左胸と、正面から見る左胸。エキスパンダーによって、多少膨らみがあるとはいえ、喪失感・欠損感はありました。さらに、胸の形は明らかに変でした。 素手で身体を洗うと、左胸の表面はデコボコした感じ。その上、プラスティックを触っているような感じで異質感がありました。 ショックという次元を超え、拒否感しかありません。自分で決めた結果といえ、拒否感が強く、

          鏡に映る術後の自分

          心もリハビリしちゃう理学療法士さん

          「がん」だと分かってから色々な感情が入れ乱れます。入院中は、病院という日常生活から離れた特殊な環境で過ごすため、入院前に比べれば若干穏やかに過ごせたのかもしれません。 その代わり、社会生活から隔離されている感をとても強く感じました。何とも言えない孤独感です。病気に対しての孤独感というよりも、社会生活に対しての孤独感。そして、病院の外の世界からの置いてきぼり感です。 ◆入院計画にリハビリ 主治医の先生は、術後翌日からリハビリを計画に入れてくれていました。乳がんの手術でリン

          心もリハビリしちゃう理学療法士さん

          退院1週間後の形成外科の受診。胸の皮弁の抜糸をしてもらった。お腹も胸も問題なく、順調に経過している模様。左胸はまだ腫れているらしい。腫れがひいた時のバストサイズが気になる。それにしても疲れた😮‍💨

          退院1週間後の形成外科の受診。胸の皮弁の抜糸をしてもらった。お腹も胸も問題なく、順調に経過している模様。左胸はまだ腫れているらしい。腫れがひいた時のバストサイズが気になる。それにしても疲れた😮‍💨

          退院日:お化粧の力ってすごい

          術後9日目。重陽の節句にめだたく退院しました。退院の日は、空に雲ひとない晴天。絶好の退院日和となりました。 病院での最後の食事である朝食を食べ、ハミガキをして身支度を整えました。自宅に戻るだけですが、一応、軽くお化粧をしました。年齢も年齢なので、さすがにすっぴんで帰るには抵抗があります。 日焼け止めを塗り、クッションファンデーションを塗り、眉を整え、チークを塗る。そして、最後に色付きリップを塗りました。 ひとつひとつの工程は、大したことはありません。しかし、鏡に映る自分

          退院日:お化粧の力ってすごい