見出し画像

千葉県銚子市OSUSOWAKEシンポジウムREPORT:フェーズフリーな食で未来を!

災害に強いまちづくりを目指す国内様々な地域の方々と連携した啓発活動。昨年度ご一緒した千葉県銚子市では、地域ぐるみでローリングストックを実装するユニークな取組み「共助の備蓄OSUSOWAKE(おすそわけ)」が進められていました。

地域ぐるみ&地域を越えて助け合うあたたかな支援

地域ぐるみで災害に備え、地域を超えて助け合えるようになることを目指す「OSUSOWAKE」の一番の特長は、備蓄期間中、パートナーシップ登録地域にもし災害が発生し、支援の要請があった場合、備蓄品が”支援物品”として、被災地に送られるという点にあります。
何事も起こらなければ、備蓄品は参加者の手元に。

仕組みを通じて共助の大切さを伝えつつ、「いつも」の延長線で防災について考え、地域内のみならず地域間でつながりを深めていくことを目指すーまさにフェーズフリー!がキーとなる活動を振り返り、さらに深化させていくシンポジウムにたべぷろとして参加させていただきました。

「OSUSOWAKEシンポジウム2023」
千葉科学大学危機管理学部木村ゼミ×銚子円卓会議共催

テーマ:『災害と食~いつもの食、もしもの食~』
日時:2023年11月11日(土)14:00~16:30
会場:千葉科学大学 防災シミュレーションセンター

第1部 講演
「フェーズフリーな食で未来を!

食べる支援プロジェクト(たべぷろ)事務局 須賀

第2部 トークセッション 
「OSUSOWAKEでつながる首長と語り合う!「いつも」と「もしも」の境界を超えて やさしさの連鎖へ!」

越川 信一氏(銚子市長)
向後 喜一朗氏(東庄町副町長)
西岡 利記氏(和歌山県広川町長)
伊藤 友則氏(香取市長)
木村 栄宏氏(千葉科学大学 危機管理学部長)
根本 吉規氏(銚子円卓会議OSUSOWAKE WGリーダー)
モデレーター:たべぷろ事務局 須賀

第1部では「フェーズフリーな食で未来を!」と題したプレゼンテーションを行い、災害時の食の問題を織り交ぜながら、平時に立ち返って「いつも」を見直すきっかけをつくり、日常が備えに繋がっていくことの大切さを示唆するべくご来場いただいたみなさんと「いつも」と「もしも」を支えるフェーズフリーな食とその仕組みづくりについて考えました。

災害の現場は「普段気付かずにいた様々な事柄が明らかになる場」。食においては顕著であり、普段、健康な身体をつくる食事をとっていたか? 地域で助け合えるつながりが築けていたか? 一人ひとりの「いつも」の食生活、地域社会の「いつも」の在りようが、いざという時に問われます。

フェーズフリーのメガネをかけて「OSUSOWAKE」をみてみると、多様な価値が見出されます。
さらなる拡がりの手がかりにもしていくべく、第2部で関係者間での対話の時間を持ちました。

発表したスライドより


第2部では、「OSUSOWAKE」の仕組みに参画する各パートナー地域の首長、OSUSOWAKEの仕組み構築と運営に尽力される関係者の皆さまが集まってのトークセッションで進行を務めました。

食における災害支援の当たり前を捉え直す

まず「私のまちと災害対応の特性」をテーマに、地理的条件や市民構成などを踏まえた各地域での災害対応や危機管理の取組み、チャレンジについてお話を伺いました。
また「OSUSOWAKE」の活動スタート時から、その仕組み化や発展に寄与されている千葉科学大学危機管理学部長の木村先生の視点から、この仕組みの魅力と、日常から防災意識の向上と寄付文化を醸成することの大切さについて語っていただきました。
「OSUSOWAKE」を構想し具現化を実現させたキーパーソン、根本氏からは地域に根差す企業として、民間が積極的に参加する共助の在り方について示唆いただきました。

セッションの最後にOSUSOWAKEとともに描きたい地域の未来について、各首長から発表いただいた力強い言葉をこちらにも残したいと思います。

越川 銚子市長:「おすそわけ」を銚子の文化に!
「地域の文化として根付いていくことが、災害に強く持続可能なまちづくりにつながっていきます」。平時から「健康な身体」をつくることが防災にもなるという気づきから、市民の健康を願う言葉でセッションを締めくっていただきました。

向後 東庄町副町長:習慣の定着 
習慣にしていくには、ポジティブで能動的な行動を後押しする「満足感」が大事なのではないか?と本質的なメッセージを寄せてくださいました。

西岡 広川町長:楽しい町 生き生きとした町
「OSUSOWAKE」を通じて活気が生まれることが楽しい町、一人ひとりが生き生きとした町につながるという希望を込めてくださいました。

伊藤 香取市長:一人ひとりをつなぐSynergy(協働)のまちづくり
OSUSOWAKE」が、希薄になりがちなコミュニティ内での対話のきっかけにもなり得る、ひいては助け合いの意識も高まっていくことへの期待を言葉にしていただきました。

木村先生(千葉科学大学 危機管理学部長):自助・近助・共助・公助・商助~5助=互助の精神で!~
地域経済にも資する「OSUSOWAKE」は、平時からのビジネス面においても有効だというメッセージが「商助」に込められています。常にジョークを絶やさない木村先生らしく「OSUSOWAKE」の魅力を表現いただきました。

根本氏(銚子円卓会議OSUSOWAKE WGリーダー):支援のカタチの一つ
まずは足元から。となり近所から」と根本さん。災害時には様々な支援が必要となるー専門性の高い支援から「OSUSOWAKE」のように公共性の高い誰もが参加しやすい支援もあるーさまざまあるなかで有効活用していくことが大切だとお話いただきました。

トークセッションの様子も公開されていますので、ぜひご覧ください。



「災害時の食と栄養  支援の手引き」冊子版 無償提供中です!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?