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オタクの僕は知らないうちに幼なじみを推していた!?

ピンポーン

宅急便でーす

〇:ありがとうございます


ガチャ🚪


〇:やっと届いたー!


〇:生写真って開けるの毎回楽しみなんだよなぁ


そう。〇〇は日向坂(特にこさかな)のファンであり、推しのために生写真やライブなど「趣味は?」と聞かれたら
『日向坂!』しか出てこないくらいのファンだ


〇:神様仏様小坂様

〇:当たってくだされ🙏🏼



次々と開封していき.....


〇:当たらなかった...

〇:推し運ってどうやったらつくんだろう?


〇:とりあえずコンビニ行くか

〇:たしか日向のイベントやってたし






〇:(たしか、、、たしか、、、あっt….

ゴツっ

探し物に集中しすぎたゆえ、人にぶつかってしまった


〇:(げっ 女の人じゃん😨

〇:(お金取られたりしないかな....



〇:す、すいません

?:な...あ、私が見てなかったのが悪いんや


〇:すいません....

?:そんな謝らんとって!

〇:はい


そういうとその人はその場を離れていった


〇:(なんか声が菜緒ちゃんに似てたな...


このときの〇〇は気のせいとしか思っていなかった




買い物を済ませふと思った


〇:財布の中には6000円

〇:今度こそ菜緒ちゃんの写真集のポストカード全部揃うかな

〇:(買うか...


そう。〇〇はポストカードをあと1種類だけ手に入れることができていなかった


店員:お買い上げありがとうございま〜す






写真集を衝動買いし吹き出しに『ルンルン』
と、書かれているのかと思うほど笑顔なまま
家へと帰り




〇:ど、どうかな....


持っていないのはリコーダーを咥えているポストカードだけだ


ピリピリピリッ


優しくビニールを破き


パラパラパラ


『あっ!!』

『あぁぁぁ......』


リコーダーではなくソフトクリームを持っている
菜緒だった



〇:ま〜じかぁぁあ


どこから来たか分からない『当たりそう』っという感情はウサイン・ボルトなみに速いスピードでどこかへ行った


ぷるぷるるるる

〇:なんだよこんな時にっ‪💢


〇📱:もしもし?

〇母📱:〇〇久しぶりね

〇📱:あ〜母さんか

〇📱:どうしたの?

〇母📱:それがねぇ....ついさっき仕送りをしたんだけどね

〇📱:うん (やった!これで食費浮くぞっ)

〇母📱:その仕送りの事なんだけどね

〇📱:え、もしかして着払いで送った?

〇母📱:それは大丈夫よ..笑

〇📱:じゃあ何なの

〇母📱:明後日くらいにその仕送りをもらいに懐かしーい友達が来ると思うからお楽しみに

〇📱:は?え?(日本語ってこんなに難しかったっけ?)

〇母📱:とにかくお楽しみに〜





〇:母さん頭でも打ったのかな?


ーーー


それから4日ほど経ち家に仕送りの荷物が届いた


〇:懐かしい友達って誰だろ....アイツかな..いや、隣の家のあの人かな..?



あまり検討がつかないままその日は就寝



そして次の日




ピーンポーン

〇:(誰か来る約束なんかしたっけ?

〇:(あっ!もしかして懐かしい友達かな?


誰なのかウキウキしつつドアを開けると





バタッ

あまりに非現実的すぎてドアを閉めてしまった

〇:(いまの...どうみても小坂様だったよな....


もう一度そーーっとドアを開けてみると


菜緒:久しぶりやな!

〇:ほ、ほんものだぁっ

菜緒:しーっ

菜緒:うるさくしたらご近所さんに迷惑やで?

〇:そ、そうだけど....な、なんで小坂さんが家に来たの?

菜緒:こさかさん?

〇:え?

菜緒:なんやそのよそよそしい呼び方

〇:いやだって....実際他人ですし....

菜緒:ふーん...昔みたいにはいかへんねんな

〇:はい?(むかし?)

菜緒: …..?

菜緒:もしかして菜緒のこと忘れたん!?

〇:いやいや覚えてますよ!日向坂の小坂菜緒さんでしょ

菜緒:やから気持ち悪いねんその敬語口調


グサッ


推しからの『気持ち悪いねん』ほど心に来るものはない


〇:初対面で気持ち悪いと言われましても....

菜緒:〇〇記憶喪失にでもなったん?

〇:いや、1回も入院したことないけど

菜緒:じゃあ....菜緒のこと忘れたん?もしかしてアイドルになって菜緒のこと嫌いになったん?

〇:え、あぁ、その、なんなら推しです

菜緒:へっ!? なおが推しなん!?

〇:はい

菜緒:そ、それは友達やったから?

〇:友達....?

菜緒:なんでそこでつまずくん!?

菜緒:なおと〇〇は小学生の頃から仲良かったやんかぁ

〇:(しょ、小学生の頃から仲良かったなお....菜緒

〇:もしかしてあの菜緒!?

菜緒:どの菜緒かわからへんけど多分そうやで!

〇:え?でもあの菜緒は小坂じゃなかったような....

菜緒:ふぇ?

〇:あ!そうだっ....!

〇:『こうさか』だった気がするんだけど

菜緒:こうさか菜緒なんて人おったっけ....?

菜緒: ....こうさか....こーさか......こさか

菜緒:もしかして〇〇勘違いしてるんちゃう?

〇:え、じゃあ俺は小学生の頃の友達を推してたってこと!?

〇:(たしか菜緒って中学は別々だったな)

菜緒:そーいうことやな

〇:マジかよ

菜緒:立ち話もなんやしいれてや

〇:え〜いいよ

菜緒:やった!

(なんで喜んでんだ?)




それからTheオタクと言わんばかりな部屋に連れていき



菜緒:オタクやなぁー

〇:ひいた?

菜緒:ひいてはないけどこんなにも菜緒ばっかりおったら気味悪いわぁ

〇:なんかごめん....

菜緒:オタクの人の部屋って大体こんなんなんかな?

〇:ん〜ある一定のオタクまでいくとそうなんじゃない?

菜緒:そうなんやな

菜緒:小学生の頃の友達のこと飾るってどんな気持ちなん?

〇:それいうのやめてくれ......

菜緒:だって面白ねんもん..笑

〇:やめてくれよぉ

菜緒:真面目なタイプの友達が何年か経ったらオタクやってるんやで?しかも友達の

〇:まーじで恥ずいわ

菜緒:ミーグリ来て欲しかったんやけどなぁ

〇:ミーグリって何秒かしかないじゃん

菜緒:まぁそうやけど

〇:それなら生写真買った方がいいかな〜と思って

菜緒:〇〇がコミュ力ないの認めたくないだけちゃう?笑

〇:うっ....それを言われると言い返せんな

菜緒:なおでもこんなに喋れるようになったのに〇〇はまだまだなんやな〜

〇:今は勉強できたらそれでいいんだよ

菜緒:うわぁ〜ガリ勉やぁ

〇:悪い?

菜緒:悪くは無いんやけどねぇ....もうちょっと協調性もとうや〜


〇:まさか菜緒からそんなこと言われる時がくるとは....仲間だと思ってたのに

菜緒:グループに入ったらずーっと孤独ってわけにもいかんねん

〇:そっか....

〇:(菜緒はやっぱり成長してるんだな)



菜緒:あ、そういえばさ!


〇:ん?

菜緒:仕送り届いたんやろ?

〇:うん。そっちにあるよ

菜緒:開けよ〜や〜

〇:いいけど。菜緒用のやつ何が入ってるの?

菜緒:それはね〜

…….
…….


菜緒:なおも知らん

〇:知らんのにもったいぶるな!

菜緒:そんな弱々しいツッコミいらんから開けようや〜

〇:い、いまの弱かったか...





少し傷つきながらもダンボールとハサミを持って
リビングへ



〇:開けるか

菜緒:開けて〜


〇:菜緒開けてよ

菜緒:なおはアイドルやから開けれへんも〜ん

〇:こんなときだけアイドルモードか

菜緒:うわっ....それが推しに対する対応なんかぁ?

〇: …..金村さんに推し変しよっかな

菜緒:なんで美玖なんかに推し変すんねん!

〇:”なんか”っていうなよ!笑

菜緒:なおから推し変したらライブ出禁にするからなっ

〇:まじかよ......


つい昨日までは『推し変』など1度も考えたことなかったが今となっては少しだけ推し変したいという気持ちが芽生えていた


菜緒:てかはやくあけようや〜

〇:そ、そうだな....




それからいつもとは違い丁寧にダンボールを開けると


〇:な、なんだこれ..?

菜緒:なおと〇〇の写真やな。懐かしいわ


〇:何年前だよこれ

菜緒:小学生の低学年の頃やから....10年前くらい?

〇:古いなぁ

菜緒:あれ、なんか裏に書いてあるで

〇:ん?

『なおと〇〇はあしたけっこんする!』

〇:あした!?

菜緒:あぁぁっ!思い出した!

菜緒:たしかこの頃なおがお母さんと喧嘩しててその勢いで『結婚しよ』ってゆーたんや

〇:とんでもないことしてんな

菜緒:でもこれ......『あした』の部分を『卒業後』にできるんちゃう?

〇:それマジでいってる?

菜緒:当たり前や

〇:ほん....とに?

菜緒:まぁそうでもないとチョー人気アイドルがわざわざこーへんよ?

〇:自分で超人気アイドルなんて言うのかよ..笑

菜緒:そこはツッコんでや!

〇:あながち間違ってねぇからツッコミ出来ないんだよ

菜緒:恥ずかしいからやめてや..///

〇:(わかってたくせに..)



そう呟いていると....

ピロンッ ピロンッ ピロンッ


菜緒:あ、もう1時間経ったんだ....

〇:まじか!

菜緒:次の仕事入ってるからいかなあかんねん

〇:そっか....次会えるのはいつかな?笑

菜緒:次はもちろん卒業のときちゃう?

菜緒:これ、待ってるで〜


そういって薬指を触る菜緒


〇:わかった。彼氏作ってスキャンダルだすなよ?

菜緒:〇〇こそ彼女作るんやないで?


〇:そもそも女友達いねーよ

〇:てかこんな恥ずかしいこと言わせるな!

菜緒:これで浮気の心配もないと✍️

〇: ….はやく行かなくていいのか?

菜緒:あっそうだった!

菜緒:じゃあまたね!



そういって部屋から飛び出す菜緒



〇:な、なんだったんだ....










それから数年ほど経ち菜緒の薬指には輪っかが馴染んでいたとか......




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