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経験者は語る「ちょーんと切って絆創膏」

次の組織診まで悶々…。考えないようにしたり考えてみたり。備えが必要かとネットで検索してみたり。でも周りを見ても個人差があり過ぎてわからない。ネットは検査の流れとがんのタイプと治療費だけにしよう。
で、わたしは同じマンションにほぼ一緒に犬を飼っている腐れ縁の友達がいる。そもそもは仕事で出会ったスポンサーの担当者だったのだが、気づけばかれこれ20年以上の付き合い。そしてわたしが30代後半に仕事やら転職やらで引っ越しばかりしていた時期に転居先を探してもらい、友達が住んでいたマンションの別の階へと引っ越してきたのだ。その時彼女は別れた彼氏が置いていったダックスと暮らしていた。全く犬に興味がなかった私だったけど、仕事柄昼前に帰って来るので留守番ばかりでは可哀想だと毎日一緒に過ごした…そしたら可愛かった犬は…😍感情豊かで平和主義。甘えてみたり、はしゃいでみたり、感情剥き出しでガツガツご飯食べたりと感情豊かな温かい血の通った犬に魅了され、とうとう私も運命の犬に出会った。デッカい売れ残りのトイプードルに。それ以来12年、お互いの生活時間が真逆なのを利用して夜中に友達の家の鍵を開けてプードルを寝かせ朝ごはんを食べさせてもらう。私は昼前に帰って2匹をピックアップして散歩して夕飯を食べて彼女が帰るまで2匹と一緒に寝る。という寮的なスタイルで犬はほとんどどちらも飼い主的な感じなのだ。
と、前置きがかなり長くなってしまったけど、そんな彼女が3年前に乳がんになった。会社の検診で引っかかったと落ち込んでいるいたが大丈夫だろと思っていた。私と同じクリニックで精密検査をしたところ、結果はシロ!やった!と思ったら先生はいや、提携してる総合病院でまた検査したいと…。そしてまたしてもシロ!やった!と思ったら先生が「いや、この画像でシロはない。また検査したい」と。そして彼女の希望でがんセンターへ移り検査。検査技師さんが「あ、イイトコ採れた!」と言ったらしく、結果は黒。乳がんでは珍しい小葉がんで、シコリではなく胸に点在するようにがんが広がっているのだそうだ。クリニックの先生の的確な判断とがんセンターの技術力に救われた彼女だったが、精神的にボロボロで感謝の気持ちになれる訳もなく、病院に行っては泣き、検査しては泣き、夜もベッドで泣き、どうやらカルテにはメンタル注意⚠️が書かれてあるっぽく腫れ物を触るように看護師さんたちはそれはそれは最新の注意を払って接してくれたらしい。そして入院、全摘、リンパ転移確認されまたリンパを取る入院手術。退院して放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン治療とほぼ全ての治療をして今はよく分からない最新の治療薬だけを飲んで元気に食べ飲み仕事をしている。
と、さらに前書きが長くなってしまったが、その彼女が悶々としている私に「6ミリなんてがんでもちょーんて切って絆創膏貼って終わりよ!胸の形もほとんど変わらんわ」と言った。へ?そんなもんか。そんなもんかも。ならいっか。がんでも、ま、いっか。なんか気持ちが晴れたわ。

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