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短歌 大漁旗にプラダに乳首

北山あさひを知っているか?みんな、興味がなくても読んでくれ。そんな気持ち。

短歌を読むなんてサラダ記念日以来だ。でもサラダ記念日よりもぐぐーっと胸に入り込む。夢中になるとはこのことかと思うほどに。書店に並んでいなくて「他店からの取り寄せになりまーす」と言われて3日待ったのにまだ連絡がないから、出版元のオンラインショップサイトをポチった。書店とオンラインショップからの本は同時に届きそうだ。遅いんだよぉージュンク堂!本を受け取る時には店員さんに、「これ、読みましたか?北海道の歌人ですごい賞をとったみたいですよ。サラダ記念日より面白いから1階の話題の本のとこに平積みにしてポップ立てたらいいのになぁ〜」って言おうと思う。変なやつだけど、言っちゃうな。だって本当にいいんだもん。短歌を読まない私がそう思うんだから。

---私が好きな北山あさひの短歌

いちめんのたんぽぽ畑に呆けていたい結婚を一人でしたい

美しい田舎 どんどんブスになる私 墓石屋の望遠鏡

夕焼けて小さき鳥の帰りゆくあれは妹に貸した一万円

母でなく妻でもなくて今泣けば大漁旗がハンカチだろう

あの赤いプラダの財布よかったな買おうかな働いて働いて

午前二時の鏡の中の乳首二つもうやめるんだ ハワイ行きたい

「震度7!震度7!」と叫んでる桜田そんな声が出るのか

一枚のFAX抱いて駆けて行く 字幕を作る 津波が来ると

緊急特別番組(カットイン)始まるまでのカウントをしているヒロコの声の確かさ

日本中のお天気カメラ海へ向き最初と最後を見届けようと

息を吐き、吐ききりカルテは途絶えたりそこから先はあなただけの森

「北山さん医療資格ないんだ」と斜めに言われ「ねえよ」と思う

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泣けるし、笑えるし、一緒に怒れる。こんな短い文にその気持ちを伝えているのか…。北山あさひ。大ファンになっちゃった。










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