見出し画像

デザイナーに「なる勇気」と「ならない勇気」

この記事は「ReDesigner for Student 後輩に贈るデザイナー就活応援 Advent Calendar 2023」の12日目です🎅
(この記事を書く機会をくださったReDesigner for Studentの田口さん、森内さんありがとうございます!)

はじめまして。
千葉工業大学大学院  修士2年の宮田(@QG4kW3aCVinp7XP)です。

UXデザイン研究室(@masaya21)に所属しています。
来年から、SaaS系の事業会社で「総合職」として就職予定です。

今回の記事では、デザイナー就活から総合職就活に切り替え内定を貰えるまでと、総合職に切り替えた理由についてお話ししていければと思っています。

この記事で最終的に言いたいことは「ファーストキャリアは大切だけど、全てじゃない」「就活が終わるまでに、自分がやりたいことを無理に見つける必要はない」ってことです。

とっても長い記事になってしまったので、お時間のない方は「ファーストキャリアは大切だけど、全てじゃない」の章だけでも読んでいただけると幸いです!


デザイナーを目指すきっかけ(学部2,3年)

なぜデザイナーを目指そうと思ったのか

私がデザイナーを目指そうと思ったきっかけは、学部2年で受けたUXデザインに関する講義でした。
UXデザインの「ユーザーの理想の体験そのものをデザインする」ことに魅力を感じました

その後、所属研究室中心にGoodpatchさんの協力を得て開催した「UX Rocket #02」では、運営にサブリーダーとして参加し、主に学生メンバーのマネジメントと企画全体の演出を担当しました。

コロナ禍では初開催となり、運営もてんやわんやでした。

集まった学生の方々のお話や、企業説明会を通して「なんとなく」デザイナーって楽しそうだなと思った事を覚えています。

変化する気持ち(学部4年~修士1年)

デザイナー就活ですから、当然ポートフォリオやそれに載せる作品が必要になります。

作品づくりも兼ねて、同期とVisionalさんのコンペに参加してみたり、自分の好きなアプリのUIをリデザインしてみたり、エンジニアの友人の手伝いでWeb画面のデザインをしてみたりと、ポートフォリオのために少しづつ作品をつくっていました。

変化する気持ち

これまでのアドベントカレンダーで書いてくださった方もいるように、創作が止まってしまうことは誰でもあると思います。
(とてもいい記事だったので共有させていただきます!)

しかし、私がつくる中で感じた違和感は、もっと根本的なところにありました。
「あれ?あんまりモノを作ることに乗り気じゃないぞ?」
「自分は本当にデザイナーになりたいんだろうか?というかロクに他の職業も知らないで、このまま就活を進めていいのか?」

デザイナー就活を始めることになって、ようやくデザイナーになることを疑問に持ち始めました。

自分はなぜデザイナーになりたいんだろう?自分の原動力はなんだ?

1つの作品を作るのに、ダラダラと時間をかけてしまい、全く作品つくりが進みません。結局ポートフォリオと呼べるようなものができないまま、サマーインターン選考に進むことになります。

デザイナー職以外のサマーインターン

デザイナー職のサマーインターンには軒並み落選していましたが、LINEさんの企画職2daysインターンに参加することができました。

オンラインの背景で配布されたやーつ
インターンではLINE NEWSのお題に取り組みました

インターンに参加して気付けたことが、2つ。
1つは「(自分は)デザイナーという職種に囚われる必要はない」ということです。

インターンでは、メンターさんから「ユーザーはどんな人で、どんなことを考えていると思う?」といった話がとても多かったように思います。
「ユーザーの課題を深掘りして、その解決策を見出す」という文脈においては、デザイナー以外でも同じような視座を持って取り組むことができるのだと気づけました。(最終的な成果物の抽象度や視覚的なわかりやすさは異なるかもしれませんが。)

2つ目が、「今まで身につけた思考やスキルはデザイナー以外でも間違いなく活きる」ということです。

ユーザー起点で物事について深掘りする。
考えていることについて図解してみる。
まずは視覚的に見えるように作ってみる。
人によってデザインの過程で、得意であったり好きな部分は異なると思いますが、それらは全て、他の職種においても間違いなく活きるだろうという確信が生まれました。

インターンでこれまでの学びが活きた瞬間
・「競合優位性」の話ばかりになっていてユーザーが置いてけぼりになっていない?と疑問提起ができたこと
・抽象的な話が続いた際に、figmaを使った視覚的な表現を行ったことで、メンバー間で共通認識を持てたこと

デザイナーに絞らないで就活を進めていいのかもしれない。サマーインターンをきっかけにそういった気持ちが芽生えました。
「自分が本当にしたいことは何か?」はまだ分からなかったですが、とにかくデザイナー以外でも気になった会社や職種は手当たり次第に受けてみることにしました。

確信する気持ち(修士1年 1月~3月)

デザイナーと総合職の就活を並行して進めて数ヶ月が経ち、1月になった頃です。
研究室の卒業展示の責任者として、会場選定・コンセプト・グラフィック・配信の中身など様々なことをメンバーと話し合いながら決めていました。

卒業展示「価値のカタチ展2023」
久々のオフラインでの開催となりました。

責任者として動く中で、自分で何かを作ることは少なかったですが、メンバーがモノを作りやすい環境の構築やコミュニケーションコストが低くなるように行動をしていきました。(メンバーへ:そのつもりです!)

その中で、ある種の確信が生まれました。
それは「モノを生み出す環境には、常に居続けたい。だけど、必ずしも自分が生み出す必要性はない。」ということです。
僕の周りには、ありがたいことに何かを作ることに真剣な人が大勢いると思っています。そういった人たちからはすごく活力を貰えるし、見ていてカッコいいなとも思います。

モノを作ることに情熱を注いでいる人たちが、そのことにだけに集中できる環境を作っていきたい。卒業展示の責任者を通して、そういった感情が強く残りました。
この時期から、完全にデザイナー職の選考を受けないようになりました。

就活を振り返って(修士2年 5月)

最終的に、今年の5月に現在の会社の内定を承諾することを決めました。

当初に第一志望と考えていた企業には残念ながら内定をいただけませんでした。振り返ってみると、100点満点の就活ではなかったと思います。

しかし、自分の中では最終的に納得のいく就活をすることができたと思います。それは、最低限以下の2つを実行できたからだと考えています。

とにかく動く

就活が始まると、「自己分析が…」「ポートフォリオの完成度が…」と何かと理由をつけて実際にエントリーするのを先延ばしにしがちです。
自分の中で納得のいくまで考えることももちろん大切ですが、まずは手と足を動かすことが重要だと思います。
自分としては「まだまだ内省が足りない」と思っていても、周りから見たら「よく考えている」と捉えられることも往々にあるはずです。(もちろんその逆もあるかもしれません。)

とにかく人に会う

「とにかく動く」と似ていますが、色々な人(や企業)に会っていたのも結果的に良かったなと思います。
こと就活においては、誰かの言っていることが必ずしも正解であるとは限りませんし、色々な人(や企業)と話しているだけで、自分の価値観・やりたいことが明確になったイメージがあります。
いい意味で話半分で聞き、全ての話を鵜呑みにせず「おっ、これは自分の価値観や考えに近いかも」と気づいたものを拾っていきました。

ファーストキャリアは大切だけど、全てじゃない。

新卒で自分の行きたい企業に行ける人は、ほんのひと握りだと思います。
中でも、デザイナーとして就活をすることは本当に難易度が高いことだと、デザイナーと総合職の就活を並行して進めて感じました。

だからこそ、新卒からデザイナーになることができなくても、そしてそれに葛藤することも、何も悪いことではないと思います。
もちろんファーストキャリアは大切だと思います。だけど、全てではないと思うのです。
自分のやりたいことや、ファーストキャリアに疑問を持ち続けたまま就活を進めることは何も悪くない。働き始めてから答えを見つけようとするくらいの気持ちでいいと、就活を終えた今はそう思います。

終わりに

デザイナーになることを貫くのも、そして途中で方向転換することも、どちらも勇気のいる選択だと思います。それに、どっちが正解かなんて、今すぐにわかることじゃないと思います。

この記事を読んでくださった方々が、自分が納得いく就活を進められることをお祈りしております!
僕も卒業できるように頑張ります!(卒論書き進めなきゃ…!)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?