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12月12日月曜日、ふじみ野市議会で、学習支援について質問しました。
 国は、子どもの貧困対策として、貧困の連鎖防止事業として、子どもの学習・生活支援事業を規定しています。貧困家庭で育った子どもが、成長の過程で、学力の形成が十分にできなかったり、適正な生活習慣が得られず、成人後の経済生活に影響を受けるのを防ぐのが目的です。学力に後れが出ている子どもを対象に、以前の補習のように、学習支援教室を開く自治体に、国は予算の半分を補助しています。
 ふじみ野市では、平日の夜間、市役所などで、子どもの学習支援教室として、 家庭の経済的な事情や何等かの問題などにより、学習が進んでいない中高生等を対象とした学習支援を始め、進学や進路、日常的な生活習慣に関する支援など、子どもと保護者の双方に必要な支援を行っています。

私の質問は以下のとおりです。
   経済状況により、一部のお子さんの学力形成が後れをとってしまう。このようなことは避けなければなりません。一方で、本市が学習支援事業を市役所などで行っていることはすばらしいことと思います。この現在の利用者数とこの数は十分なのかということ、そして、小学生を対象とするなど、今後の利用者拡充のお考えについてうかがいます。

市の回答は要旨以下のとおりでした。
○ 今年度の学習教室は、中学生は週2回ずつ2か所で開催し、年間実施回数は合わせて150回、高校生は1か所で週2回、年間回数は75回を計画し、昨年度より各教室15回、合わせて45回多く開催します。
○ 利用者は、80人の定員に対し、11月末現在65人が利用し、訪問学習なども取り入れ、個々の特性に応じた学習環境を提供しています。
○ 利用の定着、学習意欲や学力向上を図るため、対象世帯への家庭訪問や 
個別面談を実施し、家庭での子どもの様子を把握して保護者に対しては各種手当や奨学金制度等の情報提供を行うとともに、子どもと家族の話し合いの場をつくり、進路を拡げるサポートを行っています。4
○ 小学生の場合は、通う際の安全対策などから広域移動が難しく、身近な場所の確保など、より地域密着の支援が必要となりますが、生活困窮世帯を対象とする中で開催場所の選定などに課題があり、現状では難しいと考えています。

これを受けて、私は以下のとおり意見を述べて、再質問しました。
 学習教室の回数の増加、訪問学習など子どもの特性に応じた学習環境の提供といった施策に敬意を表します。
他方、小学生についてですが、民間の学習支援は、小学生への取組が多いように感じられます(川越の川鶴団地、石原町の本応寺、小ヶ谷の最明寺など)。また、隣の富士見市でも、今年から、「小学生サタデースクール」が複数の公共施設で市の事業として始まりました。必要性は高いと思われるのですが、この点はいかにお考えでしょうか。

市の再回答は、以下のとおりです。
○ 貧困の連鎖を断ち切るために有用な取り組みと認識しています。民間の力を活用している事例があり、本市においても民間の力の活用を図っていければと考えています。

これは、種明かしをすると、「しますか?しませんか?」と問うのではなく、「必要なものか?そうでないのか?」という問いをした形です。はぐらかす回答ではなく、必要性を認める回答をいただきました。回答者の方に敬意を表します。
 ただ、民間が主となると、市は受け身になります。学習支援事業は、実際の授業は、塾などの教育会社に任せていますが、運営は市が行うのが理想です。民間の場合は、どうしても「学習支援」というより、「子どもの居場所」という性格が強くなってしまいます。また、政治家や政治思想の強い方(政治家や政党の支持志向が明確な人)がスタッフやボランティアに入る事例が少なくないからです。今後の市の動向は注視していきたいと思います。

 小学校の早い段階で落ちこぼれとなってしまうと、その後、学力で追いつくことは難しくなりますし、友人関係や人格形成にも影響が出ることが考えられます。貧困の連鎖につながる可能性が高まります。貧困の連鎖防止という趣旨からも、小学生への学習支援は必要です。
 富士見市では、針ヶ谷、水谷、鶴瀬といった市内三か所で教室を土曜日に開催しています。土曜日であれば、夜間の交通という問題がクリアできます。また、有料制(年間約3000円)にして、生活困窮世帯には減免措置を講じるとともに、同世帯以外の児童の学習支援も行っています。こうした取り組みを高く評価するとともに、小学生への学習支援の実現に向けて努めてまいります。

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