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頑張りすぎたから分かった

「頑張りすぎ」
「もっとゆるく仕事しないと気がもたないよ」
新卒で入社した職場でよく言われた言葉。

私にはよく分からなかった。
自分では普通に仕事しているつもりだった。
なのに週1回は先輩から「頑張りすぎ」って言われる。
どうにも出来なかった。

入社して半年過ぎた頃、仕事に行けなくなった。
上司から「何か職場で嫌だったり、ストレスある?」って聞かれたけど答えられなかった。
何で体調が悪いのかが分からない。
ストレスを感じているつもりもなかった。

その後復職した私は、同期から遅れた分を取り戻そうと朝4時半に起きて勉強した。
勉強した後は、また体調を崩さないようにと、筋トレとヨガもやった。
その後朝食とお弁当を作り、その他諸々の家事を行い出社。
自分の中では完璧な朝だった。

まだリハビリ出勤中だった時、みんなより仕事していないから雑用を積極的に行った。
重いカゴを両手に持って運んでいると上司に呼び出された。
「頑張りすぎだよ」
また言われた。

今の私なら分かる。
あの時は頑張り過ぎていた。

「何で頑張り過ぎって言われるんだろう?」
昔の自分に聞かれたらこう答える。
「その職場で働いているからだよ。」
そう気づいたのは退職してからだった。

あの時頑張り過ぎたから、次の職場選びに慎重になれた。
朝は詰め込み過ぎちゃいけないと分かったから、ゆったり過ごすようにした。
頑張り過ぎた私がいたから、今穏やかに生きている。

不器用だからどうやってゆるく生きればいいのか分からない。
これから先も頑張り過ぎてしまうかもしれない。
それでも一生懸命生きようとしている自分を誇りに思いたい。

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