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「うち母子家庭なんだよね〜」って言われたら

生まれた時から父はいなかった。
母と祖父母の4人暮らし。
ずっとこれが普通だと思っていたから、のほほんと暮らしていた。

小学生の時、友達から「ましゅちゃんのお父さんはどんな人?」って聞かれた。
「お父さんいないの〜」って言ったら
「そうなんだ〜」とか「へぇ〜」しか言われなかった。
私の友達ものほほんとしているのか、聞いといて特に興味がなかったのか分からないけれど、特に気まずい雰囲気にならなかった。
私以外にも母子家庭の子がいたからかもしれない。
私も聞かれる事に対して、嫌だなとか思わなかった。
私にとっては普通のことだったから。

中学生になり、私は学区外の中学校に入学した。小学生時代の友達はほとんどいない。
そこでも「お父さんは、どんな人?」って聞かれる。
小学生の時と同じように「お父さんはいないの〜」って呑気に答えたら「聞いてごめんね。」って謝られてしまった。
初めての反応に戸惑った。
別の子に聞かれても謝られた。
その後の空気が少し気まずくなってしまった。


大人になっても「聞いてごめんね。」って言われる事が多い。
だからあまり関わらない人に聞かれたらそれとなく誤魔化して答えている。
気まずい雰囲気になりたくないから。

誰も悪気がない事は分かっている。
優しさから謝ってくれることも。

お父さんがいることが「普通」で、お父さんがいない事が「普通」じゃない。
その事実が私を突きつけた。

母子家庭以外にも色々な状況の人がいる。
結婚する人、しない人。
子供が欲しい人、そうじゃない人。
あ母さんがいる人、いない人。

私の周りにも色々な状況の人がいるから、小学生の時のように「そうなんだ」って返している。

「普通」がなくなってきている時代。
「そうなんだ」で相手を受け入れられる自分でいたい。

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