香港游記 2日目

※人名は全て仮名です!
 今日はBertさんに会う。11:00にフェリーの発着場で待ち合わせ。香港島からフェリーで九龍の方に向かって、尖沙咀でランチに飲茶をするらしい。

マカロニスープとミルクティ

 まずは朝食を食べに行くことにした。とりあえず、香港らしいものが食べたい。街に出て、歩きながらきめよう。

 エレベーターで昨日看守さんとの通訳で助けてくれたお兄さんにあった。いまから朝ごはんでも食べようかと、と言うとミルクティの美味しいお店を教えてくれた。しかも、途中まで一緒に歩いてくれた。優しい。優しすぎる。私はこの辺ですでに香港という街に惚れていた。いや、お前が惚れているのはマンションのお兄さんである。

 お兄さん一押しの茶餐廳にきた。香港のローカル大衆喫茶といったところだろうか。日本のファミレスばりにある。
 入るとすでにおじさんの座っているテーブルに案内される。これがガイドブックで読んだ茶餐廳の相席文化ってやつだ!と私はおじさんを前にちょっと喜んでいる。ベネッセ小学生だからだ。

 マカロニスープとミルクティを注文。
 ちなみに、ほとんどの茶餐廳はじめローカル飲食店(観光客向けではない店)は英語が通じない。広東語オンリーだ。メニューも広東語しかないことがあるので、常にGoogle翻訳が手放せない。


 マカロニスープは優しいお味。見た目のままのお味。見た目よりもボリューミー。
 そして、トーストとスクランブルエッグもセットだったらしい。これは予想外。急にお得感が出てきた。一度頼んでない、と向かいのおじさんにあげようとして、いやいやセットだから!とおばちゃんに言われた。これはなんか伝わった。

セントラルのフィリピン人

 さて、まだまだ早いが中環の船着場へ向かう。早くついて周りを散歩してみようと思った。

 スターフェリー周りの道には、所狭しと人が何かを売っていて、ぎゅうぎゅうのフリーマーケットだった。何やら、言葉が広東語でも英語でもない。顔つきも見てみると、東南アジアっぽい。なんとなく、彼らの言語がタガログ語で、彼らがフィリピン人であることはすぐわかった。昔、フィリピン人の先生の英語の授業を受けたり、唯一行ったことのある他の海外がフィリピンだったからかもしれない。近くのモールにはフィリピン街のようなエリアがあったり、この辺はフィリピンの人が多く集まるエリアなのだろうと理解した。が、あまりに多すぎる…。


香港の人たちと飲茶


 フェリーの発着場の前でBertさんに会う。フェリーとランチの時間までまだ時間があるので周辺を散策する。フィリピン人が多いのは、もともと香港で働いているフィリピン人が多いかららしい。さらに調べると、香港はフィリピン人のメイドさんを雇う共働き世帯が多いらしい。メイドさんたちは出稼ぎに来ているそう。そういえば、私のみたフィリピン人はみんな女性だったから、彼らも香港で働くメイドさんなんだろう。このエリアは、そんなフィリピン人のメイドさんたちが集まって、日曜日の休みを一緒に楽しく過ごすエリア。

 Bertさんは、海を前に、対岸を指差しながら、あの辺は日本でい六本木、新宿、横浜…と説明してくれた。さすが日本に精通しているBertさん。日本の都市名で例えてもらうとものすごくわかりやすい。

 ちょうどいい頃合いなのでフェリーに乗る。香港島と九龍エリアを結ぶこのスターフェリーはイギリス統治時代からの歴史ある乗り物なんだそうで、確かに細かいところを見ると年季を感じる作りになっている。

 九龍半島に着く。ランチを予約したというレストランへ向かう。モールの中にある、ハーバービューの高級感あふれるレストランだった。
 インテリアに食器に料理に、何から何まで小洒落ていて、絶対高いとこじゃん、と。ちなみに、このBertさん、社長さんなのでメチャクチャにお金持ちである。
 レストランで、Bertさんの会社の社員のSofiaさんとLinさんと合流。後からBertさんのパートナーのXiannaさんが登場。
 SofiaさんもLinさんも優しい。可愛い。Bertさんが私の年齢に近い人をチョイスしたのか、お二人とも新卒らしく、20代前半くらいだと思う。香港の美味しいご飯の話から、私が留学に興味があるといったら香港の大学についても教えてくれたし、私のことや日本のことも色々聞いてくれた。
 Xiannaさんは、全身ピンクのジャージで登場したので、最初ふしぎちゃんキャラかと思っていた。旅の中で臭豆腐(発酵臭の強い豆腐)を食べるよう勧めてみたり、「香港のパイナップルパンはどうしてパイナップルなんだろうね?パイナップルの味しないのに。」と言ったり。それで、肌がめっちゃ綺麗で、まつ毛がくるくるで、美脚。別れ際にこれからサロンに行くのと言っていたし、多分結構な美容オタクだ。
 SofiaさんとLinさんとは、後々インスタを交換し、今でもちょくちょくDMしたりコメントしあったり、やり取りが続いている。Bertさんの会社と家族で、来年北海道に来るらしい。今回の旅で会った人たちみんな来るっぽいので、その時に私もBertさん一行に会いに行きたい。

 飯がうまい、高級な味がする。
 名前もよくわからん創作料理の飲茶がたくさん。うまい、うまい。香港の優しい人たちと拙い英語で頑張って喋る。緊張していたけど、話しだすと必死だった。
 Bertさんには父から託されていた日本酒を渡した。

 そのあと、みんなで尖沙咀散策。何か買いたいものはある?と聞かれて、お土産に持って帰れるお菓子、と答えたら、インターネットで調べてくれて本人たちもわからないなーと言いながら、一緒に探してくれた。
 結局、Jennny's Bakeryという有名なクッキー屋さんに行くことになった。その時はよくわからないなと思いながらついて行ったが、後から調べると日本人にも人気な超有名店だった。

 道中で、みんなでデザートに鶏蛋仔を食べた。香港式ワッフル。
 私はもうお腹いっぱいなのでプレーンのなんもかかってないやつを食べたのだが、Sofiaさんはそれでアイスクリームをまいためっちゃすごいのを食っててすごかった。

 着いたと思って最初に入った店は偽物だった。店が人気すぎて、偽物がたくさんあるらしい。なんだこのダミー。
 今度こそついたお店が本物。すごい人。めっちゃ人。とりあえず並ぶ。
 客捌きが早いので回転率が良く、(香港のお店は異様に回転率重視)意外とすぐ自分の順番になる。店員さんの圧がすごい。注文を言え、そして去れ。「あ、あの袋も…」一ドルを分捕ると強引に袋を押し付けられ、そのまま放り出される。ひ〜。小の缶を二つ。大学のセクメ(ICU用語。英語のクラスメイト)と家に。
 買い終えると、Brianさんも大の缶を一つ買って渡してくれた。Osamuさんに、とのこと。私の父である。ちなみに、私の父は甘いものをあまり食べないが、ありがたいのいただく。
 お家で食べた感想だが、このクッキー、ただもんじゃなくうまい。サクサクほろほろ。甘さスッキリ。父もしつこくなくて美味しい、と気に入っていた。あんだけ人が集まって、偽物が作られるのもわかる。

 一度、買ったお土産をおこう、とBrianさんがお家に案内してくれた。
 お家(5星ホテル)だった。
 お家(5星ホテル)、60階。
 うーん、香港はオーシャンビュー、ハーバービューだらけだ()
 来月にはハッピーバレーの方へ引っ越すらしい。
 それで、北海道も3ヶ月滞在するらしい。
 荷物置き場に非常に助かりました。

M+

 ここで一旦お別れして、私はM+という現代アート美術館を見に行く。見終わったら連絡して、ディナーに行こう、とのことだった。

 アートはもちろん、まして現代アートなんて普段は全然見ない。M+に行こうと思ったのは、それは単に最近新しくできて、いろんな観光メディアに紹介されていたから。「地球の歩き方」の表紙を飾るんだから、香港の観光客はみんな訪れるような場所なのかと思っていた。
 M+も尖沙咀の同じエリアにある。この辺には、他にも博物館、美術館、科学館などが集まっている。
 規模はかなり大きい。一人で常設展をざっと見るのが精一杯だった。
 普段アートに親しみのない私だったが、結構面白かった。しかし、現代アートを一人で見るのはあまり向かないな、と思った。
 作品のいくつかには、「センシティブなので子供には向きません」という注意書きがあって、いくらかセクシャルだったり、グロテスク、ショッキングなものがあった。
 私はいつも映画はエログロあってなんぼで、全年齢向けの日常ものなんてつまらない、というスタンスの人間だから、同じようにアートだってそういう注意書きがあった方が面白い、と思った。しかし、見ているうちに、子供には向かない世界に没入してしまって、一人で寝なくてはいけない今日の夢に出てきそうだな、という気がしてきた。
 例えば、車椅子に座った老人たちががゆっくりと動き、壁にぶつかるのを繰り返している。(”Old People’s Home")見てるうちにおかしくなってきそう。人生の淵に落ちてしまったような気分。他にも"RMB city"もなんか怖い。子供の頃、留守番をしていた時にしんとした家に鳴り響く知らない人のインターホンみたいな怖さがある。なかなかに怖い。あとは"Lingchi"中国のマジやばい処刑法のドキュメンタリーみたいなフィルム。マジやばい。やめてよ。一人で寝れなくなっちゃうだろ。


 面白かった。面白かったんだけど、これ一人でお持ち帰りしたら眠れなくなるって方が強かった。一人でアートを吸収すると死ぬので、友達が一緒にいて、あれこれ感想をその場で言い合わないとデトックスできなくて死ぬ。次行く時は友達と来たいです。

鯉魚門

 Bertさん曰く、日本でいう築地。漁港市場だ。
 M+鑑賞後、Bertさんが車で拾ってくれて、そのまま鯉魚門へ。
 鮮魚店が立ち並ぶ。ローカルレベルMAX。理由は読めばわかる。
 本日のディナーはここのレストランである。

 まず、メニューがない。入ってからどうしていいか、まず素人はわからない。
答え合わせ。
 BertさんとXiannaさんについて、店の裏へ。店の裏には契約している鮮魚店が直結していて、生簀がずらりと並んでいる。その中から、自分たちが食べたいものを指差しで選んで、調理方法もお好みで相談しながら決める。らしいが店員さんも、Bertさんも広東語で何言ってるかわからないから、これは後から英語で教えてもらった。
 でっかいロブスターを持ってみ、と渡され、ロブスターの髭を掴んで持ち上げた。髭で持ち上げられて、そういえば人間だったらめっちゃ痛いけど、ロブスターにはその辺の痛覚があるのだろうか。

 席に戻って、しばらくすると、先ほどのロブスターが調理されて出てくる。他にも、赤貝、ミル貝、クエ、アワビ、シャコ…。日本でも高級食材だ。ほ〜お。
 そいつらを、広東料理の味付けで頂く。日本ではあんまり海鮮に味付けしないけど、こっちではいっぱい味付けするのが広東流だと聞いた。
 どれもこれも美味しかったけど、素材はもちろんのこと、ソースが上手いの何の。白米をBertさんの息子のLouisさんが頼んでいて、このソースに米が合うんだと。試しに少しもらってみたが、合う。めっちゃ合う。美味しい。

 というふうに、胃袋パンパンに高級食材を詰め込み、ランチの飲茶も含めて、私のお腹は限界寸前。

食後に出たパパイヤを見て、Xiannaさんは「パパイヤ食べるとおっぱいがおおきくなるのよ」って言ってた。そうか。

フルーツが出て、おしまいかと思ったら甘いスープも出てきた。いつまで食わせる気だ。

結局ロブスターは食べきらず、Bertさんはお持ち帰り。近くの駅まで送って貰って解散した。

パンパンの腹を抱えて、風呂に入らずそのまま寝たので翌日私は牛になった。


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