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ずっと経営者として考えていること

経営するKICONIA WORKSの第6期が終わりました。(経営者としてはこれから決算とかでまだまだですが)

会社経営をする上で、一見すると過去の成功事例を参考にしたり、重要なKPIの達成を目指したり、利益を出すことが重要と思われがちですが、私はそうは考えていません。
他人と同じことをしたくないというアマノジャクな性格だからというのもありますが、今まの経験から得られた考え方でもあります。


ビジネスは正攻法だけでは無理

よくビジネスの成功本などありますが、個人的には物語や小説のように読むことはあっても、自分のビジネスに参考にしようとはほぼ思えません。

理由は再現性がないこと、あくまで結果論だからです。
自分の今までのキャリアについてもそうですが、失敗と思える経験も多数あるもののそれをうまいこと成功の足がかりにしたりしていて、結果として成功したキャリアっぽい考え方にしていることが多いです。
ビジネスにおける成功も同じで、結果論として成功したのであって、アプローチが正しかったとは限らないし、成功は過去のものであり、この時代の流れが早いご時世では、その正攻法はもはや古くて使えないことも多いと感じます。

ただし失敗事例は半分くらいは使えるかなとも思っているので、参考にしたりもしますが、失敗も多くがくだらないものだったりしていて、本当に参考になるのは少ないなという印象です。
失敗事例は飲みながら生の声を聴いた方がいいなというのが持論です。

あとは概念のみしっかり理解するっていうのは重要かなと考えています。そこまで深く考えずに過去事例を参考にする人が多すぎて驚きます。
成功事例を真似るのではなく、その奥底に存在する概念を理解して、それを自社に落とし込む作業が必要であり、その時に自社を100%理解していることが必要です。後者が実は出来ていない人が多くてこれも驚きです・・・。

利益を出すことが営利団体としての責務

何が成功で失敗かなどありますが、営利団体としては利益を出すことは重要な責務だと考えています。

利益を出し、永続的に事業を続けられるようにして、組織のビジョンやミッション達成に向けて行動し続けるべきです。

最終的に利益を出していけば、外部から資金調達をしていくら赤字を掘っても良い、それがかっこいいという風潮も若干あるなと感じますが、それはそれは全てが戦略通りに行っていればかっこいいです。
しかしながら、プラン通りに進んでいないのに赤字だけ垂れ流して、厳しくなってきたので、またそれっぽい修正計画を作成してまた資金調達するという負のサイクルに入っているスタートアップも多いのも実情かと思います。

利益以上に重要なこともある

ここまで利益が重要だと記載しましたが、実際には利益以上に重要なこともあります。
会社経営は目標数値や指標だけでなく、重要なこともあるのです。

それは何か、それは時と場合によって異なりますが、少なくとも短期的には良くないことも長期的目線で見ると良いこともあったり、短期的な利益を重視しなければいけない時もあります。
組織とは生き物みたいなものなので、1つの角度から「こうだ」と決めつけるのではなく、多角的に見て、都度何が重要かを決めなければ、結果的に長期的な目線において成功や利益を手にすることができないのです。

この「多角的に」というのをバランスよく見れる経営者は意外に少ないのではないかと思うし、自分の周りを見ていてもそういう経営者は本当に少ないです。

短期的な利益ばかりを追っても良くない

正直自分は利益は出すべきだが、短期的に出し過ぎる必要はないと思っています。(そりゃ沢山稼げるのは良いですが)

赤字でなければ良いと思っていて、それくらいでビジネスしていたら、いつかきっとその我慢や制御が良い結果に回り巡って繋がるんじゃないかという楽観的視点でビジネスを考えています。そして、今までもこれによって自分は新たなチャレンジや収益を得ることができてきました。

再現性はないかもしれません。でも自分の中では再現性みたいなのがあって、組織が衰退するくらいの赤字や投資でなければ、やりたいことをやったり目の前の人を幸せにすることにコミットすれば、きっとそのあと良いことが起きる気がしているのです。

これは数学的に解けないだろうし、AIに学習させることも難しいものです。
だからこういう概念的なところを一緒に今の組織のメンバーと共有していきたいと思っています。(一番理解できなさそうなメンバーの集まりですが)

仕事選び

最近、おかげさまで色んなところからお仕事の相談が来ます。
それはAIの実装やプロジェクト遂行の講師の仕事もそうですし、BAR経営の話もそうだし、本業のKICONIA WORKSについてもそうです。

そして一見異なる上記の3つが実は密接に関わってて、相乗効果を出していることもあります。ここではこの効果については語りませんが、とにかくこれらの相乗効果やKICONIA WORKSで今までやってきたことなどによって、沢山仕事の話が勝手に舞い込んできます。

そうなった時、KICONIA WORKSにも限界があります。できる限りお客様の支援ができるように全力で調整したりしていますが、それでもできない場合もあります。また、なんとなくですが、受けてはいけない仕事が分かるようにもなってきたのです。

ほとんどが感覚ですが、これは大事にしなければいけない関係性だ、これは応えるべきではない関係性だ、といった感じで多少仕事を選ぶようになってきています。これは一見お高く止まってるとも思われがちですが、そうではなく価値観の違いによって、結局仕事を始めてもお互いが嫌な気持ちになってしまうのではないかと思うからです。

KICONIA WORKSの仕事の進め方、価値観にある程度共感してもらったり、我々がお客様の本質を理解できなければ信頼感を持ってビジネスをご一緒にできないと思うのです。

だからこそ、勇気を持って断ることをしていきたい。
今までは目先の利益のためにやっていたこともあります。
これからはそういった利益には固執しない、多少痛手を被ることだとしても長期的にプラスになることには積極的に取り組む、やるべきことでないことはやらない、これを徹底していきます。

結果論として、それによってメンバーが楽しく仕事できたり、お客様が喜んでくれる、そういう環境ができてくるはずです。

最後に

GIVE AND TAKE です。
GIVEだけしてると心配に思われますが、きっとTAKEがあります。
GIVEだけしてもTAKEがないであろう仕事はなんとなく分かってきました。

これが経営者のカンってやつでしょうか。
再現性はありません。真似はせずに。でもこういう概念・考え方は参考にできると思ってます。
ちなみに事例や細かいルールなどを気にする人はまだまだだなと思ってしまいます。(10年前くらいの自分がそうだったように・・・)
やはり何故その思考なのか、物事の裏側には何があるのか、本質を見極めて概念を理解するようにすべきです。そういう人が経営者に向いてるんだなと感じる今日この頃、そしてそれができない人は優秀であっても経営者になるべきではないとも思ってしまいます。

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