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#5 中小企業診断士と営業

こんにちは。あっという間に2023年も終盤戦ですね。
毎年この季節になると、「残りあと1か月半でどのくらい追い込んでラストスパートかけられるか」とついつい仕事に熱くなってしまいます。

そんな季節の口火を切るべく、中小企業診断士としての活動として、先日デュッセルドルフで行われた展示会に行ってきました。

目的は、お題の通り、診断士として”営業”を行うためです。
日系企業はもちろん、市役所やJETROなど公的機関も多く参加していたので、色々な方と話をして今後の活動の足掛かりにしていきたいという狙いがありました。いわゆる飛び込み営業というやつですね。

経営コンサルタントで飛び込み・・?と思われるかもしれませんが、私の場合は何の組織や協会にも属していないので、誰も斡旋や派遣してくれません。身一つ、頭一つで全て決めていかなければなりません。
そもそもどんな会社・仕事に限らず、ビジネスの根本は営業だと思っているので、今後、どんなに軌道に乗っても泥臭い?営業活動はついて回るものなのかなと思っています。

はじめての投稿のときにも書いた気がするのですが、私は、このnoteで成功も失敗も包み隠さずこのnoteに残していきたいと思っています。今日のお話は「THE 失敗」という内容です。


そんなこんなで、様々な企業や官公庁に飛び込みでバシバシお話をしていきましたが、結果として、誰一人関心を示してくれる方はいらっしゃなかったです。やっぱり現実はそう甘くはないよなー、と思ったのが正直な感想でした。同時に、中小企業診断士としての営業と、これまで自分がやってきた営業との間には明確な違いがある、という気づきがありました。これは自分にとってすごくポジティブな発見でもありました。

私は自己紹介でも書いてきた通り、社会人になってから化学メーカーの営業としてキャリアを積んできました。プラスチックやカーボンを国内外のお客様に提案し、買って頂くというお仕事です。担当製品は何回も変わりましたが、製品が違えど、この流れは概ね同じです。
診断士の営業も同じだろと高を括っていたのですが、実際にやってみると全然違う感覚でした。

何が違うのかははじめ漠然としていて分からなかったのですが、冷静に振り返ってみると、診断士のサービスは「無形」であるという違いに気づきました。

これは当たり前といえば当たり前なのですが、診断士として私が提案するのは、経営診断や海外進出支援などいずれも目に見えないものです。一方、これまで取り扱ってきたのは、化学製品という目に見える「モノ」です。
この違いって意外に大きくて、広がりや自由度が前者の方が格段に大きい気がするのです。もちろん、これはどっちが良い悪いといった話ではありません。

化学製品であれば、スペックや用途、発揮するメリットがある程度計算できたり、乱暴な言い方をすれば、”天井”が決まっている訳ですが、後者の場合は、例えば経営診断と一口に言っても、サラッと財務諸表を分析するところから、がっつり顧問として財務課題に取り組むまで範囲がものすごく広い、下手したら無限大。なので、受取手からすると、ぱっとイメージが湧きづらく、「結局このサービスって何ができるの?」と陥りやすい感じがしました。それは提案する側にとっても同じで、診断士としての営業はじゃじゃ馬、自分のサービスなのに、何か得体の知れないものを営業する難しさを強く感じたのでした。

普段の営業活動では、この製品にはこういうメリットがあって、価格はこのくらいで、とスラスラでてくるのですが、診断士として自分のサービスを営業すると、とっさに相手に刺さる提案や発言がびっくりするくらいでてこない。
自分のサービスの完成度と具体化に課題を抱えていることに気づくとともに、改めて自社製品が長い時間と実績を経て、いかに洗練されているのかを図らずも実感しました。
診断士として長いこと実績を積んでいけば、だいぶ状況は変わると思うのですが、駆け出し診断士にとっては、これらの違いが大きな壁となって立ちはだかりました。

結論としては、全然うまくいかなかったわけですが、悪いことばかりではなく、今の自分にとって足りないことが明確になり、理想と現実のギャップを埋めるには、今後こういうトライをしていけばいいのかも?というアイデアがちらほら浮かんできたので、このタイミングでチャレンジしてよかったと思っています(そう思わなきゃやってられないという事情もありますが笑)。

こういうことって、頭の中でどれだけ精緻にシミュレーションしても不思議と降りてこないもので、生身の人間同士で話して交流するから生まれてくるものだと思っています。そういう意味でもやっぱり”営業”というのは面白いなあと実感したところでした。

それでは!

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