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#2 崖っぷちドイツ語体験記@ゲーテインスティテュートDüsseldorf

こんにちは、前回の投稿からまた時間が空いてしまいました。
今回はタイトルの通り、前回の続きです。そろそろ診断士の記事を出せよ!と思われている方がもしいらっしゃったらすみません。。笑

10月は、日本からの出張者の対応や、診断士としてお世話になっているパートナー会社さんとの打ち合わせやらで地味に慌ただしくしていたのですが、とにもかくにもゲーテに始まりゲーテに終わった1か月でもありました。

10月頭から始まったドイツ語講座全8回に関するレビューをお伝えします。
実際には12月まで続くのですが、11月は出張などで半分くらいしか参加できないため、まずは一区切りということでお送りいたします。

前回の投稿はファーストインプレッションとして、
・日本人はおろかアジア人すらいない、超絶アウェー
・双方向のやり取りが中心、油断するとあっという間においていかれる
・クラスメートは超ハイレベル、圧倒的最下位からのスタート
とお伝えいたしましたが、1か月走った後の感想としてもこの印象は変わりません。依然ぶっちぎりの最下位です。

表向きには、「逆境を逆手に頑張る」と意気込んでいたものの、正直、授業のある火曜日と木曜日は毎回憂鬱で、会社の同僚からも心配されておりました。しまいには季節の変わり目(欧州は気温、日の長さも尋常じゃないくらい一気に変わる)も重なって体調まで崩し、耳に鍼を打って授業に参加するありさまでした。余談ですが、ドイツの鍼は横になって背中とかにぶっ刺すあのタイプではなく、ピアスみたいな1,2mmくらいの小さい鍼を打って埋め込むのです。そのままお風呂や運動もできて、何日か経つと勝手にポロっと取れます。しかも純金でできているので、クリニックに返すと数ユーロではありますが換金もできます。私の場合はうっかり忘れて捨ててしまいえらく妻に怒られました。笑


見かねたローカルスタッフが、「ドイツ人が見てもこのレベルは難しすぎる!1個レベル下げてもらえ」とアドバイスをくれたのですが、「確かにそうだよね」とか言いながら、それだけは絶対にしない、と心に決めてました。
学校や先生から下げなさい、と言われたら素直に従うのですが、自らレベル下げますというのは自分の中での矜持が許さなかったといいますか。負けが込んでるからシーズン途中で下のカテゴリーに降格します!っていうサッカーチームがいますか、という感覚だったのです。
もちろん、身の丈に合ったレベルの方が効率性や効果が優れる側面もあることは理解しているのですけどね。。

そんなこんなで1回1回踏みしめていった感じなのですが、徐々に授業に平常心で臨めるようになった感じもいたします。
それこそ最初はクラスメートの顔すらみれず俯きがちでしたが、軽く話しかけたり、質問ができるようになったり。

ゲーテは、授業2.5時間のあいだに15分の休憩があるのですが、その時間はほぼ100%の生徒がソファーのある広場に移動します。その間、談笑したり、お茶を飲んだり、いわゆる交流の場になるのですが、私はそこを突っ切ってほの暗い図書スペースで一人、読めない新聞を読んだりしておりました。最近は、同じく孤独そうな(失礼)フランス人を見つけて、「Wie geht es?(調子どう?)」と言える程度にはなってきました。

授業は相変わらず高速ドイツ語の応酬に2.5時間耐え抜くのが基本ですが、今何をやっているのか、基本的な流れはだいぶ理解できるようになってきました。

そんな最中、私のほのかな手ごたえを木っ端みじんに吹き飛ばす出来事が起こりました。
10月最終盤に差し掛かってきた頃、毎回授業の最後に宿題が発表されるのですが、その日の宿題は、「同じテーブルのクラスメートとあるテーマを調査して次の授業でみんなに発表する」というもの。
これまでの宿題は、テキストの問題集を解くとか、ドイツ語でメールを書いてみるとか、個人完結型だったので、落ちこぼれでも挽回の余地があったのですが、この宿題は今の私にとっては次元の違う難題でした。しかもその時のチームメンバーが、なぜこのクラスにいるんですかレベルの半分ネイティブみたいな子だったので、余計に強烈な試練となって襲い掛かってきました。

ドイツ赴任以来最も憂鬱な週末に、テーマである「ドイツにおけるJazzの歴史」を調査し、発表原稿を作り、私の低レベルドイツ語文章をChatGPTとやり取りしまくってブラッシュアップし、10月最終日に本番を迎えました。

今振り返れば、別になんてことはない話なのですが、色々ブルーになっていた私には途轍もない試練に感じ、「今日だけはさぼりたい」と思う悪魔の自分と「今日逃げたら全て台無しだ」と叱咤する天使の自分が死闘を繰り広げているうちにあっという間に若者たちがハロウィンに浮かれる当日を迎え、授業がスタートしました。

結果としては、チームメンバー3人中、半分ネイティブさんはまさかの欠席、もう一人も「なんか色々準備してるみたいだし、全部あなたに任せるわ」ということで私一人が発表してまばらな拍手とともに数分で終了しました。

他の人からすればなんのことはない、ちっぽけな出来事ではあったのですが、私としては、涙が出るほど嬉しかったことが強く印象に残っています。ただし、ド頭に全てをかけていたせいか、あまりの嬉しさのせいか、その後の授業は全く頭に入ってこず、何度も授業に追いてかれておりましたが。。笑


途方もなく長かった1か月を終えて、
・そんなに簡単にころっと状況は変わらないが慣れてはくる。
・このコースで本当に成長できるかどうかは1か月では判断できないが、少しずつ進歩している気はする。
・普段の生活におけるドイツ語はゲーテに比べれば全然わかりやすいと感じるようになる。ついでに言えば、英語でのやり取りも「ゲーテに比べれば楽勝じゃん」と思えるようになる。
上記が素直な感想です。

一時はドイツ語がキライになりかけた感もありましたが、ひとたび山場を乗り切ればそんな感情はどこ吹く風で、残り2か月も精一杯頑張ってみようと思えるのでした。

色々謎多きGoethe Institutではありますが、興味関心ある方の中で空気感やイメージが膨らめば幸いでございます。

質問などありましたらお気軽にお問い合わせorコメント頂ければと思います。


それではまた!









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