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【資金調達対談】グローバル・ブレイン✕有安伸宏が語る「ミチビクの可能性」

”コーポレートガバナンステック”で「経営を、あるべき姿へ導く。」ミチビク株式会社では、グローバル・ブレインが運営する「フコク CVC ファンド-THE MUTUAL for Next 100-」及び「農林中金イノベーション投資事業有限責任組合」並びにアニマルスピリッツ、DIMENSIONを引受先とした第三者割当増資により、3.5億円の資金を調達しました。

今回は、ファーストラウンドでミチビク株式会社に出資してくださった有安 伸宏 氏と、当ラウンドで出資してくださったグローバル・ブレインから新井 辰徳 氏に参加いただき、出資を決めた背景や、ミチビクがチャレンジするコーポレートガバナンステック領域の可能性について聞いてみました。

解像度が高く、顧客の課題への刺さり具合がすごいサービスだと感じた

ー それぞれ異なったフェーズで出資いただきました。有安さんには、お会いして1週間ほどで出資の判断をいただきましたが、決め手はどういったところでしたか?

有安 伸宏 氏(エンジェル投資家)
ユニリーバ・ジャパンを経て、2007年にC2Cマーケットプレース事業を創業。2013年に同社の全株式をクックパッドへ売却。2015年にTokyo Founders Fundを共同設立。米国シリコンバレーのスタートアップへの出資等、エンジェル投資も行う。投資先はマネーフォワード、キャディ、カンムなど、日米約130社。慶應義塾大学SFC卒。

有安:私は市場領域が正しいか、良い経営者・経営陣か、この2点で投資するかどうかの判断をしています。

まず領域が正しくないと、どんなに頑張っても難しい。その点で、中村さんの経験と取り組む領域のフィット感もあり、かなり自信を持って短期間で意思決定させてもらいました。

私自身、会社を上場企業に売却して、上場企業グループの子会社社長として3年ほど取締役会の運営に携わっていました。参加者のハンコを集め、それをファイリングして金庫に入れて保管する作業をはじめ、取締役会議事録の作成も経験しています。

ITを積極的に活用する企業でも、ハンコや印刷が当たり前。単純な取締役会運営という部分でさえ、こんなにもアナログなんだ…ということに、とても衝撃を受けたのを覚えています。

DXが必要な領域だと、一ユーザーとして強く感じていましたし、需要は見えています。あとはこのDXの波が、この先3年で起こるのか、5年なのか、その時間軸のリスクだけ取ればいい投資だと思っていたので、判断しやすかったですね。

ー 新井さんはいかがでしょうか?

新井 辰徳 氏(グローバル・ブレイン株式会社)
2022年にGBに参画し、多種多様なテーマ・領域のスタートアップの投資・支援業務に従事。前職の日本政策投資銀行では、中堅企業向けのメザニンファイナンスやバイアウト案件におけるPEファンドとの共同投資、ファンドへのLP出資等、様々な形での投資業務を担当。

新井:私たちも有安さんのお考えと同様に、マーケットや経営陣は投資検討時に重要視しています。これまでの法規制の関係もあり、日本のコーポレートガバナンステック領域は、海外、特に欧米と比べると、まだまだ遅れているなと痛感しています。ただ、これは決してネガティブなコメントではなく、DXがあらゆる業務で浸透している昨今ですら、まだまだこれほどまでにDXの余地が広がっている領域が存在しているのは興味深く、そのマーケットの先行者としていち早く覚悟を持って勝負されるのは非常に魅力的だと感じております。

もう1つ当ラウンドのご出資の際に魅力に感じたのは、取締役会プラットフォーム「michibiku」に対する利用顧客の反応の良さです。複数の利用顧客に個別にヒアリングさせていただきましたが、ワンストップで何でもできる・年齢属性問わず初日から誰でも使いやすい・過去資料の保管と閲覧が極めて楽になった・複雑な運営業務の引継ぎに悩まなくて済む等、取締役会に関わる現場の皆様の声から本当に必要とされていて、かつ根強く定着していくプロダクトだと強く感じました。

そのような顧客の現場の皆様への刺さり具合と、そこからの横展開・縦展開の可能性を感じたのも、ミチビクを推していきたい、ぜひご支援させていただきたいと思った大きな決め手の一つでした。

日本もいずれグローバル水準でガバナンス強化を求められるようになる

ー コーポレートガバナンステックは、ニッチだと捉えられやすい領域ですが、今後の可能性についてはどのようにお考えですか?

有安:最近、中古車販売業界など、様々な不祥事がメディアを賑わせたり、PBR1倍以下の会社はこれを是正せよと東証からオフィシャルにアナウンスがあったりと、コーポレートガバナンスや資本効率改善に注目が集まっていますよね。

何らかの地政学的イベントが起きない限り、市場のグローバル化は今後も進み、世界はフラット化していくはずです。日本市場へもグローバル・マネーはどんどん入ってくるし、その逆も然り。基本的には、日本のコーポレートガバナンスもグローバルで求められる水準へ近づいてきていて、それが何らかのネガティブなイベントをトリガーにして、数年、遅くとも5年以内には、ガバナンス強化の圧力がグッと大きくなると考えています。 その結果、ミチビクが取り組んでいるボードポータル(取締役会DX)と呼ばれるクラウドサービスの必要性が、より明確になるはず。

DXが進みやすい領域、進みづらい領域があると思っていて、多分取締役会の領域は簡単には進みづらかった。ただ、意思決定こそDXを先に進めるべきだろうと考えています。
目に見えないコストが莫大にかかってる、本当に。その給料および報酬が大きい人たちの時間がすごいかかってるし、何よりも意思決定におけるレバレッジが大きい。ただし、見える化されづらい領域は、必要にも関わらずDXが進みづらいですね。

michibikuの導入企業の推移を考えても、ミチビクはコーポレートガバナンステック領域の日本のリーディング企業として市場を牽引する側になれるんじゃないかなという強い期待を持っています。

新井:まず、michibikuの取締役会DX単体で考えると、有安さんの仰るように、今後そう遠くないうちにガバナンス強化に対する一層の機運の高まりを受けて、多くの大企業がいわゆるこの種のボードポータルの導入をより真剣に検討し始めると感じています。

また、そのような中で、株式会社パソナグループをはじめ、すでにエンタープライズでの導入が順調に進んでいますので、ネガティブなイベントに由来するのではなく、michibikuのサービスの良さを起点として、自発的にガバナンス強化の必要性・取締役会DXの利便性が世間へ広がることも期待しています。

さらに、もう少し広い枠組みで、取締役会に限らずコーポレートガバナンス全般で考えると、一つの不祥事が取り沙汰されやすい、そして企業運営に与える影響力が大きくなっている時代だからこそ、そうした予想外の事態をいかに防ぎ、いかに速やかに軌道修正できるか、迅速かつ抜け漏れないリスク管理と意思決定が求められるようになると感じています。

コーポレートガバナンステックはDXの進みにくいニッチな領域と思われやすいですが、顧客の企業規模・領域問わず、経営上極めて重要なイシューと向き合う、裾野の広い領域と感じております。

顧客と向き合い、一歩一歩適切に前に進むことができるチーム

ー 第三者から見て、ミチビクの組織はどのようにうつっていますか?

新井:中村さん(CEO)、渡部さん(COO)、金杉さん(CTO)の経営陣3名とこれまで沢山会話させていただきましたが、彼ら3名の構成のバランス感が非常に魅力的だと感じています。

コーポレートガバナンスというニッチな領域ですが、中村さん・渡部さんがこれまでのご自身のご経験から、現場の課題と非常に解像度高く向き合っていて、そのソリューションを金杉さん率いるシステムチームが使い勝手よく、またセキュリティ対策も万全な状態で迅速にプロダクトに落とし込んでいく。このフェーズのスタートアップで、ここまでの布陣は魅力的だと思いますね。

もちろん魅力的な部分もありますが、この勢いのある今だからこそ人員拡充含めてまだまだチャレンジしてほしい点もあります。ただ、いずれも前向きな伸びしろとして弊社もお力になれればと感じています。

有安:私は、一番最初の資金調達ラウンドで出資させていただきましたが、そこから約2年、起業家として中村さんの成長を横で見ていて、とても嬉しく感じています。

エンジェル投資家として、これまで1000名以上の起業家と会ってきました。これだけの人数とお会いしていると、起業家のパターン分けができてくるんです。たとえば、すごい山っ気のある起業家もいれば、真面目でしっかり積み上げるのが得意な起業家もいる。中村さんは、極めて典型的な真面目なタイプの起業家の印象でした。一歩一歩、着実に進めることができるタイプ。

昨今の環境下で資金調達のハードルがあがっています。今回もなかなか大変だったと思うんですよね。周りを見てみても、調達に苦労している企業が少なくありません。

そんな中でも事業成長、事業進捗のコマを進められたのはすごいこと。自信を持てることだと考えています。

領域を牽引する、創る存在になってほしい

ー 最後に、ミチビクへの期待のコメントをお願いします。

新井:コーポレートガバナンステックは、いわゆるリーディングカンパニーがいない領域だと思っています。いち早く、この領域を牽引するスタートアップとして名を馳せて欲しい、これが一番の期待です。

ミチビクには、それができる市場環境や、プロダクトの準備が出てきている。あとはマーケットの急拡大を如何に自ら創っていくか、そこだけだと思います。

その実現に向けてグローバル・ブレインも伴走したいと考えています。

有安:個人的に期待したいのは、時代にマッチした市場で今後拡大が見込まれるから、そこでいい感じにシェアを取ろうとか、そういう小さなところに閉じないでほしいですね。

市場におけるかなり強いリーダーシップが期待されてるし、その強いリーダーシップを発揮する余地もある。
コーポレートガバナンステックのスタートアップがほとんどないからこそ、この市場を俺らが創ってくんだよと。俺らが市場を創って、次世代の取締役会のスタンダードを創っていくんだよぐらいの気合で、チャレンジしてもらいたいと考えています。

中村:有安さん、新井さん、本日はありがとうございました。

ミチビクでは創業メンバーを積極採用中です!

私たちは、総勢20名程度(エンジニア多め)の組織で、まだまだスタートアップど真ん中。これから本格的にチームを創っていくフェーズになります。「経営を、あるべき姿に導く。」というミッション実現には、まだまだ仲間が足りず、下記の職種を積極採用中です!

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