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ひとり駐在とは

私自身は海外での所謂ひとり駐在員である。
つまりスタッフは全員現地のベトナム人、上司もベトナム人で日本人というか外国人は自分だけ。

駐在員を含め日本人によく言われる「いやーそれ大変だね、大丈夫?」という部分について実際のところを書いていく。

ただこれは完全に業界や職種、その会社の組織によって全く異なるので、あくまで個人差が大きく、運が悪いと精神的に病んでしまってギブアップ宣言、からの帰国というケースも珍しくない。

幸いにして私の場合は、自分が向いていたのかどうなのかは現役のいまでも分からないが、正直言って全く辛いこともなければ仕事がしんどくてもう無理!ということもない。自由にそして楽しく日々過ごしていて、辛いと思ったこと皆無ではないが、殆どと言っていいほどない、というか記憶にない。

たまにはこんなところで仕事することも。

ここハノイは四季があるといっても日照時間が短く11月から4月くらいは、ずーっと曇り、朝から晩までずーっとガスっていて太陽の光がほぼ入ってこない。1年間過ごして耐えることができれば、身体も順応するので問題ないだろう。
光合成もできないとよく言うが、人間も太陽の光を浴びないと体内時計や睡眠障害、元気がでない、鬱っぽいというのはよくある話で、何もしてないのに「疲れた」「なんかテンションあがらないな」「やる気が出ない」という会話はそこらじゅうで聞こえる時期でもある。

11月の朝の風景
11月の空気はめちゃくちゃ悪い、世界ワースト1位のときも。

ここで重要なのが(対面での)会話である。一人駐在は常に日中の仕事ではひとり日本人(外国人)であり、もちろん英語能力も必要になるが、言語なんてものはただの手段であって目的ではないので生きていく上ではそこまで重要ではない。TOEICが900点だの何だのなんてものは全くどうでもいい。

英語でも日本語でもいわゆるコミュ力がひとり駐在では最も大事な能力といっても過言ではない。周りと会話すること、日本人でも外国人でも現地人でも信頼できる、腹を割って話すことができる友人、顧客を早い段階で獲得できるかどうかということに尽きる。

郊外ではこんな光景も珍しくない

これは何もプライベートに限った話ではなく仕事のうえでも重要になってくる。当然ベトナム国内だけで仕事が完結するわけではないので、会ったことも話したこともない相手と突然オンライン会議や商談もぶち込まれることもあり、またそういった相手といきなり会食に放り込まれることもある。

その際に臆さず自分を表現し対応できるか、胸を張って(はったりでもいいので)堂々とできるかがひとり駐在として3~5年やっていけるかどうかのKeyである。

駐在ガチャという言葉があるが、結局はそれは自分の持つ何となくのその国のイメージに過ぎない。

いい国とそうでない国の違いは誰かが決めるのではなく、決めるのは実際に住んでみて働いてみて様々な経験をしたその本人が決めることだ。

ひとり旅もひとり呑みもお好きなときに。

他人から聞く情報を鵜呑みにせず、「まずは経験してみよう」という好奇心や興味、こういうものが強いひとであれば、過酷な(イメージの)ひとり駐在は、気楽なおひとり様駐在へ変えることができるだろう。



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