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酒井順子連載「あっち、こっち、どっち?」

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築地本願寺新報に掲載中のエッセイストの酒井順子さんの連載です。気になるふたつの言葉を取り上げて、紹介していきます。
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記事一覧

お店に「さん」はつける? つけない? 関東と関西の文化の違いを考える

大人になってから京都に行った時、京都の人がお店の名前に「さん」をつけて呼んでいるのを聞…

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社内恋愛はもはや大罪? 変わりつつある「自然な出会い」の定義

 マッチングアプリで出会って交際や結婚をする人が、急激に増えています。数年前までは、アプ…

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「満」や「密」な状況がもたらす、濃厚な時間もある

 このゴールデンウィークに、浅草に行く機会がありました。久しぶりに行動制限の無い大型連休…

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「あげる」行為は楽しいが、時に暴力的でもある。

 近所のおばあさんの家に行くと、いつも必ず、持っていった物以上の何かを持たせてくれようと…

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年下と年上、どっちと話すのが好き?

子どもの頃、私はいわゆる「おばあちゃんっ子」でした。父方の祖母と同居していたのですが、…

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「自分は中身が薄い人間だ」と感じても、落ち込まなくていい

 かつて、会社員の友人と悩みを話し合ったことがあります。 「何だか自分が、ペラッペラな人…

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ショートケーキを食べるたびに感じる、深い孤独感

 実は、ショートケーキが苦手です。  絶対に食べられないわけでもないし、アレルギーというわけでもありません。ただ、子どもの頃から何となく好きではなく、自分からは決して手を出さないし、人生の中でこれからずっと食べなくても平気、という程度。  しかしショートケーキが好きな人は、世に多いものです。と言うよりもたいていの人はショートケーキが好き。  「ショートケーキが苦手」という感覚は、子ども時代の私を大いに悩ませました。それというのも小学生の頃、友達の家で開かれるお誕生会にお

年をとるのは悪いこと? 「年を重ねる」という言葉に抱く違和感

「年をとる」という言い方を、あまり耳にしなくなりました。今、「年をとる」の代わりに便利に…

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能登半島地震で考える「孤立」の意味

 元日に石川県能登地方を震源とした、大きな地震が発生しました。能登半島好きの私は、珠洲に…

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人生は努力次第。でも、そう言われる苦しさもある

 京都でタクシーに乗ったところ、降車の時に運転手さんから、 「四つ葉のクローバー号、ご乗…

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世の中には「軽薄な人」がいてもいい

 若い頃の話。毎朝、彼に手作り弁当を届け、誕生日には手編みのセーターをプレゼントするよう…

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「太った?」 という発言が与える、強烈さ

  久しぶりに会った老紳士に、開口一番、 「おお、太ったね!」  と言われました。その瞬間…

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縦書き派、横書き派。あなたはどっち?

 この原稿を書いている時、パソコンのディスプレイ上に、文章は横書きで表示されています。こ…

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「自分がどう見えるか」を考えない人は、損をする?

暑いのはつらいけれど、着る物を考えるのは楽な夏。冬のように、寒くないようにしつつ着ぶくれせず、かつ少しはおしゃれに見えるように……といった複雑さはなく、上と下が合ってさえいれば何となくOK。着替えも素早く完了します。    しかし若い頃と今とでは、夏の服装に関する考え方が、少し変わってきました。若い頃は、暑いのでとにかく肌を露出して、少しでも涼しく感じられる服装をしたものですが、大人になると「涼しい服」というよりは「涼しげな服」を着るようになったのです。    「涼しい」