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写真を撮る意味は「誰かが気づかなかったステキの可視化」

絶対知ってるのにやっぱり知らないものみたいに見える!面白い!嬉しい!ありがとう!

私の中にある、宝物のひとつ。
この言葉があるから私はいられるのかも、と。

今回の話は写真の持つ意味や役割の”ひとつ”。
現代アートやジャーナリズムにおける写真の役割とは別だし、別の楽しみ方をしてもいい。
でも私にとってはコレ、だからシェアしたいのです。

普段見慣れた光景の再発見

去る3月の頭。
大好きな友人に会うため八戸まで足を運びました。
その時のドタバタ劇はそれはそれで記事にしたので読んで。

記事の最後に書いた東北弾丸旅行のときの話。

天気の悪かった東北新幹線

青森に降り立った私は、関東圏では馴染みの薄い雪景色が新鮮に見えたのです。
まぁもともとスナップが好きでよく撮っているから撮っているというのもあるのですが。

雪を路肩に集めた風景は雪国ならでは

あとは自分の好きな人が普段見ている光景ってなんか愛おしく思えて。
街のステキを、写真撮りの目線で、私なりのスキに落とし込みたいという自然に湧く気持ち
で撮っていました。

なぜ撮るのか

漠然としているけど、写真で悩んだときに誰しもいきつく問い。
なぜ撮るのか。
たぶん正解は無くて、なぜ自分は自分なのか、みたいな問いに直結するのだと思いますけど。

私の場合は理由があったりなかったり。
そこに美しさやステキ、感動を覚えたから撮る。
SNSのみんなが好きそうな画だから撮る。
コミュニケーションとして撮る。
何も考えず撮る。

私が取り組んでるのはシュルレアリスムでなく抽象表現主義でもない、現実をどう捉えるかというだけのシンプルな写真。
だとするとたとえ何も考えず撮っていても、意識してカメラを持っているのであれば、そこには何かしら自発的な快楽や感情の動きがあるのです。
写真という媒体はそれを可視化する手段であり、カメラはそのための装置です。

雨で湿った街の赴き

そして写真を撮り続けることによって、「これいいな」の感度が上がっている実感があります。
ありがたいことに私の「これいいな」に共感してくださる方も数多くいてくださって、方向性を見失わずにより感覚が研ぎ澄まされいく。
一葉一葉が積み上げの結実だと思うのです。

誰かが気づかなかったステキの可視化

かの写真家、ソール・ライターは

私が写真を撮るのは自宅の周辺だ。神秘的なことは、馴染み深い場所で起こる。なにも、世界の裏側まで行く必要はないのだ。

と述べています。
絶景を撮るのは楽しいしウケがいいのも事実です。
ただ、ポートレートというジャンルを撮るにあたっては絶景だけ撮っていてはダメ。
目の前にいる人の、自分が思うステキをつぶさに拾い上げて、引き出して、いいなと思ってもらうのが私のスタンス
だからです。

ひるがえって、スナップという題材は絶好です。
いま目の前にある、ありとあらゆることが偶然によって起こった事象に、恣意的な面白さを見出す行為だから。
衝動的であって、作為的であって、見落としがちな普段の光景が面白いんだよって伝えるための最良の伝達手段。

雪と赤はソール・ライターのイメージ
目の前に友達がいましたが撮らずにはいられませんでした
落ち着いて撮っているように見えて
気分はめちゃくちゃ高揚してました
ずっと会いたかった人ですから

言うなれば「誰かが気づかなかったステキの可視化」
それは街でも風景でも、目の前にいるあなたでも同じ。
写真を撮るのは、それをあなたに伝えたいし、自分自身も言語というつい便りがちなツールを介さずに伝えるため。
押しつけがましいかもしれないけど、それをプレゼントするのが私なりの写真に対する向き合い方だから。

おわりに:自分のステキはなぁに?

写真を通じて、自分以外の周囲にステキを見出す力は付きました。
じゃあ自分自身のステキって何だろう。
いま(いままでもかも)最大の関心はこれです。

人にステキを見出す行為の究極的な根源は「人から好かれたい」に根ざしていることは問題だと感じています。
だもんで今必死こいて自分のエゴと向き合う方法を、哲学と心理学の側面から学んでいる最中。

自分が自分であって、良いや悪いで評価せず、ありのまま受け入れる。
本当の意味の自立・自律でもって周囲に接することができないと、自分の存在の肯定を周囲に求めてしまいますので。
周囲のステキを拾えるなら、自分のステキも拾っていこうよ、って。

もっと楽に生きたい。
誰かに認められる求められるから存在していいじゃなくて、自分自身に立脚して生きていたいので。
まぁ、できるんじゃないかな。

おわり。

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