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実地トレーニングを見て、いつも気になってしまうあのこと。

(写真は米国ロックポート絵画にされるNo.1のMotif #1:2018年5月撮影)

新人の「実地トレーニング」。どんな光景を思い浮かべますか?

飲食店や車内販売などで見かける一対一の新人の実地訓練が一番先に思い浮かびます。

新人の「実地トレーニング」は何も、飲食販売業だけのことではありませんよね。様々な業種、職種で新人の「実地トレーニング」は行われています。

「実地トレーニング」と言いましたが、OJT:On the Job Training のことを考えています。

先輩や上司などが担当者となって、新人や未経験者に対して実務を行いながら、業務に必要とされるスキルや知識を指導するものですね。

OJTで訓練することについて考えてみましょう。

OJTとOFF-JT

On the Job(仕事に従事しながら) Training(トレーニング)の頭文字をとってOJTです。

逆にOFF-JTは、OFF the Job (仕事を離れての)Training(トレーニング)から来ています。

いわゆる外部講師を呼んで行われる研修などは、それぞれの仕事の現場で実務をしながらの実地訓練ではありませんから、OFF-JTになります。

私が直ぐに思い浮かべる、ファミレスなどで見かける接客のトレーニングは、実務をしながら行われるので OJTと呼ぶことができます。

二つ並べて、ONとOFFなどと説明すると、「あれか、これか」でどちらか一方を使うと良いと考えてしまうかもしれませんが、そういうことではありません。

それぞれ目的にあった形で両方とも用いられるものです。

気になる光景

私が直ぐに思い浮かべる光景とはこんなものです。

ファミレスで注文しようとコールボタンを押します。

すると「はいお伺いいたします!」とユニホームもまだ馴染んでいない新人らしき人がやってきます。

すると背後にもう一人。訓練担当の先輩とおぼしき方が背後に立ちます。

新人のトレーニング中だ。私がオーダーを目の前に立っている注文品を順につげると、端末に入力しようとしていますが、注文品のリストが端末の画面に上手く呼び起こせないのか、探しています。

すると後ろの先輩が、肩越しに端末画面をのぞき込みながら、指示を出します。

その瞬間、新人さんの血圧と心拍数がグンと上がります。(はい、もちろん私が勝手に想像しているだけかもしれないのですが)

もたもたしていると訓練担当の先輩が、横に来て端末画面に指さしながら指示を出し始めます。

この時点で新人さんの学びの窓は閉じてしまったのではないかとこちらが気になります。

最終的に入力が終わって、キッチンに向かおうと思った瞬間に、訓練担当の先輩が「復唱して」とささやきます。

新人さんは少し声がうわずり気味に端末を持つ手も震えながら、注文の復唱をするです。

緊張した状態で肩越しに仕事ぶりを監視されながら、また横から手を出されながら、良いトレーニングができるのかな?

それが気になるのです。

しばらく経って同じ店に行って、新人さんが一人で注文を取っているのを見かけると安心はするのですが。

心理的安全性

何かを学ぶ時に、それが知識であろうと、スキルであろうと、緊張状態では人は充分に学ぶことができません。

集中力を高めさせようと、厳しい態度で臨む人もいますが、短期的に注意をひくために役立つかもしれないのですが、筋肉トレーニングならまだしも、接客を学んでいる時に、厳しい態度で臨んでも効果は上がりません。

声を荒げたり、やんわりと脅かしたりする人もいるようですが、そのような方法では、「学びのシャッター」が降りてしまいます。

そうなると、良い学びができないばかりか、担当している新人との関係も悪化してしまいかねません。

学びを最大化するためには、「心理的安全性」を担保する必要があります。

↓↓↓心理的安全性と学びについてはこちら↓↓↓

ただ全てを褒めろ、注意をするな、などと言うつもりは一切ありません。

OJTであっても、OFF-JTであっても、学ぶ人が安心して心を開いて学ぶ状態でないと、最大限の効果は得られないのです。

これは新人の教育だけの話しではありません。

「学び」に関わる全ての場面で「心理的安全性」が担保されていることが大切です。

育成のプロセスの中で、育成しようとしている人に対してどのようにリラックスして学んでもらえるだろうかを考えてみましょう。

そのために、一つだけヒントを差し上げます。

相手を考える前に、訓練者としての自分はどんな状態だろうか?と1分立ち止まって考えることです。

自分の肩に力が入りすぎると、緊張状態のように視野狭窄もおこり、相手の事を考える余裕を持ちながら、訓練をすることができません。

皆さんが良い部下の育成をしながら、ご自身も成長し続けて良い貢献をなされますように。



最後までありがとうございます。




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