鈴屋

百合と宇宙が好き

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空虚と、孤独と、青春と、

青春時代を余すことなくどっぷりと賭けた人生を見ると、ああ私にはこんなものがなかったのにと虚しくなる。同時に、それに出会えた嬉しさも感じる。 虚しさと嬉しさは矛盾しない。むしろ、虚しさとは心を揺るがすものである以上、ぞくぞくとするものを与えるものだ。 私は、あまり社交的な人ではないので、放課後に友達と遊んだり、誕生日プレゼントを貰ったりしなかった。気力がなかったので部活もやっていなかった。 そこに幾分かの虚しさというのを感じながら私は青春を過ごしたが、それでも、それがただ苦し

    • フラッシュバッカー

      あの時期に流れていた音楽を再び自室のスピーカーから流してやると、そのメロディを聴いていた時期のバックアップが読み込まれていって、昔、世界一受けたい授業で見たアハ体験の動画みたいにグラデーションの人生の断片と断片が切られてまた繋がるような、感覚になる。 すなわち、成長を実感する。 犬を散歩しているときに、おっきくなったねえと言われたら、犬ですか、と勿論聞き返すが、私のことらしく、いやそれはあんたの目か記憶がおかしいんだよと言いたくなる。自分の人生を自分で見ていたら、生活してい

      • 58秒の断片的な記憶、あまい板チョコの。

        鬱になりかけていて、これはいつものやばい兆候だと気づいて、自分に幸せを与えることにした。 最近ハマってる板チョコアイス。ローソンまで自転車で走って、買った。夕方の七時前で、紫と橙色の空と風が気持ちよかったから、そのまま家に帰らずに古いバス停のベンチで食べた。 板チョコアイスはほぼ板チョコで、初めて食べた時は、なにこれ重っ!って感じだったな。板チョコが濃厚だから、一口が重い。でも板チョコもアイスもなめらかだから、最後まで美味しい。一本食べたら、もう当分これは食べないだろうなあと

        • 人間ってやばいなって話。

          みんな人間でみんなやばいわ、って思った。今。 いま夜だからかもしれないけど心が落ち込んでて、本当に人生まずいときの気持ちになってたから、youtubeで昔の自分がいいねをした曲を聴いて懐かしい気持ちになってたんだけど、メロディに思い出補正がかかっててバカみたいに感動するし、なんか昔聞いた時より歌詞が刺さるし、感情めちゃくちゃ。 歌詞いいなーって曲があっても、なんか、今までは、ちょっと本当はこういうこと言っちゃ駄目なんだけど、昔の私は人間を馬鹿にしていたので、嘲笑めいた感じ

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        空虚と、孤独と、青春と、

          何もかも分かんない

          自分のことは自分で考える、ということを心がけてる。座右の銘、ってわけじゃないけど、生きるにあたっての指針というか、気にしていること? そんな感じ。 この言葉に関しては、多分自分で自覚した気がする。ふと、自分のことなんだから他人に任せずに自分で考えなきゃな、と、受験勉強してる時に思った。塾に行きたくないって気持ちもあったからだと思う。100%それが理由ではないけど。 でも、ふと、私は言葉だけでこれを言っていて、行動として出来ていないのではと思った。実際、行動としても出来てい

          何もかも分かんない

          遠出先の海の近くの民宿の窓の外の星空概念

          投げやりになって遠くへ行く(海など) ↓ 夜になったし疲れたし、帰れなくなる ↓ ひっそりとした民宿に泊まる ↓ 何かを決心する これが、「夏の暑い日に麦藁帽子をかぶった白いワンピースの少女がこちらを振り返って微笑みかけている概念」の、冬versionです。 別に冬じゃなくてもいいかもしれない。でも寒い方が良い。 どうにでもなれという気持ちで金だけ持って電車で田舎の方まで行ったら帰れなくなり近くの民宿に泊まることになったが景色が綺麗でうつうつとしていた心が晴れていく星空あ

          遠出先の海の近くの民宿の窓の外の星空概念

          ミモザの告白 1

          最近今まで持ってた価値観が良い意味で瓦解してて、なんか気持ちが良かったからふらっと古本市場に寄って普段は読まないライトノベルの棚を見た。 今まで読んだことのあるラノベといえば『魔女の旅々』くらいか。『ひきこまり吸血姫の悶々』も1巻だけ読んだことあるな。ああ、ていうか私が最初に出会ったオタクっぽいコンテンツはそもそも『カゲロウデイズ』だったな。あまりにも昔のことだから忘れていた。この本がきっかけで私は今でも親に隠れて漫画やアニメを見ているのだけど。 一昨日に『夏へのトンネル、

          ミモザの告白 1

          七星静香

          無職転生の世界の中にひっそりと、しかし力強く響くアンダーグラフのツバサ。演出として最高に大好きで、まさに、ここにアニメの良さが出てると思う。小説でも漫画でも出来ない、アニメだからこその音楽を使った演出が良かった。主人公が自分の過去と重ねて、塞ぎ込んでた七星を救った最高の回だった。 魔法陣からペットボトルが出てきたときは、これだよ!これが転生モノの良さだよ!と思った。 七星の研究室に初めて行く回も印象的だ。 突然異世界の言葉に日本語の字幕が出るような演出になり、盛り上がる音

          七星静香

          夏へのトンネル、さよならの出口

          私はもう高校生には戻れないんだなと思った。まあ、戻ったところで私は塔野カオルではないし、花城あんずもいないんだけど。 13年も私のことを思ってくれる人はいるか。あるいは私は誰かのことを13年も思い続けるか。そんな“あなた”が私にはいないから想像するだけで虚しくなる。私に合うのは昔話の“ウラシマ”の方で、それはつまり、花城あんずがいない世界で、元の世界に戻っても誰も迎えてくれず、玉手箱を開ける他ない。 映画だと、音楽は好きだけど声と尺がアレなので、見終わってすぐに原作を注文し

          夏へのトンネル、さよならの出口

          自分だけの幸せを

          私は他人に認められたくて今まで勉強も読書もしてきた。他人というのは親や友達、教師とか、もう会わなくなった友達に。 1クラスしかない過疎な小学校で、塾に行ってたからちょっと周りより勉強が出来るだけで天才だって言われて、親にも期待されて私立の中高に行って、京大目指すって言って教師にも期待されて、でも私本人が一番はじめに、そんなこと無理だって気づいたから学校にさえ行けなくなった。 受験を失敗したこと自体が辛いんじゃなく、ひとの期待を裏切ったのが、もう会わせる顔が無くなるのが一番辛

          自分だけの幸せを

          大人と子供の違いって

          いい加減な話だけど、大人と子供の違いって、やりたくないことをするかどうかだよなあ。そういう意味で私はまだ子供で、やりたいことしかやらない病に罹ってる。 こういう話、すなわち大人と子供の対比の話って、どうしても子供→大人っていう成長軸があるから大人の方が偉くて子供は早く成長しなければならないって方向に行きがちだけど、別に、やりたいことだけをやって生きる子供が悪いわけじゃない。 私を束縛する成功体験がある。 鈴という子に出会ったことをきっかけに今まで散々やらなかった勉強を始め

          大人と子供の違いって

          ブルーピリオド展

          意味わからんほど南に行ったら電車の窓から赤くて大きな橋が見えて、龍みたい!と思った。海が近いんだね。 コスモスクエアとかいう意味のわからないところに連れて行かれ、最近ずっと海に行きたいと思っていたのが期せずして達成した。 ブルーピリオド展。意味わからん建物の中にあった。フェルメール以来の展覧会かも。あんまり人はいなかった。 漫画が好きなので、漫画の1コマが大きく拡大されてドーーンと置かれていると興奮する。興奮するわあ……。鮎川龍二は拡大されても解像度が良いらしい。 入って

          ブルーピリオド展

          好きな短歌 (穂村弘『ラインマーカーズ』)

          穂村弘『ラインマーカーズ』に収録されている歌のなかで気に入ったものを書きます。 「鮫はオルガンの音が好きなの知っていた?」五時間泣いた後におまえは 「眠ってた? ゴメンネあのさ手で林檎搾るプロレスラー誰だっけ?」 惑星別重力一覧眺めつつ「このごろあなたのゆめばかりみる」 夕闇に溶けゆく ネーブル・オレンジと蝿をみていたあのまなざしは 星たちがうたいはじめる 水圧でお風呂の栓がぬけない夜に 獣園の檻を握ってきた指が泡立てている真夜中の髪 もともと私は短歌なんか読む

          好きな短歌 (穂村弘『ラインマーカーズ』)

          私の辞書に◯◯という文字はない

          モスキート音という言葉自体はよく聞くし、自分でも使う機会が多い。モスキートは蚊の意味で、つまり蚊の鳴らす音のようなものなんだけど、この「モスキート音」を「モスキート音」だと知ったのは高2の夏だった。 それまでは、「モスキートーン」だと思っていた。 モスキート音について知ろうと思ったことが無いから、文字で見る機会がなく、「モスキート音」だと知らなかった、というだけの話なのだが、それまで私は「モスキートーン」と発音していたのに誰も気づかずにここまで暮らしてきたことに驚いた。

          私の辞書に◯◯という文字はない

          喋るのが苦手なら、書けば良い

          他人と話すのがもしかしたら得意ではないのかもしれない。急に押しかけてきた祖父の相手をしていて思った。私はおそらくプライドが高い。人からもそう言われるし自分でもそう思う。 プライドが高いことと関係があるのかは分からないが、適当に相槌をとるのが嫌なのだ。どうでもいい人の、どうでもいい話は聞きたくない。だから相槌は打ちたくない。 うまい世渡りをするためには、笑顔で、その場を乗り切る必要があるよ、と言われるがそんなことしてまで“うまい世渡り”をしたいとは思わない。苦手な人に頭を下げ

          喋るのが苦手なら、書けば良い

          床屋を変えた日

          小学生の低学年までは坊主だったので家で母に刈ってもらってたんだけど、高学年から床屋に行き始めて、中学、高校とずっと同じ場所に通い続けていた。だいたい9年か。 今日から新しい床屋に変えた。 めっちゃ家から近いのに「こんなとこにこんな店が」って感じの、秘密基地みたいな場所。 ドアを開けたら「サーカスナイト」が流れてて、夕方だなって感じだった。Marshallのスピーカーの音は素敵なんだけど、綺麗だとかお洒落だとかの前に、高いやろなあと思ってしまったのがよくない癖。 1人限定の店

          床屋を変えた日