見出し画像

韓国では年末年始も休まない?!いつものメンバーとぐでぐでっと過ごした2023大晦日を振り返る。

年が明けた。
それなのに「心機一転、頑張るぞ!」という気持ちが湧いてこないのは、日本と比べたら年末年始らしさのカケラもない、韓国の雰囲気のせいなのかもしれない。

というのも、韓国では、正月を太陽暦ではなく太陰暦で祝うのだ。所謂「旧正月」と総称されるアジア圏の文化で、韓国語では「(ソル)」や「설날(ソルラル)」などと呼ぶ。
この他に구정(クジョン, 旧正)」という呼称も存在するが、これは、日本統治時代、当時既に太陽暦を採用していた日本軍が依然として太陰暦を使用していた朝鮮に対し、新暦(太陽暦)で正月を祝うよう強制したことに由来する。新暦の正月を意味する「신정(シンジョン, 新旧)」の対照となる概念として、「旧正」という呼称が使われるようになったのだ。

詳しくは↓


暦の巡り合わせで、今回の年末年始は晦日と大晦日が土日に被り、元より祝日に指定されている元日まで含めて3連休となった。しかし、例年であれば、そうはいかない。韓国では、晦日だろうと大晦日だろうと、平日は平日として流れる。休むのは祝日である元旦だけなのだ。
思い返せば、交換留学で韓国に滞在していた2020年。ホストスクールの授業が大晦日まで当然のようにあることに驚き、年末なのに遊べないじゃん!!と絶望した記憶がある。
スーパーや飲食店も、大晦日と元旦には流石に休業するだろうと思っていたが、全然普通に営業していた。消費者としては有難い限りだが、年末年始くらいゆっくり休んでくれ...と思ってしまうのは、日本人のサガだろう。


この冬一時帰国しないのは私だけではなく、私が普段親しく過ごしている外国人の同期たちも皆、引き続き冠岳山に引き篭っている。

大晦日である一昨日の昼下がり。1人で年越し蕎麦でも作って食べるかと考えていた頃、いつもの如く彼らに呼び出され、ひとまず会うことに。
「会う」と言っても、寮の下の多目的室で会うことが殆どで、逆にそれ以外の場所でこれまで彼らと会った記憶が私にはない。だから、いつも通りの格好で下りた。
スッピンにピンで止めた前髪、シュシュでテキトーに括った後髪、上下バラバラのスウェット、前籍大のジャンパー、極め付けは踝ソックスにサンダル。我ながら、酷い。酷すぎる。

指定時刻から30分は優に遅れて姿を現した言い出しっぺのインドネシアの子が、そんな私を目にするなり一言。

“야 너 뭐야? 지금 그 머리, 그 얼굴, 그 옷으로 성수 갈거야? 진짜 말도 안 돼”

(訳:「え、その髪、その顔、その服装で聖水(ソンス)行くつもり?あり得ないんだけど」)

...?????
いやいやいやいや、私聞いてないんだが?! そういう大事なことは事前にしっかり伝えてくれ?!?!!

そんなこんなで、やれ「学校があるときは無駄に気合い入れた格好するくせに」だの、やれ「行く場所が何処であれ、真冬のこの時期にサンダルは有り得ない」だの、総バッシングを喰らいながら、バスで地下鉄の最寄駅まで向かう。
※私たちの仲は極めて良好です。

最寄駅に到着し、聖水方面の改札に入ろうとしたそのとき。

“야 우리 뚝섬 갈래? 눈썰매 타자“

(訳:「やっぱ纛島(トゥクソム)行かない?ソリ乗ろうよ」)

だーかーらーさーーーーー!!!

マイペースなインドネシア人とマレーシア人、キレるモンゴル人と日本人。通常運転、今日も絶好調。
※私たちの仲は極めて良好です。

そんなこんなで地下鉄2号線で纛島に向かう。
あまりにも酷い私の状態を見かねたのか、インドネシアの子がトートバッグから何かを取り出すと、スマホをいじっていた私の頭にそれを乗せた。

ジャンッ

うん?君は何故こんなものを持ち歩いている?

痛い。車内の乗客からの視線が痛い。


纛島に着くと、ソリチームカフェチームに分かれて解散することに。
言わずもがな、サンダルを履いて来た私はカフェチーム。

因みに、ソリチームが向かったのは、ソウル市によって冬季限定で運営されている漢江公園の雪遊び場
入場料6,000ウォン器具レンタル料金5,000~7,000ウォンと、格安で雪遊びが楽しめる。

詳しくは↓


私とモンゴルの子は、ギフト券を使用するべく、スターバックスに向かうことに。

と、その前に、オリーブヤングで買い物を。
オリーブヤングとは、韓国で全国展開するドラッグストアである。トイレタリー用品や栄養剤、コスメは勿論、ダイエット食品から香水、ヘアアイロン、ワイヤレスイヤホンまで、何でも揃っている。取り敢えずここに行っておけば間違いない。
入店して最初に目に飛び込んできたのは、『おぱんちゅうさぎ』とのコラボ商品。

友人の指示で撮影。

最近、韓国でも『おぱんちゅうさぎ』の人気が凄まじく、POP-UPストアが上陸したり、授業の発表題材として取り上げられたりと、その存在を意識せずにはいられない。
お目当ての商品の在庫がないことを確認すると、スターバックスを目指した。

寒風から逃げるように温かい店内に駆け込み、一息。

アイスアメリカーノと、クラシックブルーベリーチーズケーキ。

電子化が進む韓国では、プレゼントもオンラインで贈ることが多い。特に、私たち学生の間では、スターバックスやサーティワンなどチェーン店の少額のギフト券を、誕生日や何かのお礼で受け渡しすることが主流だ。今回もその恩恵を受けた。

私たちが呑気にチーズケーキを頬張っていると、ソリ遊びを一通り満喫した友人たちから連絡が。
スターバックスにいると伝えるや否や、電話口の友人の声が若干険しくなった。「このご時世にスターバックスにほいほい行くのは、いかがなものなのか?」と。迂闊だった。
イスラエル軍によるガザ地区への攻撃が日に日に凄惨化する中、親イスラエル的姿勢を示すグローバル企業のボイコット運動が、世界的に拡大している。特に、イスラム教徒であるインドネシアの子は一連の事態を深刻に捉えており、ボイコット運動にも真剣且つ積極的に臨んでいる。私も情況を把握してはいたものの、韓国で生活し、インターネット上では基本的に日本が韓国のメディアにしか触れないとなると、どうしても意識が薄れがちだ。そんな自分が恥ずかしかった。
外国人の友人たちと過ごす日々は、このように、国際的視覚を養う過程でもある。


時刻が午後5時を過ぎようとする頃、寮で待機していた爆睡していた友人たちから連絡が。カウントダウンパーティーをしようと。

ということで、帰り道に私とモンゴルの子で買い出しを。

「ケーキとシャンパンは外せないっしょ。ピザとチキンもあったら尚良いよね。」な、フィリピン人とモンゴル人たち
V.S
「ピザにチキンってクリスマスなん?ケーキもいい加減飽きたよ... 年末は寿司だろ!」な、日本人

レディーファイッ

まぁ、あっさり負けた。
大人しく彼らの要望通りのメニューを買い揃える。

因みに、こういうのを韓国語で셔틀(シャトル)」と言うらしい。日本語だと「パシリ」。
※私たちの仲は極めて良好です。

左からチキン、ケーキ、ピザ。そして、私の腕にシャンパンとお菓子。ピザが思ったより大きかった。

因みに、お店は全て私のチョイス。
何を何処のお店で買うかの案がスラスラ出てくるあたり、ここでの生活にもだいぶ慣れたなと実感。

今年だけで何度見たか分からないパリバケのケーキ。

ケーキが崩れないように細心の注意を払いつつ、バスで寮へと戻る。


私たちが住むグローバル寮の下には、飲食や料理が可能な多目的室があり、私たちは普段から専らこので勉強して駄弁っている。

この日も多目的室で集合。
いつもの場所で、お馴染みの顔ぶれ。

食事の光景も、いつもと何ら変わりがない。

美味しくご飯を食べながらも、会話は一括公開日が目前に迫った今学期の成績の話題を中心に回る。そこから更に転科や複数専攻、交換留学、大学院進学と、話題は広がっていく。
いつ何時も学業を意識せざるを得ない悲しき韓国留学生の現実よ(泣)

この日の初期メンバーは、モンゴルの子3人とフィリピンの子1人、日本人の私の計5人。
皆それぞれ母語も韓国語レベルも異なるため、英語韓国語、そして高頻度でモンゴル語も飛び交う。
私のTwitterや他のnoteを見てくださっている方は既にご存知だろうが、私の周りにはモンゴル人が本当に多い。親しい外国人同期たちのグループの大半がモンゴル人で、 GKS(韓国政府招待奨学生)で唯一ソウル大に同期入学した1番の親友もモンゴル人だ。都合がつくメンバーで一緒に食事を共にすると多いときには10人中7人がモンゴル人だったり、モンゴル人5人に混ざって深夜にお酒を呑んだりと、モンゴル人の話を抜きにして私の韓国留学生活は語れないと言っても過言ではないレベルである。
ただし、私の周りにだけ偶然モンゴル人が多いと言うわけではない。2022年時点で韓国に留学している外国人の出身国家の内訳を見ると、モンゴルは4番目に多い。また、ソウル大に限って言えば、中国に次いで2番目に多い人数となっている。思い返せば、前籍の漢陽大学でもモンゴル人が多く、非常に驚いた。
私とモンゴル人とのエピソードを挙げればキリがないので、今回はこの辺で。また別の機会に書き留めるとしよう。

ピザとチキンをあっという間に平らげ、一旦解散することに。


2024年を30分後に控えた頃、再び集合。
「11時30分までに集合って言ったのに誰も時間通りに来ないじゃん!」と憤慨する友人1。全員遅れて来ることを見越して少し遅く下りた友人2と私。シンプルに遅れて来たその他。通常運転。

この日のメイン
モンゴルボーイからのセンスある差し入れ。

ケーキにシャンパン、マスカット、ノートブックで光化門とロッテタワーのカウントダウン中継まで流して、

さぁ、年を越す準備は万端!!!

かかってこいや2024!!!!!!!

...と思ったのも束の間、年越しまであと2分を切ったところで、Wi-Fiの調子が悪くなり、カウントダウン中継が途切れるという想定外の事態。(edurome許すまじ)

勘で(勘で)カウントダウンし、年を越したであろうタイミングに合わせて、シャンパンを開ける。

課題を終えて途中参加したモザンビークの子が代表で。
コップに注ぐところまでやってくれる、スウィートガール♡


と思ったら、今度は何故かマスカットを取ってテーブルの下に潜り出すモザンビークの子。
そして、状況が把握できず唖然とする私たちに、「아~!! 뻘리 빨리이~~~!!! (ほら~!! 早く早くぅ~~~!!)」と、真似をするよう急かす。

マスカットを食べながら願い事をしろとの指示が。

落ち着いてから「それはモザンビーク式の年の越し方なの?それともキリスト教?」と訊ねたところ、彼女は不思議そうな表情で首を横に振った。そして一言。

「スペインだけど?」

아핰ㅋㅋㅋㅋㅋㅋㅎㅋㅎㅎㅋㅎ

よくよく調べてみたところ、正確には、12時を知らせる鐘の音に合わせて12粒のブドウを1粒ずつ食べ、12回目の鐘が鳴り終わる頃に食べ切ると、幸福が訪れると考えられているそう。
なるほど。_φ(・_・メモメモ

マスカットも無事に食べ切ったところで、乾杯。

モンゴルボーイがとった乾杯の音頭は何故か日本語だった。

因みに、1番歳食ってるからって、ケーキの取り分けを任された。1番歳食ってるからって...

ケーキを食べながら、「もし非モンゴル人がモンゴルに旅行するなら」という話題で盛り上がる。

日常的にこんな話を繰り広げるほど、私たちは皆モンゴルに興味津々。


そんなこんなで一通り話に花を咲かせたところで、私は退散しましたとさ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?