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220510 マルセイユにて。Ⅱ ~孤独のランチ、エスプレッソカルチャーショック~

“Ⅰ” はこちらから↓



 食事を求め、行く宛もなく歩く。トラムの線路沿いを、ひたすら歩く。
 来る直前、マルセイユは「フランスで1番治安が悪い地域」であると小耳に挟んだ私。どんな恐ろしい街なのかとビクビクしていたし、正直なところ、楽しみにしていた一方で、往路の車内から「早く帰りたい泣」と思ったりもしていた。しかし、所持品に最低限の注意を払いさえすれば大丈夫であることに、到着から2~3時間が経過したところで漸く気づく。

私が好きな感性。

 ここが異国の地だからなのか。目に映るもの全てが特別に思えて、シャッターを切る手が止まらない。

ここにも噴水。

 Googleマップによると、こちらの噴水は “Fontaine des Danaïdes” というらしいが、私には読めない。
 ... 難しいですよね、フランス語って。

 広場では、マルシェが開かれていた。

 流石は農業大国・フランス。色鮮やかで立派な野菜の数々は、いつ見ても購買意欲をそそられる。

 そうそう、私は昼食を探していたのだった。何を隠そう私、食べるものに特別拘りはない上に優柔不断という、まさに「面倒くさい」のダブルコンボ。(よくいる、親からの「今日の夜ごはん何食べたい?」の質問に「何でも良いよ〜」と答える子どもです←) 故に、幾らGoogle先生と睨めっこしながら街を練り歩いたところで、結論が出るはずがないのだ。マルセイユといえば、海鮮系?でも、ここは無難に、ブーランジェリーでパンを購入してベンチで食べるも良し。カフェに入ってランチセットを頼むも良し。ただ、欲を言えば、英語で注文できるところが良い。うーん、悩む...
 そんなとき、大きなピザを貪りながら歩く若者たちの姿が目に留まった。横に少し視線をずらすと、イタリアの国旗が大々的に描かれたキッチンカーが。中では、店員さんが直径50cm以上はあろうピザを、まさに釜から取り出そうとしているところだった。そんな絶妙の瞬間を目にしてしまったら最後、もう逃げられない。存在を認めてしまった以上、匂いが一層鼻腔をくすぐる。決めた、これだ。これしかない。

この大きさ、伝われ...!!

 冗談抜きで、私が人生で見てきたピザの中で最も大きかった。価格は2€。私には相場は分からないが、ストリートフードで、しかもこの大きさなら、かなりリーズナブルな方ではなかろうか。
 そんなことを考えて上の空になっているうちに、オリーブオイルがバッグに垂れてきて泣きべそをかいたのは、ここだけの話。

 食後のコーヒーを求め、何方かのブログで知ったカフェへ。

“Torréfaction Noailles”

 こちらのカフェ、マルセイユ市内に数店舗を構えるチェーン店らしく、今回私が足を運んだのは、先ほどいた広場から旧港へ向かう途中にある店舗。
 店内はノスタルジックな雰囲気で、白と茶のタイルと水色に塗られた壁の組み合わせもまた、私の好みを突いてきた。可愛いが過ぎる。

どこに行っても揺るぎない、私のコーヒー愛。

 ショートサイズのエスプレッソを注文。価格は1.6€であったと記憶。
 フランスに来て、早3週間。日本や韓国ではアイスアメリカーノばかり飲んでいた私も、すっかりエスプレッソに慣れてきた。しかし、いつまで経っても慣れないのは、必ず一緒に出される砂糖の存在である。たっぷりの砂糖を入れるのが、イタリアを起源とするエスプレッソの本来の嗜み方であると知るが、やはり「こんな少ない量のコーヒーにそんな多い量の砂糖を入れるなんて、もはや砂糖そのものだけを口に含むに等しいのでは?!」と、こちらの人がエスプレッソを飲む場に同席する度、私は思わずギョッとしてしまう。これは、所謂「カルチャーショック」に値するのだろう。

カップに印字された店名に、半分ほど飲んで漸く気づく。

 接客してくださった方が非常に親切で、心地良く過ごせたと、声を大にして発信したい。
 感謝の気持ちと言っては何だが、公式サイトとマップを載せておくので、いつかマルセイユを訪れる際には是非。

Torrefaction Noailles
https://www.noailles.com
https://goo.gl/maps/GF1JzHBKfMeVtMdK7

 温かい気持ちでカフェを後にし、旧港へと向かう。



 続く。


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