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『Visualism 手塚眞アート映画集』へ。

『Visualism 手塚眞アート映画集』
2/18(土)〜24(金)@新潟市民映画館シネ・ウインド

プログラム『white』へ。2/18土曜の初日プログラム『black』で監督のトークを伺い、作品とお人柄に触れて「もっと色んな作品を観たい」という想いに駆られ劇場へ行きました。



監督作品は、近田さんの映画「星くず兄弟の伝説」で初めて拝見。8 1/2の久保田慎吾さんをはじめ、東京ブラボーの面々が出演していたという、高校時代ニューウェーブを敬愛した僕にとっては興味深々な映画でした。
音楽雑誌でもなかなか拝見できない方々が映画に出るんだ、東京って一体どんな街なんだ?なんて思った記憶があります。音源も専門店でしか入手不可の時代。田舎の高校生だったから、残念ながらいわゆる東京ニューウェーブ的なものには直接触れる機会がなかったのです。

新潟では話題作「白痴」の撮影もありました。映画好きはもちろんですが、僕を含む大多数の新潟県民の幅広い支持を獲得していきました。地元紙にも連日のように掲載されていた覚えがあります。
長期の撮影でしたので、僕なんかは当時「甲田さんと街で会えないかな?」と邪なことを考えていたものでした。

そんなご縁もあり、監督は新潟ととても深く交流してくださっている、と聞きます。



さて、今回の作品。短編のアート作品がいくつか観れるオムニバス上映。
90年代のもの、そして2020年代最新のものなど多数。

自分なりの感想です。

観てると途中美術館で絵画を観てるような気持ちになってきました。
例えば映像をスローで回したりすると同じ映像でも「人ってこんな表情することがあるんだ。」ってことに気付くんです。よく顔に出るね、って友人や家族と言い合ったりするアレです。複雑に変化するココロの動きと呼応するかのように表情も瞬時瞬時に変わっているんだな、と感じました。
1秒間の映像に収まるコマ一つ一つにエネルギーが込められていて、まるで絵を観てるような気持ちになったわけです。

あと意外なことなんですが、昨日の夜ではあまり味わえなかった映像の存在感が一日経った今日に何故か込み上げてきてます。この感覚は説明がつかないけど、知らず知らずのうちに情景やシーンが脳裏に焼きついていたわけですね。

「変容」のシーンでは田口雅之さんの音楽も聴けました。45回転のレコードを間違って33回転でかけるとモワッ〜モワッ〜ってオバケ音になるでしょ?あれをリアルタイムの音で表現してるってイメージ。映像と音のマッチングが素晴らしかったです。



上映後に監督自らがロビーで立ち、お客様ひとりひとりにお礼を伝えたり、皆さんの質問に真摯に応えていらっしゃいました。その丁寧な振る舞いを拝見し、本当感極まるものがありました。監督は真のアーチストですね。

私もお話の機会をいただいたのですが、思うように気持ちを伝えることができず「最近目が悪くなってきたので、良くみえるうちに綺麗なものを沢山観ておきたくて監督の映像を観に来ました。」とお伝えしました。まるでおじいちゃんみたいなこと言ってしまい、我ながらもっと気の利いたこと言えば良かったと思ったけど、心底で思っていたことがつい声に出てしまった、という感じなんです。

最後に監督とお写真を撮っていただきました。宝物をまた一ついただきました。

後日談にはなるのですが、監督にSNS掲載の許諾をお願いするためお写真を見ていただいたのですが、なんと編集のプロ中のプロに明るさあげていただき、こちらのお写真ごと返信いただきました。

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