趣味すら世知辛い世界の中で

 最初に前提を書いておくと私は仕事の空いた時間、趣味で雑文や小説を書いているから、クリエイターになって稼ごうとか、プロデビューしようとか、フォロワーがたくさん欲しいとか、そういったことは思っていない。ただ、自分の頭の中にある思いというか、妄想というかを書いているだけである。
 それならばネットに書かずとも、PCの文書作成ソフトに打ち込んでただ保存しておけばいいのだが、ブログサービスや小説投稿サイトが便利なので、そこに保存している。というだけである。

 さて、ブログサービスをいろいろ調べようとGoogleで検索して上位のサイトを見ていたのだが、ブログのレイアウトなどというよりも、「ブログで稼ぐには記事を具体的に・効率的にせよ」だとか「アフェリエイトはこういうふうにする」とか「どうやって稼ぐのか」とか、とにかく「効率的に」「稼ぐ」という記事が多くて辟易してしまった。ブログを書く人々は、皆それで稼ごうと思っているのだろうか。どうもそう見えてしまう。

 次に、小説投稿サイトをいろいろ検索してみると、「小説家になるには」とか「新人賞を取るコツは」とか「感想をもらえる小説はこう書く」とか、やっぱり、みんな血眼になっている。絵もそうだ。「バズる絵はこうだ」みたいなことを上から目線で言っている人がいる。まるで週刊漫画誌の編集者のようだが、その根拠はというと、たぶんどこにもない。

 そして、それらのアドバイスに従ったブログや小説は面白いのかというと、どれも同じだったりする。主人公は毎度毎度トラックに轢かれ、ポイ活で賢く稼ぎ、有名人は大抵「死亡説が流れていますが、実態はよくわかりませんでした!」となって終わる。情報の渦に飲まれているといいながら、結局、手近な穴に落ちているのではないか、という気がする。

 

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