~4/30【魂で歌え!イメソン布教フェスタ】感想会会場

紫陽凛(以後「紫」):みなさん、こんにちは!
 カクヨムにて開催されました【魂で歌え!イメソン布教フェスタ】は無事4月30日をもって閉会いたしました! こちらはその主催三名による感想大会会場でございます! ではお二人とも、自己紹介をよろしくどうぞ。

凛ちゃん(以後「凛」):凛ちゃんです。ただの凛ちゃんなので気軽に凛ちゃんと呼んでください!

凛ちゃん
ある界隈では有名な「当て馬女」として知られている。無邪気かつ天然で、何を言いだすか分からない不発弾。

あじさいちゃん(以後「あ」):初めまして、こんにちは。ムーンライトノベルスで大人向けTL作品を書いています、あじさいちゃんと申します。こういった場で感想を公表するのは初めてですので、とても緊張しています。

あじさいちゃん
 ムーンライトノベルスで小説を書いている。引っ込み思案かつまじめ。

:じゃあ、そういうわけでさっそく感想会行ってみましょう。
(この記事は静かに更新されてゆきます。完成までお待ち下されば幸いです)


紫:本企画の主旨は「イメージソングを作品の中から感じる」ということで、曲と作品両方を鑑賞することになります。リンク等はいちいち貼りませんので、感想会をお読みになる皆さんは、なんとか音源の方を用意していただければと思います。

凛:凛ちゃん知らない曲いっぱいある

:そういう企画ですからね。

:では最初の作品から紹介いたします!どん!

1、「黒豆納豆」/双葉紫明(「手おくれか」/Theピーズ)

:(曲を聞き終えて)ほあー初めて聞いた

:味わい深いですね。手遅れ、か。

:そんで作品の方をもう一度見たんですけど、あたしびっくりしましたよ。曲聞く前に一読していたんですけれども。これは詞かな?それとも詩かな。と思ったらまさかの原曲ロックストレートでしたね。良くも悪くも「そのまんま」って感じがする。割りものなし、混ざりものなしの情景文。

:ロックの激しい曲調で「手おくれか、手おくれか」って叫んでる曲を聞いたあとだと、この作品はとても静かに見えますね。でも自棄で、やけっぱちなのは変わらない。それが音楽と文章っていう媒体の違いなのかもしれない。

:一話と二話なら一話のほうがすきです。言葉遊びで一気につらつらっと書いたような感じが。それでウキウキで、ノッてるところもいいとおもう。でも、詩のような形をした物語になっているのに、「不治の痛み」のためだけにまるっと一話割いてしまうのはどうなんだろうなと思います。物語が動くのは二話目で、「不治の痛み」の理由と言うか元凶が明かされるわけなんだけど、この二話目だけでこの「おはなし」のやることをぜんぶやってるんだよね。二話目だけでもよかった。

:つまり、言葉遊びは楽しいけど、言葉遊びにしておくにはもったいなかったかも。

:この主人公の行き場のなさとか、どうしようもなさとかを演出するには両方が必要だったと思いますよ。しかも彼は呑んで酩酊してるわけで。

:二人とも激論してるけど、私は黒豆納豆ってタイトルが良いと思うんだよね。無知ゆえ調べたんだけど。ただの納豆じゃないんだよ、黒豆納豆なの。この納豆、糸はしっかり引くし、皮はかためなんだよね。このねばねばした執着と、そのくせ踏み切れない、強がりにすらならないやけ酒の光景にぴったり過ぎない?

あ・凛:わかる。

2、「逢瀬」/惣山沙樹(「あなたへの月」Cocco)

凛:こっこだー。

あ:曲聞きました? わたしは聞きました。

凛:まだかも。ちょっと聞いてくる。

紫:じゃあ凛ちゃんが曲を聞いている間に私の感想をば。「月が泣いてる」から始まる曲に照らすと、「あたし」は新藤との逢瀬に罪悪感を持ってるんだな。夫と子を持ちながら新藤との時間を作ることにも、煙草を吸うことにも。そしてその罪悪感で一本書いてる、というか書けてしまってるんだな。このあと一捻りあっても良かったけど、ここで途切れるから曲が映える、みたいなのもあって難しい。

あ:個人的には、「あー、この曲をそういう読み方で来たか」みたいな感じがあります。曲の方は、太陽とか昼に「犯され」ていく月と夜のことを歌ってるんだけど。そして月と夜、どういうわけか陰のほうにいて、罪と罰と並んでいる。作者さんはそちらを拾ったのでしょうけれど、私なら曲の中から「天の川」を拾ってしまうかな。女が二人いる前提で。「あたし」は織姫ではないほう。

紫:あじさいちゃん語るなあ。

凛:聞いた。やっぱり曲を聞くのと聞かないのとだと味が違うね。「わたしを抱いてとちぎれながら」って歌詞聞いて、これが「あたし」の本音かぁって思った。……なんか小学生みたいな感想になっちゃったな。

あ:じゃあ私が代わりに語っても良いですね? (了承を得る)これ作者さんに聞きたいんですけど、「あたし」は織姫じゃない方前提で、この新藤って男には織姫がいるんでしょうかね? いるとすれば「消せない罪と罰」がいっそう際立って燃えると思うんです。

紫:あじさいちゃんは一体何を燃やしてるの。

あ:こういう物語はモエじゃなくて燃えですよ。口に出さない願い、かなわない願い、口に出すこともはばかられる欲求ってのは、空気感に現れるものです。そう言うのって、文字と文字のあいだからにじみ出るものですから。この話のすごいところは、改めて私が曲を聞く前からそういうのがにじみ出てたところにあって。

凛:それはわかるなぁ。曲聞いて補完された部分もあったけど、本筋は外してなかった。

紫:ね。

3、「Player's pray」/狐(「TVスター」ポルノグラフィティ、他)

紫:あー。(全部聞いた顔)

凛:うーんポルノ愛だよね。物語自体は憧れに突き動かされていく主人公にフォーカスされてるんだけど、

紫:――凛ちゃん。曲を聞くのをあきらめないで。

凛:五曲もあるんだもん! 歌詞は読んだよ!

あ:でもこの物語に五曲も入ってると思うと作者さんの熱量がうかがえますよね。我々三人ともポルノグラフィティには疎いもので……(聞いている途中の顔)

紫:大体の曲に共通するのは「扉をぶち破って闘え!」「おのれと闘え!」って鼓舞かな。たぶんそうだよね? 細かいことはもっと聞きこまないと分からないけど。大筋も、「消費」されてく自分へのあきらめと期待みたいな半々で……それでも自分はサイコーだぜ! っていう宣誓にもとれる。作者のこと結構知ってるからこう思うのかもしれないけど、かなり作者に接近した小説だよね。オリジン? って聞きたくなるくらいには。

凛:というかそのテイストの曲がポルノから五曲も出てくるのがすごい。そういう作風なのかな。すごいね。……また小学生みたいな感想になっちゃった。

あ:「やがて哀しきロックンロール」だけテイストがちょっと違ったけれど、私この曲が気になりますね。他の曲はこう、作品の端々にちりばめられていて影響がうかがえるんですけど、この曲だけなんだか違うんですよね。……そう思いません? 凛ちゃん。

凛:この流れで凛ちゃんに訊く? ねえなんで?

紫:これ、大人になり切れない、夢を掴めないままの主人公の今なんじゃないの? だって夢に手を抓られてるよ?

あ:そう言われればそう聞こえるけど……なんか違う気がするんですよね。このあたり作者さんに聞いてみたいです。

凛:でも歌詞を出さずに要素を詰め込んで詰めこんで……といった意味では立派なポルノグラフィティ小説だよね。これだけは凛ちゃんにもわかるよ。

4、「ぼく一人の力で君に勝たないとドラえもんが安心して未来に帰れないんだ」/きょうじゅ(「HURRY GO ROUND」hide with Spread Beaver)

あ:よかった。

凛:うん、よかった。すごいよかった。

紫:よかった……って、三人ともこれでは示しがつかないでしょうが。

あ:すべてが「花となるでしょう」「また春に会いましょう」にかかってくるんですね。メリーゴーラウンドみたいに、毎年春が来るたびに、物語の節目が来るんですよ。……。いい……。(以後、いい……しか言わなくなる)

凛:僕って一人称に騙されたけどピートをドロップキックしたのは女の子だったんだね。義妹って言ってるから確かだろうな。ここでドロップキックなのがちょっとのギャグみを持たせて来る。

紫:このタイトル、見た時はびっくりしたけど確かにジャイアンものび太もドラえもんもいたからびっくりしたよ、名前違ったけど。こういうセンスいいなぁ。あと曲が良すぎる。これは三名一致の意見ですね。

凛:あと、おさまるべきところに納まる物語だったね。ちょっときれいすぎるけど、曲と合わせるとこれくらいがいいのかも。あとドロップキックがいい味出してる。

紫:凛ちゃんドロップキック好きね。私は元の曲のラスト、消えた音がまた戻ってくるところが好きです。それも含めてイメソンだよね。イメソンっていいな。

凛:イメソンっていいな!


(以後、編集中)

5、「どうにかして死ぬ」/尾八原ジュージ「Beautiful Freak」 EELS)

6、「星と糸電話」/七瀬モカᕱ⑅ᕱ

7、「」/草森ゆき

8、「天使と壁と鉄槌」/田辺すみ

9、「トリプレット・ワールド」/きょうじゅ

10、「PEACE OUT」/灰崎千尋

11、「パッチ・ユー!!」/白里りこ

12、「セーラー服とチェーンソー」/真狩海斗

13、「9.8の加速度で君に手を伸ばすよ」/2121

14、「花の雨」/七瀬モカᕱ⑅ᕱ

15、「一服、」/@kajiwara

16、「五つ目の化物」月見夕

17、「南しらのお第三公園」クニシマ

18、「さよならを覆す最高の方法」/夢月七海





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?