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忽那の雫第325話 釣り達人烈伝!2(ワタシの親父)

320話で釣り達人烈伝を始めてみたが、本来なら一番に登場させたかったのは親父だが、自分の親父を達人と言ってしまったら、もう後がないような気がして、あえてこの2番のタイミングで登場してもらう。^ - ^

うちの親父さんは、タイトル画像にあるように夫婦で油屋をしていた。

ワタシの産まれた街で、古くから油屋をしながら漁師をしていた親父さんのことを、悪く言う人を見たことがない。←なんでそこにアンタが生まれるんだ?( ̄▽ ̄)

小さい頃、どこへ行っても、アンタどこの子?
って聞かれたら〇〇の子じゃ!
文句あるのか?←コレがイカン^o^
って言うと、あ〜〇〇とこの子かー?

アンタの父ちゃんは良い人や(^O^)って全員が言ってたので、なんだか鼻が高くなり、はい、その長男ですって、、←すぐに敬語を使う( ・∇・)

そんな父ちゃんにワタシは釣りのイロハを教わった。

だから唯一の師匠であり、釣りの達人でもあるのだ。^ - ^


何の達人かと言うと、真鯛だ^ - ^
母ちゃんからさんざん聞かされたが、父ちゃんが漁から帰ってきて、船のイケマ(イケス)を覗くと毎回、イケマが真鯛で真っ赤になっていたと言う。^ - ^

それくらい釣りの腕は確かだったようで、のちにワタシが本人から聞いた話しを思い返しても、理に適った釣りをする人だと言うのは、話の端々からうかがえた。^ - ^

本物の達人からしか出ないオーラをまとっていたような、そんな大きさを感じた。

親父は86才でこの世を去ったが、何ごとにも動じない性格と、指先の器用さには驚かされた覚えがある。^ - ^

親父の鯛釣りは、興居島の裏でチンコイカと言う奇妙な名前のイカを引き、忽那諸島の野忽那島と睦月島の間の芋子瀬戸という場所へ行き、一本釣りで鯛を狙う。

この芋子瀬戸には芋子島という、これまた奇妙な名前の無人島があり、この周辺が鯛の巣窟なのだと聞かされた。

実際の芋子島

島の周囲は、芋子島の南側が20メートルの細かい砂底。

その周りは最大70メートルまである、いわゆるドン深な場所。  

流れは、満ち引きともに2knなのだが、海面は底をかき回したような激流に見える。^o^

こういう場所での鯛釣りで、親父は幹糸に10本のエダスを付け、一番下に鉄の玉を付けた、胴付き仕掛けでやっていた。

もう今は見かけない鉄玉がなんとも味わいのある重さで、見た目ほどの重量はないのだが、沈みはよく、何より安いのだと言う。^_^


鉄玉にはたこ糸のようなのを付けて、その上に10本のエダを付ける。

これを絡まさないように沈めて、良い時には全部のエダに鯛が付いたという。

50年前の話だ。^ - ^

そしてコレも父ちゃんに教わったのだが、鉄玉のすぐ上にハサミでキズを入れ、根掛かりが生じたらチャーンス!
とばかりに、わざとキズから鉄玉を切り、上の仕掛けがフワリと舞い上がる瞬間に鯛が食うのを狙うのだという。

だから根掛かりもチャンスで、安い鉄玉だから出来るワザだ。

そしてもう一つ、忘れられないささやかな情報を今も大切にしている。

なんと、エサのチンコイカだが、赤いのと黒っぽいのが居ることをご存知だろうか?


父ちゃんが言うには、黒いのが断然に良い。
クロチンコが良いと言うから、ワタシは忘れられない。←何か勘違いしてないか?( ̄▽ ̄)

この父ちゃんの仕掛けは、今ワタシがメバル釣りに使っている。

しかもワタシも鯛釣りがなにより好きで、いろんなこだわりも持っている。

ウチの奥さんも、ワタシは鯛釣りが一番似合ってると言うのだ。←照れてどんな顔して良いかわからない( ・∇・)

やっぱり何か遺伝的なものを感じる。

小さい頃のわずかな写真にも、ちゃっかり映り込んでる真鯛。

一番身近に居た達人の影は今も消えないのである。^ - ^
父ちゃんありがとう(^O^)

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