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アルバムとは。

震災で家が解体されていく。
解体員の人があるものを見つけ、
住人に手渡す。

アルバムだ。

受け取ったそのうちの一冊に
娘は幼い頃の自分の写真を見つけて言う。

「これ私だっ」。

そのフィルム写真のL判縦型プリントに
赤い服を着た小さな幼い女の子が写っていた。

デジタルの時代になって
写真はどのように思い出を残していくのだろうか。

アルバムのように出力し
目に見える本の形で
保管する人はいなくなるのだろう。

それにしても、
アルバムの存在感である。

岩波国語辞典とも
ハードカバーの聖書本とも
違う存在感がある。

オリジナルの情報が
放つ存在感である。

特定の人に
強力な価値が感じられる
存在感である。

一種のアイコンですらある。

解体員はその外形を見てすぐに気づき、
傾いた家屋の外にいる
家族へと速やかに手渡したのだった。

データなど電子情報に
外形はない。

見た目で気づけない。
災害現場でUSBメモリーや
SDカードを見つけて
「あっ、家族に渡そう!」と
直感的に感じ取れるかだ。

たぶん、
「あっ、何だろう」というのが
一般的な気づきの瞬間だろう。

そういう意味では、
アルバムの外形は
とても大事なものなのだ。


それは

読む本としてはあり得ない
大きさ。

どちらかというと
正方形に近いページの形。

分厚い表紙に
ビニールのカバー。

などがイメージされる。


「家の中に一見同じようなもので
沢山あるけれども、
ある点で
他と識別される工夫
のなされているもの」。

他には何があるだろう。

そうだ、「時間」だ。

誰にでもあるけれども
あなたにとって特別の価値のあるもの。

「あなたの時間」です。

「アルバム」は「あなたの時間」に似ている。

そうだ、時間を大切にしよう。
これは間違いない。


ここまで読んで下さり
ありがとうございました。
最近、抽象的です。

これからも書くことを
続けます。


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