見出し画像

西野亮廣講演会 in 飛騨高山に行ってきました

動画クリエイターのシュウジです。
岐阜県飛騨市と株式会社Another Worksが行う、複業人材を登用する実証実験において、「関係人口創出パートナー」として選出いただきました。

昨日は隣の高山市の青年会議所が主催する、キングコングの西野亮廣さんの講演会に参加してきました。とても勉強になるお話で何より面白く、最初から最後まで1時間半以上ずっとしゃべりっぱなし、その話す力にも驚きました!

自分の事業や飛騨市の活動にも活かせる部分ばかりだったので、紹介していきたいと思います。前半は自分の商品・サービスを高く売る「VIP戦略」について。後半は「コミュニティー」についてお話してくださいました。


VIP戦略

西野さんが以前から話されている「VIP戦略」
最近は自分たちの回りでも眼にすることが増えてきています。徳島県の阿波踊りのVIP席は話題になりました。

この記事にもあるように、多くの人はこう思うはず

「そんなの誰が買うの?」
「金儲けばかりしやがって」
「祭りはみんなで楽しむものでしょ?」

気持ちはすごくわかります。僕自身、以前はそう思う側でした。けれど、この発言をする人は大事な視点を見落としています。西野さんは飛行機を例に出して、わかりやすく説明してくださいました。

飛行機は誰のお金で飛んでいる?

「飛行機はファーストクラスのお金で飛んでいる」
こんな話を聞いたことはないでしょうか?どういうことか、具体例を出して紹介します。

「東京→ニューヨーク」の飛行機の座席数はこんな感じです。

  • エコノミークラス:147席

  • プレミアムエコノミークラス:40席

  • ビジネスクラス:49席

  • ファーストクラス:8席

  • 合計:244席

それぞれの料金は2023年2月時点で

  • エコノミークラス:22万5,000円

  • プレミアムエコノミークラス:39万7,000円

  • ビジネスクラス:64万6,000円

  • ファーストクラス:188万円

すべての座席が売れると「9,564万9,000円」となります。約1億円ですね。これだけの売上が出ないと、東京からニューヨークまでの飛行機は飛ばせないということにもなります。


じゃあ、ファースト・ビジネス・プレミアムエコノミーのすべての席をのぞいて、エコノミーだけにするとどうなるのか?


席数は「351席」まで増やせるそう。「351席」に「22万5,000円」をかけると、「7,897万5,000円」となるそう、なんと「9,564万9,000円」に「1,667万円」ほど足りなくなってしまうんです、、、

これだと飛行機を飛ばせないので、エコノミー席の人は1人あたり約5万円を追加で負担する必要があります。

つまり、普段はこの5万円分をVIP席のお客さんが負担してくれていたということ。僕らはまずこのことを知らなくちゃいけない、というのが冒頭のお話でした。


自分の身の周りに置き換えてみると、、、

飛騨高山には大きなお祭りがあります。春と秋の「高山祭」、飛騨市の「古川祭」です。2023年の春の高山祭は約17万人、古川祭も3万人もの人が訪れたイベントです。こちらにVIP席を導入しみては?と思い、祭り関係者の方に聞いてみたことがあります。

その方いわく、「VIP席は喉から手が出るほどうらやましい。可能なら導入したいが、席をどこに確保するかといった問題。そういった施作を導入する仕組みづくりがまだ出来ていない」といったお話をしていただきました。

これは僕の勝手な想像ですが、祭り関係者の方の中にはVIP席のようなものを導入したくないと思っている人も一定数いるのではないでしょうか?祭りはみんなのもの、大人も子どもも楽しめるもの、という認識です。

西野さんのお話に照らし合わせると、この考えはまったく的外れだということがわかります。VIPの立場の人、いわゆる富裕層とよばれるようなお金を出してくれる立場の人がいなければ飛行機も飛ばない=祭りを行うことすら、難しくなるのです。

ましてやこれからどんどん少子高齢化が進む日本です。これまで通りのやり方が通用しなくなるのは当然で、本当に祭りや参加する子どもたちのことを思うなら、祭りを持続する仕組みづくり、お金の問題が向き合う必要があると思っています。

コミュニティーに属してない人は生き残れない

人検索の時代

西野さんは兵庫県川西市のご出身です。地元に帰ると、必ず通う居酒屋があるそうです。そこの大将に「テキトーに何か作ってください」といったところ、餃子が出てきたそう。

西野さんはとても驚きました。というのも、何十年と通ってきて、それまで餃子がでてきたことは一度もなかったらしく、これだけ長くお店をやってきて、まだ新メニューを開発しているのか、その探究心たるやすごいな!と感動したそうです。食べてみると、味もめちゃくちゃ美味しくて、思わず熱くなった目頭をおさえながら「大将、この餃子めちゃくちゃ美味しいよ!」と伝えました。それを聞いた大将は一言こう答えたそうです。


「当たり前やろが」


シビれません?プロなんだから、美味い料理を出すのは当たり前やろ、背中で語る男らしさ。西野さんも同じくキュンキュンしたそうで、興奮していたところに大将はさらに一言こう続けます。


「そこのスーパーで買ってきたんやさかい」


え?


え?


えぇーーーー!?


なんと餃子は自家製ではなく、向かいのスーパーで買ってきたものをレンチンして、そのまま出していたものだそう。大将いわく、「スーパーに卸している商品は、厳格な審査をパスして店頭に並んでいるんやから、美味いに決まってるやろ」とのこと。

いやいや、それはそうだけど、僕の感動の気持ちはどうしたらいいの!?
と西野さんは思ったそう。文章で書くとこんな感じですけど、この話はまあ面白かったですね。会場中大爆笑でした。
面白いのはもちろんなんですけど、大事なポイントもちゃんとあって、この餃子はスーパーで300円で売っているものを、レンチンして500円で売っているそう。味付けの追加も一切なし!さらに、お客さんは向かいのスーパーの餃子であることをみんな知っているそうです。だって、目の前でスーパーの袋から取り出しているから笑。

だけどみんな500円の餃子をお金を出して買うそう。それが大将の応援になると思っているから。これが「人検索」の時代です。そして、そういったことが当たり前だと思っている人たちのコミュニティーに属していることが大切なんです。


飛騨高山に置き換えてみると

先ほどの祭の例がそうですね。祭を運営している人たちは「祭組」というコミュニティーがあります。その中で、VIP戦略がこれからの時代を生き抜くポイントだと思っている人々を増やしていかなければならないと思います。

飛騨高山全体を見てもそう。飛騨高山は観光地です。地元の人はよく「あの店は観光客向けだから」「あんな高い値段じゃ、地元の人は行かん」と言います。その考えでいいのでしょうか?飛騨高山は田舎ですが、観光という武器があることはとても恵まれています。何もない(ように見える)田舎だってたくさんあります。

観光業に関わる人たちが頑張ってくれるおかげで、飛騨高山の知名度があがり、多くの人が訪れ、お金を落としていってくれます。店や企業が業績をあげることで、働いている人の給料が上がり、自治体に納める税金も増えます。ふるさと納税によって、さらに地域外からのお金を集めることができます。そういったお金でインフラの整備や、公共施設の運営がまかなわれていきます。すべて自分達に還ってくるのです。

これから日本の人口はどんどん減っていきます。訪れる人はもちろん、働き手も減少していきます。疲弊しながら働くのではなく、自分たちの生活も大事にしながら相手も満足する商品・サービスを提供していくにはお金が必要です。そのためにこれから必要なのは、大きなお金でも売れる商品・サービスを提供していくこと。そのために必要なのは、お金を払ってくれる人たちの気持ちを知ることです。それには自分たちもそういった商品やサービスを知っておかなければなりません。自分が体験していないことを人に提供することはできません。まずはお金というものにしっかりと向き合い、学んでいくことが必要だと改めて感じた講演会でした。西野さん、主催してくださった高山青年会議所のみなさん、ありがとうございました!


今日書いた内容は、西野さんの著書「夢と金」でも語られています。より深い話もわかりやすく書かれていますので、ぜひ一度読んでみてください!


僕が関わらせていただく「関係人口創出」プロジェクトは「未来のコミュニティ研究室(FCL)」が主体となって活動されています。

12月9日には研究発表会があるので、多くの飛騨地域の方に足を運んでもらえるよう活動していきます。

このnoteでは活動の記録を発信していきますので、ぜひいいねやフォローをしていただけると嬉しいです!よろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?