青島周一

個人投資家/メディカルライター/日商簿記検定1級/ビジネス会計検定1級/薬剤師/NPO…

青島周一

個人投資家/メディカルライター/日商簿記検定1級/ビジネス会計検定1級/薬剤師/NPO法人アヘッドマップ共同代表 【公式ウェブサイト:https://syuichiao.wixsite.com/website

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 このメンバーシップでは、登録販売者の実務にとって有用と思われるトピックスを取り上げ、科学的な根拠に基づいた対応の論理(ロジック)をニュースレターとして配信します。特に、エビデンス(臨床医学論文)と呼ばれるような科学的根拠を重視し、客観的な事実に基づく情報構築を目指します。  筆者は薬剤師として、ドラックストアで市販薬販売に従事したこともあります。しかし、既に実務を離れて数年が経過し、現在の現場を知らないと指摘されればそれまでです。とはいえ、薬の効果について、「どんな『語り』が可能か」、その論理をお示しすることはできると思っています。  このニュースレターが、登録販売者の皆様の実務にお役立ていただければ、これほど嬉しいことはありません。また、市販薬を扱う薬剤師にとっても有用な情報となるよう、質の高いコンテンツを目指します。さらには、市販薬の購入を検討している一般市民の方にとっても、有用な情報源となりますことを切に願っています。

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    ウェブマガジン「地域医療ジャーナル」の廃刊に伴い、個人的に読み返したい自分の記事を転載しました。過去に投稿した記事であるため情報の鮮度にご注意ください。

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    この不定期連載では、社会人として知っておきたい簿記や会計の重要論点を、実際の経済ニュースなどの事例をふまえて解説します。ビジネス教養としてはもちろん、株式投資を始めた方にも有用なコンテンツを目指します。 なお、本連載は全文を無料公開します。ただし、本文の末尾には、記事をご購入いただいた方への御礼として、記事に掲載した図をパワーポイントファイルでダウンロードできるようになっています。 「記事が面白かった」「内容が役に立った」と感じていただけましたら、是非サポートいただけると励みになります。何卒よろしくお願いいたします。

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    この連載では、主にメディカルライターや医療系ウェブコンテンツの編集者の方を対象に、医療・健康情報を扱ったコンテンツ作成のノウハウをご紹介します。文章の書き方に関する基本的なテクニックや推敲時のポイント、見やすい図表の作り方に加え、医学に関する専門情報の取り扱い方法、学術論文(エビデンス)の検索や引用の仕方など、医療・健康情報に特化したコンテンツ作成のポイントを、まとめていきます。

  • EBM実践のための臨床医学論文の読み方・活用の仕方

    EBM実践のための医学論文の読み解き方や活用の仕方を、図解を交えて解説します。一部有料コンテンツですが、ご購入いただくと、図として掲載したパワーポイントファイルもダウンロードできます。

  • 明日から使える!服薬説明に生かす薬剤師のためのエビデンス

    あまりにも素朴な薬の疑問に、真面目にエビデンスで答えていく企画です。 特に新卒薬剤師や登録販売者の方におススメです!

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【ビジネス教養としての簿記・会計】企業はなぜ儲かるのかを考える-回収余剰をめぐる労働者と投資家の関係性

 会社組織(以下、企業)のような経済主体の活動を、貨幣額を用いて記録するプロセスを簿記、記録された貨幣額を利害関係者に報告するためのシステムを会計と呼びます。  利害関係者(ステークホルダー)とは、企業の経営者や従業員、あるいは企業の顧客だけでなく、企業に対して資金を貸し付けた銀行(債権者)、企業に対して投資を行った投資家なども含まれます。一般的に、会計上の利害関係者といえば、投資家を指すことがほとんどだと思います。  一般的な企業は、投資家が拠出した資金と、銀行からの借

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    • 東京ラヂエーター製造(7235)2024年3月期決算:簡易レビュー

       東京ラヂエーター製造(7235)が2024年3月期決算を発表しました。連結業績は、売上高334億円、営業利益14億円(営業利益率4.2%)、経常利益15億円、当期純利益17億円です。  同日に発表された2025年3月期の連結業績予想によれば、売上高予想330億円(1.2%減)、営業利益14億円(0.2%減)、経常利益15億円(3.2%減)、当期純利益11億円(34.6%減)でした。  2024年3月期決算は、業績が文字通りV字回復でしたね。一方、来期の見通しは当期純利益で

      • 新発売のロキソニンS🄬ハードゲル、痛みの芯に効くのは「薬」なのかそれとも……

         2024年4月23日付で、第一三共ヘルスケアはロキソニン®Sハードゲルを新発売すると発表しました(2024.第一三共ヘルスケア)。規制区分は第2類医薬品、剤形はハードゲルとなっています。  日本初のロキソプロフェン配合ハードゲル製剤を謳う本剤ですが、外用液のように液だれせず、軟膏剤やクリーム剤のように手を汚すことなく患部に塗りこむことができる点は、使い勝手の面から大きなメリットと言えるかもしれません。  ロキソニンブランドで展開されているロキソプロフェンの外用製剤は、

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        • 【コラム】《保存版》エビデンスの良し悪しを”直観的”に見抜くノウハウ

           メンバーシップの【コラム】では、エビデンス(臨床医学論文)の検索方法や読み方について解説してきました。入門的な解説を意識してきたつもりですが、細かい論点も数多く紹介しており、専門用語に戸惑いを覚えた方もおられるかもしれません。  医薬品の販売実務にエビデンスを活用する上で重要なことは、エビデンスの妥当性を細かく吟味する能力よりも、エビデンスを継続的に読み続けるモチベーションです。  質の高いエビデンスといっても、それは真実を表したものではなく暫定的な事実を表しているにす

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          【コラム】《保存版》エビデンスの良し悪しを”直観的”に見抜くノウハウ

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          【コラム】ドラックストアの売上高に季節性はある?売上高の成長率を高水準で維持するドラックストアの新しいビジネスモデルとは!?

          「標準プラン」に参加すると最後まで読めます

           医薬品のみならず、食料品やトイレタリー商品などの生活必需品を安価で提供しているドラックストアは、年間を通じて売上高が一定しているように思われます。つまり、売上高に対して季節的な影響(季節性)が小さい可能性です。  しかしながら、化粧品などを扱っているドラックストアでは、インバウンドの需要も取り込み、その購買状況は複雑化の一途をたどっています。  今回の【コラム】もまた、ゴールデンウィーク特別企画として、日本の主要ドラックストアの売上動向と季節性の関連を考察してみたいと思

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          ドライアイには使えないけど💦目の渇きに使える「ヒアレインS」…開封後の使用期限は?

          「標準プラン」に参加すると最後まで読めます

           ドライアイの診断を受けた人には販売できないけれども、目のかわきや異物感に効能・効果を有する点眼薬、ヒアレイン®Sが第2類医薬品に移行するそうです(日刊薬業. 2024/4/30)。  ヒアレインSは、「精製ヒアルロン酸ナトリウム」を医療用と同濃度配合したOTC医薬品として、2020年9月より販売が開始されました(参天製薬株式会社2020年9月15日)。  医療用のヒアレイン点眼液0.1%には「シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、眼球乾燥症候群(ドラ

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          【コラム】アクティビストに食われるか、それとも成長ストーリーを見出すか……今まさに岐路に立たされている調剤事業

          「標準プラン」に参加すると最後まで読めます

           日本調剤株式会社(以下、日本調剤)の2024年3月期決算が4月30日付で公開されました。薬局業界の先行指標として重要かと思いますので、同社の決算と来期の見通しをレビューしつつ、今後の動向を考察したいと思います。  いつもの【コラム】とは趣旨が異なりますが、ご参考になりましたら幸いです。 営業利益が二桁成長した一方で、当期純利益が4割減な理由

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          【コラム】ラジオ体操をしても生活の質は改善しない?-クラスターランダム化比較試験とは何ぞや?

          「標準プラン」に参加すると最後まで読めます

           先日のオンライン抄読会で、フレイル(虚弱)高齢者に対するラジオ体操の有効性を検証したランダム化比較試験の論文を取り上げました(Osuka Y, et al.2024; PMID: 38403689.)。  この研究では、フレイル予備群またはフレイルと評価された日本人高齢者226人が対象となりました。被験者は、ラジオ体操および栄養支援プログラムを実施する介入群と、栄養支援プログラムのみを実施する対照群にランダム化され、健康関連の生活の質(精神領域サマリースコア)が比較さ

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           医薬品のみならず、食料品やトイレタリー商品などの生活必需品を安価で提供しているドラックストアは、年間を通じて売上高が一定しているように思われます。つまり、売上高に対して季節的な影響(季節性)が小さい可能性です。  しかしながら、化粧品などを扱っているドラックストアでは、インバウンドの需要も取り込み、その購買状況は複雑化の一途をたどっています。  今回の【コラム】もまた、ゴールデンウィーク特別企画として、日本の主要ドラックストアの売上動向と季節性の関連を考察してみたいと思

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           先日のオンライン抄読会で、フレイル(虚弱)高齢者に対するラジオ体操の有効性を検証したランダム化比較試験の論文を取り上げました(Osuka Y, et al.2024; PMID: 38403689.)。  この研究では、フレイル予備群またはフレイルと評価された日本人高齢者226人が対象となりました。被験者は、ラジオ体操および栄養支援プログラムを実施する介入群と、栄養支援プログラムのみを実施する対照群にランダム化され、健康関連の生活の質(精神領域サマリースコア)が比較さ

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          生きることは健康リスクそのものであるということ。

          ※地域医療ジャーナル2020年09月号 vol.6(9)より転載です。情報の鮮度にご注意ください。 健康診断は、疾患の予防、早期発見を目的とした予防的な医療の中でも、身近な医療の一つでしょう。労働安全衛生法では、事業主に対して、労働者に対する健康診断の実施を義務付けており、会社勤めの人にとっては、“健康診断は1年に1回は受けておくもの” というイメージが一般的かもしれません。  とはいえ、健康を診断するとはそもそもどういうことなのでしょうか。健康診断を受けていれば安心、と

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          医療者の利益相反-製薬企業からの利益供与とその影響―

           「弁当くらいで処方は変わりません」 ある医療従事者向けウェブサイトに、そんなタイトルの記事が掲載されていた。[1] 同記事によると、学会で製薬企業が弁当などを無料で提供して行っている「ランチョンセミナー」の必要性について、7割の医師が「あった方が良い」と回答していた。  調査の対象となったのは同ウェブサイトに登録している2567人の医師である。ランチョンセミナーがあった方が良いと回答した理由として、昼食を食べながら勉強できて効率が良いという意見や、昼の時間を有効利用できる

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          医療者の利益相反-製薬企業からの利益供与とその影響―

          不健康管理社会、あるいは“シビュラメデュケーション”

           先日、とある研修会でシネメデュケーションという言葉を知る機会がありました。シネメデュケーションとは映画の「Cinema」、医療の「medical」、教育の「education」を掛け合わせた造語で、1994年にAlexanderが提唱したそうです。[1]   シネメデュケーションは映画作品に描かれた世界を通して、人の身体的、精神的健康とそれに関わる医学・医療のさまざまな行き詰まりや未解決課題を明確化し、新たな展望を切り拓くことを目的とした医学教育コンテンツと言えます。

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          不健康管理社会、あるいは“シビュラメデュケーション”

          論文の記載に印象操作!? 臨床医学論文のスピンに惑わされない4つのポイント

           質の高い医療情報の一つに論文情報があります。臨床医学に関する論文は総じてエビデンスなどと呼ばれますが、その中でも情報の妥当性に優れているのがランダム化比較試験の結果をまとめた論文です。  ランダム化比較試験において、薬の有効性や安全性を評価するために用いられる指標を評価項目(アウトカム)と呼びます。  たとえば、高血圧治療薬であれば、血圧の値のみならず、脳卒中の発症率や死亡率、あるいは副作用の発生率なども評価項目として用いられます。  ランダム化比較試験では、一般的に

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          論文の記載に印象操作!? 臨床医学論文のスピンに惑わさ…

          医療・健康問題の意思決定における限定合理性について

           意思決定をする際に僕たちが参照している情報は、合理的に判断するために必要な全ての情報ではありません。  例えば、“ある健康食品が体に良い”というテレビ番組を見て、その健康食品を買い求めようという意思決定を想像してみてください。その意思決定において参照されている情報は、テレビ番組の内容がほとんどであり、健康食品に関する様々な情報を集め、その有効性や安全性について、徹底的に吟味した結果ではありません。  このように、問題解決の際、簡略化されたプロセスを経て結論に至ることをヒ

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          医療・健康問題の意思決定における限定合理性について

          高齢者薬物療法における倫理的な問題

           高齢者における多剤併用、いわゆるポリファーマシーをめぐる問題が注目される中で、潜在的に有害事象リスクの高い薬剤、あるいは医学的に無益な薬剤を、いつ、どのように減らしていくかという議論が活発になされているように思います。  もちろん、こうした問題に関心が集まっているのは日本だけではありません。世界的に見ても、薬剤処方数は年々増加しており[1][2][3]PubMedに収載されている「Polypharmacy」に関する論文報告数の推移も2010年以降、急上昇しています。  

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          高齢者薬物療法における倫理的な問題

          ”フレーミング効果”と”ナッジ”をめぐる倫理的問題

           医療機関を受診する前に、インターネットを利用して健康関連情報を収集する人は少なくありません【1】~【3】。医療機関を受診するかどうかの判断のみならず、検診や予防接種を受けるかどうか、あるいは市販薬やサプリメントの購入などにおいても、医療・健康情報が僕たちの行動に何らかの影響を与えていることは否定しがたい事実です。  インターネットやマスメディアから発信される情報内容の(科学的な)妥当性や信憑性については、さまざまな議論が可能であり【4】、本稿ではその是非については踏み込み

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          クスリのリスク〜その分類、認識、評価〜

          「副作用」という言葉は薬の有害性を語るうえでとても馴染のある言葉です。そしてこの「副作用」は、一般的には否定的な、つまり好ましくない結果を示す言葉として用いることが多いように思います。しかしながら、本来「副作用」とは「主作用」の対義語であり、肯定的な好ましい結果に対しても用いられることがあります。  例えば胃の調子が悪くて、なんとなく味覚の障害も感じている患者さんがいたとしましょう。こうした患者さんにとって、ポラプレジンク(プロマック®)の主作用は胃粘膜防御効果と言えますが

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          クスリのリスク〜その分類、認識、評価〜