しめりぬぺコミュニケーション
小雨の降る午後、山道入り口の短いトンネルにて、おじさんは白くて小さな人型の生き物をみた。
「ハアッ‼︎人っ……‼︎ぶたないで私を……。」
白くて小さな生き物は、おじさんをみるやいなや、体を丸めて震え出した。
おじさんは首を振った。おじさんは無力な生き物に手をあげない、一般的紳士だ。
代わりにおじさんは、自分の胸元に片手を添えて15度のエレガントな会釈をした。
最初は怯えていた生き物も、おじさんの並々ならぬジェントルオーラに、「ほぅ…」と感嘆をもらしながらゆっくりと立ち上が